越境の古代史 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044002626

作品紹介・あらすじ

歴史を動かしてきた古代アジアの「人の交流」を、倭国の時代から律令国家成立まで、実証的に再現! 国家間の関係とされてきた古代日本と、アジアのネットワークの関係の歴史を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 「これまでの国民史的なとらえ方のなかでは主要なテーマとなりえなかった、列島古代史に根深く、また越境的にからみつくアジアのネットワークを、積極的に拾い上げ(本著「はじめに」より抜粋)」られた書。

    ともすれば国単位で語られがちな古代の国際交流や商い、渡来の動きを地域・個人単位で、相互に与えあった影響や思惑などを、多層に多元に分析されていると思います。

    またこのような他国にからむ主題は、取り上げた時期、つまり「その時の現在の時代・今」のフィルターをかけて分析されがちだったことを前提として、それを払拭し、より冷静に見つめ直す事を提示されているとも思います。

    この書に現代のグローバリズムやナショナリズムを当てはめて「今も昔も変わらない」というような同調や「昔は今より遅れていた」という先入観はナンセンスです。

    境界を越えて生きていた古代と人々を、ぜひ感じていただきたいところです。

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著者プロフィール

田中 史生
早稲田大学文学学術院教授。日本古代史。
〔主な著作〕『日本古代国家の民族支配と渡来人』(校倉書房、1997年)・『国際交易と古代日本』(吉川弘文館、2012年)・『渡来人と帰化人』(角川選書、2019年)他多数。

「2021年 『古代日本対外交流史事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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