アルゴリズム フェアネス もっと自由に生きるために、ぼくたちが知るべきこと
- KADOKAWA (2020年1月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046040756
作品紹介・あらすじ
「デジタルはすでに『哲学』の一領域です。本書でぜひ『リベラルアーツ』としてのデジタルを学んでください」
山口 周氏推薦!
本書は、「ぼくたちがもっと自由に生きるにはどうすべきか」を考え抜くために書かれました。
かつて自由とは、所属する国家との関係性によって得られるものでした。
しかし、GAFAの権力が社会保障からベーシックインカムまでを担うかという、前代未聞の時代が来ようとしています。
そこでぼくたちの人生は、アルゴリズムに支配されるのか? それをもっと自由に生きるための「武器」にできるのか?
人類が直面するこの難問の答えは、「アルゴリズム フェアネス」という言葉のなかにあります。
本書で尾原氏は、AIがもたらす圧倒的に自由な世界を描きつつ、仮想通貨リブラ、GDPR、信用スコアなど最先端の潮流、そして「分散」に向かうインターネットの本質も踏まえ、そこでぼくたちの自由を増やすにはどうするか? そのために何ができるか? ということを、「アルゴリズム フェアネス」という言葉を補助線に読み解いていきます。
iモード、リクルート、楽天執行役員として日本のブラットフォームを、グーグルで世界のアルゴリズムを知り尽くした人間だからこそ書けた、渾身の一作。
断片的な情報と情報とがつながり、読後には目の前の世界がまったく違って見えてくる、まさに「『リベラルアーツ』としてのデジタル」の誕生です。
【目次】
序章 「アルゴリズム フェアネス」とは何か
第1章 AIが生み出すワクワクする新世界
第2章 国家を超えるプラットフォームの権力
第3章 「国というアルゴリズム」が選べる時代
第4章 ブロックチェーンと究極のフェアネス
第5章 自由を増やす「ハンマー」を手にしよう
感想・レビュー・書評
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スラスラ読めます。第3章の
・中央集権で「不幸の最小化」を図る中国
・人間中心を根底に置くヨーロッパの自由観
・革命を含んでも自由を求めるアメリカ
・IT六国の最先端を走るエストニア
の比較がわかりやすい。 -
少し前の本なので、知ってる話が多いかな~と思って読んでいたのですが、
自分の知らないことや抜けていることもあって、とても参考になる本でした。
ネット時代になって、国家がフェアネス(公平)のルールを決めていたのが、
GAFAを始めとするネット企業が独自のフェアネスを決め始めたという本。
一人一人の個人がリテラシーを持てば、GAFAの暴走は止められると、
著者は比較的、楽観的(ポジティブ)にこの動きを捉えているようです。
様々な国家が現在のネット企業に対する課す規制も
その背後には歴史的な哲学・考え方があったという主張は、
世界史にあまり詳しくない自分にとってはとても参考になりました。
政治の世界だと一票で政治は中々変えにくい(と著者は主張する)のに、
ネットに世界では個々がリテラシーを持てば、
暴走したネット企業は淘汰されるというのは、
若干の言い過ぎ感も感じましたが、
今後の世界の大きな流れを見つめる上では、大変参考になる一冊でした。 -
「アフターデジタル」で語ってもらったことと内容は一緒だ。
もう少しかみ砕いて初心者でも分かりやすい形で言い直してもらったような感じ。
それだけに正直物足りない部分も多かった。
(「はじめに」で「自由」についての前振りはしているが)後半になっての「自由を得る」ための話は「なるほど。そういう考え方もあるか」という他者視点を得ることが出来た。
すべてがデジタル化、データ化していく中で、我々に選択肢は残されているのだろうか?
データからは、アルゴリズムからは、我々は決して逃れられない。
しかしそれを単純に受け入れるだけでなく、きちんと権力者側を監視することが必要なのだと説く。
これはその通りだ。
どうしても日本人は受け身だ。そして、上が考える事に従う忠誠心が良しとする文化があるのも事実。
上は正しい判断をするはずだという幻想を抱いているのも日本人ならでは。
(だからお花畑感が出てしまう)
ある意味で「思考停止」なのだ。
何かあれば上のせいにすればいい。
新しい上が来れば、その人が新しくただしい判断をしてくれるはずだ。
つまり上が入れ替わって、我々はその時々の上に従えばいい。
それって完全に考えることを放棄しているような気がする。
日本は日本で本当に素晴らしい文化もあるし、独特の思考回路もある。
しかし、権力を握る上を、我々は監視し、我々の自由を手に入れるのだ、という発想は乏しいと思う。
そもそも日本では、多少不自由でもそこそこで十分という感覚もある。
清貧を善しとする文化もある。
「権力を監視する」
これだけグローバルレベルでGAFAが席巻をしている。
そのまま受け身でいることが、非常に危険だという警戒感を持った方がいい。
国内だけの国内での上の考え方なら受け身でよかったのかもしれない。
しかし、GAFA含めて世界のルールを決めているのは日本国外の状況だ。
我々が搾取されないためには、正しい知識を持って、権力を監視しなければならない。
それでないと我々の自由はどんどんと浸食されてしまうのだ。
もっと危機感を持った方がいい。そういうことだ。
(2021/7/23) -
急進的な自由主義的考えのもと,AIを始めとした最新テクノロジーの活用に抱く夢をつらつら,ふわふわと書いた本.
