- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043801015
作品紹介・あらすじ
不動産会社部長の森田は、早期退職に応じ、新会社を起こして再起を図ろうとしていた。ところが退職当日、起業資金の半分と共に、家族が消える。仕事人間が人生を振り返り、仕事と家族を見つめ直すサラリーマン小説。
感想・レビュー・書評
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<作品紹介>
バブル崩壊後、大型プロジェクトが打ち切られ、出世コースからも外れた不動産会社部長の森田は、早期退職制度に応募して再起に賭けていた。独立して、三十年間やってきたこの不動産業界で、もう一旗揚げるのだ!ところが退職の夜、妻子が失踪し、起業資金が消えた。自分の身に、いったい何が起こったのか?サラリーマンにとって、家族とは、仕事とは何なのか。家族の絆を問い直し、自分を見つめ直してゆく、再生の物語。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何と言っても、タイトルと表紙のイラストにインパクトがある。
サラリーマンの悲哀さが滲み出ているのだ・・・。
主人公は会社の早期退職に応募。
割増の退職金を糧に、友人の支援を得て新しい会社を立ち上げる予定だった。
しかし、最終出勤を終えて我が家に帰ると、何と家族全員がいなくなっているのだ。
主人公はあちこちに連絡をし、家族の消息を探る。
そして今まで自分が知らなかった息子や娘、そして妻の意外な一面を知ることとなる。
家族たちは仕事ばかりで家を顧みなかった夫(父親)との縁を切ろうとする。
「熟年離婚」なんて言葉が流行したが、まさにこれがテーマの小説。
特に日本の団塊サラリーマンは、会社に忠誠を誓い、粉骨砕身勤めてきた人が多いだろう。
それは家族を経済的に守るためでもある。
しかし、自分でも気が付かないうちに「会社中心」の毎日が家族との距離を広げ、修復不可能になってしまったのだ。
オレはサラリーマンのはしくれなので、半分はこの主人公に同情する。
でもいい年になって、こんな風に一人で漂流しないよう、家族の絆のようなものをもっと深めていかなければならないと思った。
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タイトルはイイけど。2002年当時、56歳の人から見た世の中はこんなだったのかなぁ。