毒親サバイバル

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046022806

作品紹介・あらすじ

アルコール依存症の父親との顛末を描いた「酔うと化け物になる父がつらい」で
世に衝撃と共感をもたらした菊池真理子さんが
今度は毒親から生還した10人を取材してコミックにまとめました。

菊池さん自身も含めて登場する、有名無名の11人の人々が
親から受けた傷はみんな違います。

アルコール依存症の親、暴言と暴力の親、価値観を一方的に押し付ける親、
果てしなくお金をむしりとる親、そんな状況を見て見ぬふりする親……。
その体験談は赤裸々。

毒親に育てられた子どもたちにとっての最大の悲劇は、
「家族ってこんなもの」「これが当たり前」と思いながら育ち、
自分が悪い、自分がヘンだとの想いから逃れられないこと。
大人になってからは「連鎖」におびえること。

本書は、親と同じ道を選ばないために、全身、全力でサバイバルしていく11人のさまを、
リアルにコミック化した、コミックだからなしえた作品です。
本書が、傷を負って生きてきた人たちが、傷を負い続けないヒントとなりますように……。

【以下、はじめにより】

「どんな親でも子どもを愛してるんだから」 とか 「育ててくれた親に感謝しなよ」 とか
 「親と不仲のヤツはヤバい」 とか 「親を捨てるなんて不孝者」 とかとか。
そんなバカなこと、言わない世の中にしたい。

本当は、愛で満ちた天国のような家ばかりになるのが理想だけど、それがムリなら。

あの子が大人になった時、あたり前のように、親から逃げるって選択ができる世の中に。
逃げてから、さらに傷つけられたりしない世の中に。

それが私たち元子どもの、できることかなと思います。

菊池真理子

感想・レビュー・書評

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  • 毒親サバイバル
    そのタイトルに 本当に心から
    「生還してよかった」と言いたい​​​​​​​
    この本に書かれている親子関係は
    ほどんどの人には
    信じられないくらい辛いものが多い
    よくぞ生きてた と思う
    毒親に絶望してる人に届くといいな

  • あの「酔うと化け物になる父が辛い」の著者がインタビュー形式でまとめた本。


    こういう本読むたびに思うけど、「家族を大切にしないやつはだめだ」って声高に言う人って自分の経験が全てなのだろうな、と。たぶん、そういう人たちにとって思いもしないようなことが世の中にはたくさんあるのに気づかない。だからこの本とか読めばいいと思うホント。


    サバイブしてきた人たちは「悪いところもあるように、良い家庭環境の人もいる」って当たり前のようにわかるのに、逆は無い(もしくは完全別世界だと他人事とされる)のが辛いよなあ、、。大事にするのはもちろん尊いことと同じように、それができない環境もあるのだと。


    紹介されてたのは酒乱、夫婦仲悪い、暴力、金銭トラブルが多かったけど他にも問題はたくさんあるしね。うちも夫婦仲はすっごく良くて仲良しだし。あと、この手のテーマなら過保護系が少なかったのは意外。



    担当編集(穏やか?な家庭育ち)が寄り添ってくれたことがなによりの、っていう作者の気持ちが凄いわかる。あっち側のひとに少しわかってもらえるだけで嬉しいのだと思う。でもやっぱ幸せな家庭に育った人って自己肯定感高めで天真爛漫に育つから羨ましいって思っちゃう気持ちもあるし、だからこそ憧れの気持ちがある。

    • 大野弘紀さん
      たぶん、そういう人たちにとって思いもしないようなことが世の中にはたくさんあるのに気づかない。だからこの本とか読めばいいと思うホント。

      ...
      たぶん、そういう人たちにとって思いもしないようなことが世の中にはたくさんあるのに気づかない。だからこの本とか読めばいいと思うホント。

      本当に、そう思います。
      2018/11/06
  • 毒親、使いどころがなかなか難しい言葉だけど、この漫画に出てくる方々は、恨みつらみやどろどろというよりも、さわやかで、読んで良かったと感じる。第2弾も作って欲しいな。

  • マンガだからライトな感じで仕上がっているけど
    どれもこれも暗くてキツイです。

    一番衝撃を受けたのは
    祖母による性的虐待です。
    AVの世界じゃないか。

    子ども達に(逃げるために)毒親の世界を知らせたがほうがいいと思うけど、この漫画は見せられないかなあ。

  • 人の家庭とうちは何か違うと思う感覚や、毒親家庭で育った方たちの親についての考え方が参考になりました。親のことは元カレだと思えばいいのよというセリフがとてもストンとしてよかったです。

  • ――インスタで、成宮氏の紹介で。
    買おうと思った。

    それはもう流れ星が見たら願うとかでははなくて
    もう目にした瞬間に手を伸ばして掴んでしまったような

    どの家庭もとんでもなくて、めちゃくちゃで。

    でも、家庭がとんでもなくて、めちゃくちゃであること中で必死で生きてきたことを、訴えるのでもなく

    あなたにとって、家族が幸せでないのなら
    あなたは、家族と離れてもいい
    というメッセージに、救済があると思った

    少なくても、私はそのメッセージに、救われた。

    普通の家庭のような
    普通の価値観のような

    それは、あっていい、
    でも、違ったものを選んでもいい、
    そう言ってくれる本は、まだまだ少ないと思う

    多くの人はきっと、そう言ったら
    まだまだ、「でも」、と言いたくなってしまうと思うから。

    でも「親なんだから」
    でも「家族なんだから」

    だから?
    誰の? 人生なの?