第一印象は「は?」
IT用語によくある”なんとなく言いたいことはわかるけどよーく考えると何を言いたいのかよくわらかない文章”を読まされている感じ.
筆者の経歴はマッキンゼーから始まり豪華絢爛であるけど,それにしては書いてあることがふわっとしすぎていて全然ピンとこない.
この本における「フェア」や「自由」「アルゴリズム」という言葉は非常に大きな意味を持つはずなのに文脈が変わるたびに一貫した言葉としてそれが使われているのか疑ってしまう.行動の主体が抜けていて日本語の曖昧さを実感できる.
”いずれにせよ,世界はプラットフォームと国家とブロックチェーンと個人が入り乱れ,ディープな’フェアネス競走’の時代に突入しました.この世紀の攻防戦に私たちは傍観者のままでい続けて良いのでしょうか”
→わからん,何度読んでも何を言いたいのか全くわからん
また,プラットフォーマーや革新的なビジネスモデルをポジティブに捉えている記述は直前に読んでいた「アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した」とは視点が逆で引っかかる.
この本の著者の経歴を見ているとテクノロジーとビジネスノ隆盛で一儲けできそうなポジションを持っていそう(=経営者側)だけど「アマゾン..」は被雇用者視点だからなあ.
この本ではウーバープール(同じ方向に向かう客を相乗りさせて数人分の運賃を一度にもらう)を絶賛しているけど,「アマゾン...」の本では全く逆のことが書いてある
企業(Grab)のプロモーションビデオが写す,そのサービスの利用によって人生そのものがポジティブであるかのように見せる華々しい理想像を出しにして「AIの進展でこのような社会が実現する.人生において大きな不安定要素である収入を将来にわたって安定させられると言う意味ではとてもハッピーではないでしょうか」と読者に語りかけるのはあまりにも浅すぎないか???
イケハヤ氏などの「ブロガーで誰でも簡単に自由に!」という戯言を見ている時と同じ気分になった
マッチングアプリの広告見て「ほらほらこれをやればみなさんモテモテですよ」と言っていること変わらないじゃん
だめだ,読み進めるのがあまりにも苦痛でリタイア.
タイトルになんか惹かれたけど,それだけで本を選ぶと痛い目に合うということを久々に思わされる -
アルゴリズム・フェアネス、これからの時代、この意味を知った上で行動したい。
イントラクティブな時代。 -
書かれている技術用語をある程度理解していればより主旨が理解できるかと。
タイトルもエンジニアが気にかけそうなものになっているので、案外その辺りの層がターゲットなのかも。
個人的には各国、各民族などの歴史的背景と技術との間にある関係、その折り合いのつけかたなど、あまり意識した事のないことを考えてみるよいきっかけになった -
アルゴリズムが支配する世界は、一見するとジョージ・オーウェルが「1984」で描いたディストピアのように思われるが、そこに「フェアネス」が保障されていれば、むしろ多くの人々がより幸福になれるユートピアになるだろう。
たとえばあらゆる仕事はAIのアシスタントによってより効率化され、さらに多く稼ぐための手段まで提案されるようになる(Didiが実践しているように)。
また限界費用がゼロに近づき、情報が民主化されることで、世界中のどこに生まれても人生をより豊かにするための選択肢を得ることができる(Googleの検索エンジン、プラットフォームによるBIなどによって)。
ただし、そのユートピアを守るためには「フェアネス」に対する、人々による厳しい監視が必要だ。
AirbnbやUberを手放しで歓迎することの危険性についても指摘があり、新しい発見であった。 -
p014 レッシグ教授 人間をある方向に導くため
1 規範 2 法律 3 マーケット 4 アーキテクチャ
p067 ライフシフト 人間にとって無形資産
生産性資産、活力資産、変身資産
p105 ジェレミー・リフキン 限界費用ゼロ社会
p132 EU 2018/5 GDPR general data protection regulation
p200 一隅を照らす、これ則ち国宝なり 最澄
一隅とは自分のいる場所のこと。そこを照らすこと、つまり自分の役割を楽観的に全うして人のために尽くすことこそ、国宝と称されるほど大事