宇治拾遺物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)

制作 : 伊東 玉美 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 81
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044002459

作品紹介・あらすじ

「こぶとりじいさん」や「鼻の長い僧の話」など、とんでもなくて面白い鎌倉時代の説話(短編物語)集。総ルビの原文と現代語訳、わかりやすい解説とともに、やさしく楽しめる決定的入門書!

【目次】
はじめに
◇序
◇一話「道命阿闍梨が和泉式部のもとで読経し、五条の道祖神が聴聞した話」
◇二話「丹波の国篠村に平茸が生えた話」
◇三話「鬼にこぶをとられた話」
◇四話「伴大納言の話」
◇一三話「田舎の児が桜の散るのを見て泣いた話」
◇一六話「尼が地蔵にお目にかかった話」
◇二二話「金峯山での箔打の話」
◇二五話「鼻の長い僧の話」
◇二八話「袴垂が保昌に会った話」
◇三〇話「唐の卒都婆に血が付いた話」
◇四九話「小野篁が才人だった話」
◇五七話「石橋の下の蛇の話」
◇五九話「三河の入道が遁世した話」
◇七二話「以長の物忌の話」
◇八五話「留志長者の話」
◇八七話「観音経が蛇になって人をお助けになった話」
◇八八話「賀茂の社から紙と米を頂いた話」
◇九一話「僧伽多が羅刹の国に行った話」
◇九三話「播磨の守為家に仕える侍佐多の話」
◇一〇四話「猟師が仏を射た話」
◇一一二話「大安寺別当の娘の恋人が夢を見た話」
◇一二五話「保輔が盗人だった話」
◇一三一話「清水寺の御帳を頂いた女の話」
◇一三三話「空入水した僧の話」
◇一三四話「日蔵上人が吉野山で鬼に会った話」
◇一三六話「出家の価値の話」
◇一四七話「きこりが隠題の歌を詠んだ話」
◇一五七話「ある公卿が中将時代に誘拐された話」
◇一六四話「亀を買って解き放った話」
◇一六五話「夢を買った人の話」
◇一六九話「念仏僧が魔往生した話」
◇一八四話「御堂関白の飼い犬の超能力の話」
◇一九四話「仁戒上人が極楽往生した話」
◇一九七話「盗跖と孔子とが問答した話」
おわりに

☆コラム1 源隆国と家族
☆コラム2 芥川龍之介の古典物・説話集編者たちの「競作」
☆コラム3 セットになっている説話
☆コラム4 大力の伏兵
☆コラム5 遠回りの意味

感想・レビュー・書評

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  • 『宇治拾遺物語』は鎌倉時代前期に成立したと考えられる、編者未詳の説話集です。
    説話とは短編物語のことです。私は説話って民話とか伝説のことだと何となく思っていたので、短編という意味があったなんて知りませんでした。

    ところで私は「編者未詳」とか「作者不詳」の古典文学がわりかし好きです。今昔物語、竹取物語、伊勢物語、落窪物語……誰が編集したのか、誰が書いたのか。歴史上の有名な人物が編集したのかもしれない、名もなき平民の母親が子どもを寝かしつけるために毎夜話した創作物語が入ってるかも、会ったことのない有名な人物に対する憧れが伝説を生んだのかな……なんて想像してしまいます。その謎も好きな一因なのですが、それ以上に編者や作者の手を借りずとも物語自身の力で時を越え、現代まで生き抜いてきたエネルギーを感じるからです。長い時を越え、今私の目の前に物語があること。うまく伝えられないけれど、これがどれほどすごいことなのかを受け止めたいなと思うのです。

    『宇治拾遺物語』も人気の古典だったので、この時代まで残ってきたんですよね。
    一話目、道命阿闍梨が、恋人和泉式部と夜を過ごす場面から始まります。いきなり有名人の恋物語から始まるのかと、ちょっと楽しみにしてると、あれ?と肩透かしをくらいました。これは道祖神という旅の神、あるいは生殖の神として崇められる身分の低い神が、大物二人を脇に主役っぽいぞとなります。
    道祖神は道命に対して、身を清めて経を読まれるときは、高位の神仏がいらして近づけない。でも、今夜行水もせず(潔斎もせず穢れた身)に経を読まれたので、私にも拝聴することができた。忘れられない読経だったと言います。
    道命にとっては、誉められるものの何か気まずい。何だかなぁ……という話です。
    読んでる私も話をうまくはぐらかされた感じで、何だかなぁ……となります。
    それがこの物語の面白いところでもあるのでしょう。『宇治拾遺物語』はそんな私の思いを背負って始まるのでした。

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