美丘 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043854028

作品紹介・あらすじ

美丘、きみは流れ星のように自分を削り輝き続けた…平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。彼女は治療法も特効薬もない病に冒されていたのだ。魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブ・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 悲しい結末になることがわかっている展開なのに、すっきりとした読了感。もし自分が美丘の立場だったらこんなに最後まで輝かしく生きていけないなと思いました。

  • 「泣ける」って聞いたんやけど…
    余命もの の王道って感じですね。
    '90年代のトレンディドラマのような雰囲気に、2000年代 のケータイ小説のハイブリッド 作品

    主人公が語る 美丘 との思い出が季節毎に語られて…
    最後ゎ……

    石田衣良 作品だから読めたかな?って感じでした。

  • 泣ける話と聞いて読んでみたが、泣かなかった。ただ切ない。ヒロインらしからぬキャラの美丘。そこが他と違っていいのかもしれないが、私の感動にストップをかけたのがそれだった。ストーリーや言葉は好みだったのに残念。でも、逆にここまで個性を出せるのはスゴイ事なのかも…。

  •  自分の生き方を考えさせられる物語だった。人生はいつまで続くかわからない。だからこそ、自分の好きなことを好きなだけしながら生きていくべき。このことは頭で分かっていても、本心から理解することは難しいと思う。でも、それは紛れもない事実で、死ぬ直前に痛感するのだと思う。いつ終わるかわからない、頭に入れて過ごしていきたいと思う

  • 涙でぐしゃぐしゃになった。明日は確実に目が腫れる。
    美丘の精一杯生きる姿とそれを支える太一に本当に勇気をもらえる。もっと精一杯生きていきたいと思った。
    2人のドラマチックな生活に溢れる一つひとつの振る舞いが、優しくて温かくて、自分とも重ね合わせて、心がじんわりとした。

  • 美丘に感情移入してしまうと狂いそうになる。。



  • 涙が止まらなくて、何度も栞をはさんだ。
    自分の人生精一杯生きようと思えた。

  • 「私はあとどのくらい、私らしく生きられますか?」という美丘の台詞や、法を犯してまで彼女の尊厳を守った太一くんからも見て取れるように、この作品の主軸にはパンクっていう思想があると思った。それが世に溢れる難病が絡むラブロマンスと一線を画す点。本当に好きです。

  • 一つの作品として楽しむには
    めちゃくちゃ良かったけど、

    最近フェミニズムや男女差についての知識を
    得る中で、やはり物語の中で輝きながらも死んでしまうのは、若い女の子が多いなぁ、と。

    単純に感動出来ずに、感情がぐちゃぐちゃになったけど、それも含めて読んでよかったと思える作品でした。

  • 風景描写の書き方がすごいロマンチック

  • 何というか、甘い、甘すぎる。

  • 同じストーリーを別の作家さんが書かれたら まったく読んだ後の 後味が違うと思いました。
    なんとなく 男臭いなぁ…と 感じました

  • 高校生以来の再読。
    物語は(よくあると言ったら失礼かもだけど)病気のヒロインと青年の恋愛物語。
    石田衣良さん節で男女の営みが多い気もしますが、、
    それよりも風景描写が大好きです。春の風、夏の空、秋の樹木と、冬の気温。全ての描写がキラキラして見えます。
    図書館で読みましたが、最後の方は泣きそうで鼻水啜りながら読みました(花粉症の時期で良かった)

    本好きになった一冊と言っても過言ではないこの小説に大人になったいま読めて良かった。
    時間は有限

  •  人物描写がとても魅力的な本だった。美丘以外は主人公も含め凡庸で、特に直美なんて空気レベルで数合わせのようで可哀想だが、美丘は確かにいきいきとしており頁を進めるごとに彼女に惹かれていく太一に共感できる。
     あらすじは、美丘に太一が惹かれていき交際を始めるも、彼女は不治の病に侵されているというありきたりなもの。しかし、ありきたりな設定でこそ著者の力量が試されるもの。結末は予想できても涙が溢れた。戸田恵梨香が出てた若年性アルツハイマーのドラマを観ていた時も感じたが、どんどん自分が自分でなくなっていく恐怖は計り知れない。ちゃんと約束を果たした太一の深い愛情に胸を打たれた。

  • この本のおかげで、自分は、現実とかけはなれすぎてる小説は嫌いだと分かった。リアルでは言わないようなセリフやファンタジーみたいな展開があると、感情移入できないから。
    だけど、描き方がうまいから最後は感動した。

    太一「こういうのは面倒で、あまりぼくの趣味じゃないな。いちいちプレゼントしたり、気を使ったり。そういうのでなくて、もっと自然に、変に力を入れたりせずに女の子とつきあえないものかな」
    美丘「あのさ、最近の男子って、みんなそういうんだよね。恋をする時でも、楽ばかりしようとする。自分を変えたくない、新しいことはしたくない。それなのに、Hだけはしたがるんだから、たちが悪いよ」(94)

  • 美しい言の葉で流れる四季、世界を表現した物語。
    美丘の人生は短かったが、人はそれぞれの季節を生き、人生を終える。できれば、燃焼し尽くして、生を全うしたい。

  • 主人公のぼくは大学2年生の橋本太一、ある日峰岸美丘という自由奔放な女性に出逢う。太一は麻理という誰が見ても素敵だと思うであろう女性とつきあってみて、はじめて美丘へ抱く恋心に気づく…。太一は麻理に別れを告げ美丘と結ばれるが、子供のころ交通事故で移植手術を受けたことにより、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性がある…もし発症した場合は脳がスポンジのようになり歩行障害からはじまり記憶障害、日常生活が送れなくなり、最期には食事もとれず息もすることもできなくなるという…。どうあろうとも2人でこれからも過ごしていこうと決意したが、不幸にも美丘が発症してしまう…。

    「…生きていることは奇跡で永遠に続くものではない。…命には終わりがあるって頭ではわかっている。でも心と身体の底から限界を感じているのはわたしだけ。…この世界ってきれいだね。」この美丘の言葉…美丘だからこその感じ方なんでしょうね!

    美丘を支える太一が健気で献身的…美丘も当たり前なんだけれど発症前と発症後では全く違う印象が異なる…ラストが切なすぎて、心が震えました(泣けはしなかったけど)…。

  • うーん、タトゥーは違くない?

  • 読む前は美丘を可愛らしい女の子と思っていたが、実際は行動力や積極性のある力強い女性であった。太一と美丘はやたらと欲望に飲まれることが多く、ラストにどのような感動があるのかと不思議に思っていたが、美丘が病気を告白した後から物語のスピード感が増し、病状も悪化していった。脳がスポンジのようになるという病気で次第に体の自由がきかなくなる美丘は今までの快活さもなく、物語前半の美丘と別人みたいだった。太一が美丘の約束から逃げていた最中、美丘の家族集まっての病院で美丘が「やー、やー、やー」「やー、くー、くー、そー」と言った場面は一番苦しかった。クリスマスに太一が美丘の約束を果たす場面では、2人の愛が苦しいほど伝わってきた。

  • 何か新しい作品を読んでみようと軽い気持ちで手に取った一冊でしたが、いい意味で期待を裏切られました。自分は今まで書籍を読んで涙を流すことは無かったのですが人目を憚らず泣いてしまいました。主人公の恋や揺れる心など設定はありふれたものかもしれませんが、性描写や人の汚い部分まで描かれていて共感できる部分が多い点が他の作品とは違う部分かもしれません。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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