- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044094805
作品紹介・あらすじ
「酒は純米、燗ならなお良し」――酒造技術指導の第一人者が、日本酒が醸されてゆく過程を丹念に紹介。経験と理論に裏打ちされた真剣勝負の世界と、固有の文化である日本酒の未来像を語る。『いざ、純米酒』を改題。
感想・レビュー・書評
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『#純米酒 匠の技と伝統』
ほぼ日書評 Day711
日本酒ソムリエチャンピオンでもある鮨屋の大将に、著者の名前を教えられて手に取った。
財務省に、日本酒を造るための技術指導者がいるのをご存知だろうか?
本書後半で語られるが、かつての酒造というのは今にも増して大変だったらしい。
そもそも米が無いという時代もあり、冷蔵(温度管理)技術も乏しかった。そんな中、せっかく仕込んだ酒が腐ってしまうことも多かった。
すると、当然、税金(酒税)を取り逸れるわけなので、すこしでも効率的に徴税しようということで、そうした技術者が生まれた経緯があるようだが、著者は単なる徴税吏の枠を大きく超え、優れた日本酒を造ることに情熱を燃やした。
純米にあらずば酒にあらず…という主張が極論と異を唱える向きもあるようだが、ワインやビール等で糖度が足りないから砂糖を加える等は論外と考えると、醸造アルコールを加えた日本酒と純米酒は別のものとして区別されるべきというところまでは、評者も同意するところだ。
”山廃”や”四段仕込み”など、ラベルに大書されていると、何となくそれ自体が意義ある(優れている)ことのように感じられるが、その実際に意味するところ等は、なるほど感があった(日本酒に詳しい方には、今更なところだろうが)。
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酒は純米、燗ならなお良し
そのとおり! -
著者の長い技術者人生から、記述がかなり専門的で、酒造家に向けた作品でもあるようなので、専門用語に関する解説が少なく、なかなか読みにくいが、日本酒の歴史や、純米酒を醸造することの難しさや素晴らしさは十分伝わる。
最近、日本酒が美味しく思えてきたところなので、このありがたみを踏まえながら、これからも純米酒を楽しんで行きたい。