    運命は、自分で選んでいい

    生き方は、自分で、決めていい。

  • 借りたもの。
    『酔うと化け物になる父がつらい』( https://booklog.jp/item/1/4253106935 )の著者による、毒親育ち(アダルトチルドレン)たちが成人後、どのような人生観を持ち、立ち直ろうとしているかを取材したコミックエッセイ。
    親(さらにはその親の世代から)の奇行――アルコールなどの依存症、愛着スタイル他に起因する――によって受けた虐待(過干渉、ネグレクト)の数々。
    その個々の程度の問題を余人が計ってジャッジすることはお門違い。
    一見、経済的に恵まれている、普通の環境(よくイメージされる貧困家庭ではない、という意)であっても、挙げられた家庭内は「機能不全」に陥っている。

    彼らは一様に家庭内での安心を口にしない。
    思春期の自立を目指す反抗でもなく、諦念で成り立っている。

    親というものがそんな完成された人間とは思わない。
    だが、自分の弱さを意図的に子供にアピールすることで子供に協力(ひいては支配)させる、(例え子供に向けていなくても)本来自分がすべき責任を放棄することが「親の加害性」だと理解する。

    自身の学歴や教養へのコンプレックスから、自分を磨くのではなく子供に押し付けて自分のアクセサリー化する母親。
    自身が頼られる存在であることを認識したいがためにそれを強要する父親。
    自身の愛情不足を埋めたくて甘えたい母親と亭主関白を勘違いして支配的で無責任な父親
    女医として成功していて他人にも気を使っているようで、実は人の心を掌握するタイプな母親……

    親たちは総じて、〝子供の心を理解したり受け止めたりしていない。〟
    子供らはそんな親たちの感情のゴミ箱、あるいはしわ寄せを被る。

    あとがきには信田さよ子女史の寄稿。毒親とアダルトチルドレン(AC)の定義の違いを明確にしている。
    前者が親の問題にクローズアップしていること、後者がその生育環境によって傷を受けた子供が主体になっていることを明文化。
    ただしどちらも「そう言った親によって自分(子供)が受けた傷を理解し、立ち直ること」が最大の目的である。

    その形は様々だろう。
    親の謝罪をもらった人物もいたが、毒親育ちの解放の布石は、毒親の死が大きいとも思った。
    ……否、著者などは毒親に先立たれたがために、昇華されていない。

  • 実家がどこより安心する場所で家族はわかりあえるという人もいるんだろうけれど、そうでない人も実は結構いる、ということがもっと普通に知られるといいな。

    担当の編集者さんもとても穏やかな家庭というけれど、なんだか大変そうでした。

    みなさんすごいよ!

  • 自分や周囲の人に向き合えなくて、子どもともちゃんと向き合わなかった親に育てられ人たちの体験談。

    私はずっと生きるのが苦しかった。
    家族の悪口なんて言ってはいけないと思っていた。
    うちの家族が普通だと思っていた。
    ここ数年友人が子育てをはじめて、「家族」について話す機会が多くなった。
    そのなかで、うちの母は変だった、ということを知った。
    今でも生きるのは苦しいし、つらい。
    何もうまくいかなくて怖い。悔しい。
    でも、「許さなくていい」この言葉で、ちょっと救われた。

  • 親なんだから、家族なんだからって周りの人から言われても、納得できない人に読んでもらいたい。これ、現実?ほんまに?って思った人はそのままの生活を幸せに暮らしてほしいし、でも、誰かの家族の話になったら、片隅にでもこんな家族がいるかもしれないって思い出してほしい。最悪でも、価値観や、説教だけはやめてほしいって心から思う。受け止め方で、いろんな環境が見えてくるなと思う本でした。

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著者プロフィール

漫画家。2017年に発表した『酔うと化け物になる父がつらい』(秋田書店)が大きな話題に。既刊に『毒親サバイバル』(KADOKAWA)、「依存症ってなんですか?」(秋田書店)など。10月6日には新刊『「神様」のいる家で育ちました〜宗教2世な私たち〜』(文藝春秋)も発売予定。

「2022年 『食べるの怖いな』 で使われていた紹介文から引用しています。」

菊池真理子の作品

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