- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046043863
作品紹介・あらすじ
「インターネット草創期から、その可能性を信じ続けた著者だから書けた、GAFA支配の先にある未来地図」
松本 大氏(マネックスグループCEO)推薦!
その出自から、インターネットは「分散」に向かって進んできた。インターネット黎明期に『ワイアード』アメリカ版に掲載された「サイファー(暗号)パンク」という思想のキモは、「暗号」によって権力から個人の自由を守り抜くことにあった。
しかしいま、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に代表される巨大プラットフォーム企業が隆盛を誇るなかで、個人の情報は「中央」に吸い上げられ、情報流失からフェイクニュースに至るまで、世界から「トラスト」が失われている。
その一方、「中央集権」のビジネスモデルに対抗できる技術としてのブロックチェーンは、バブルの様相を呈したあと「幻滅期」に入ったといわれるが、その裏で巨大な胎動が起こっていることを、ご存じだろうか?
本書では、ほとんどの人がインターネットの実相を理解していなかった1994年、『ワイアード』日本版を創刊して初代編集長を務め、その後もインターネットの歴史と歩をともにしてきたビジョナリーが、ヨーロッパやアジアなど最新のイノベーション事例を踏まえ、「After GAFA」の世界を描き出す。
まだ誰も見たことのない、しかしそれほど遠くもない次世代を歩んでいくために携えるべき、未来の「ガイドブック」。
【目次】
第1章 「信頼」が失われたインターネット
第2章 ブロックチェーンの本質を見誤るな
第3章 After GAFAのビジネスモデル
第4章 デジタルはすでにピークアウトした
第5章 「オルタナティブな価値」のつくり方
第6章 「重ねる革命」と日本の選択
感想・レビュー・書評
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富と技術が過集中した4巨大企業に対する批判が起きているということから始まるIT世界と今後の潮流について述べられた本。正直なところ読了しても詳細に100パーセント理解しているかまだ分からない。
ブロックチェーンというと仮想通貨のことぐらいの結びつきの認識しかなかったのでトークンの新たな価値については刺激的でもある。量子コンピューターの発達によることで安全性に揺らぎが出そうなのが気にはなるけど。
チャレンジャーバンクN26についても知らなかったので勉強になった。
日本は課題先進国だからこそ活路があるという筆者のメッセージは熱く素晴らしいと思う。既存の価値にしがみつくのでなく独自性を個人個人が磨いて世の中に提示することがAIには出来ない「人間」としての強さだとしたら自分はどうしていけば良いのか。改めて考えさせられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「GAFAをはじめとしる現在のインターネットの潮流に否定的とはいえ、テクノロジーを放棄して自然に帰れと言いたいわけではない。なぜなら人間が幸福感を得られる生き方を実現するのもまたテクノロジーだと信じているから。」
小林さんの葛藤や想いが一番詰まってるいい言葉。
ウルグアイのムヒカ大統領の国連スピーチにも通じるものがある。
本当に大切なことは幸せになること。
進化や成功が=幸せではない。
世界中の国が先進国のように消費と浪費をするようになったら世界は滅びる。進化することは果たして幸せなんだろうか。
この本の私なりの解釈。
GAFAによって我々の生活は進化した。
でもそれで失ったものもないか。インターネットは皆平等に情報共有できる仕組みを目指したんじゃなかったか。それが企業情報を掴むようになった。
フェイクニュースや個人情報悪用など情報への信頼が揺らいでしまった。
テクノロジーが進化するのは悪なのか?
否そうじゃないはず。
テクノロジーは人々に幸せを与えるために使われるべきだ。人類の進化のためでなく。
ブロックチェーンはそういった技術だ。
情報の主権を情報元に戻し、人々が信頼を持って情報を活用できる、価値に応じて対価が平等に分配される社会。そういった使われ方をされればテクノロジー進化は人々幸せするのではないか。
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GAFAはプラットフォームビジネスであり、集客ありきの錬金術によって時価総額を上げている。大切なのは中央集権的な体制ではなく、トラスト(信頼)。ビットコインに代表されるブロックチェーンの技術はフィンテックや保険、引いてはマッチングアプリの世界でも利用されている。ブロックチェーンは各国が標準化に動いているが、信頼できる第三者を必要としないという時点で破綻している。インターネットに変わる可能性がある。
ネットの社会はリアルをコピーしたデジタル。
「いまや、全世界で共通に使われている唯一のプロトコルは「いいね!」です」がクスッときました。GAFAと呼ばれる巨大な組織。創業当時は当然、夢見る成長企業。企業もひとも時代にフィットしたものだけが生き残っていく。 -
中央集権になっているインターネットに対しての分散に関する書籍。
「信頼」「倫理」というものをどのように取り戻す(確保する)か?に対しての考察がまとめられていて、非常に面白いです。
明日の仕事に役立つ訳ではないが、半年から1年後以上を見て、持っておくべき考えについての書籍だと思います。 -
帯が気になって購入した本。
中央集権的なGAFAを越えて行くのは、分散化された価値の共有かもしれない。
それを実現するのに必要なのがブロックチェーン技術。GAFAも全力でブロックチェーンのプラットフォームになろうとしてくるだろう。
中身としては少し期待外れ。
引用が多く、それで?っという印象。
第6章『重ねる革命』の章は具体的なイメージを持って読めた。
2回目読むと腹落ちするのかもしれない。 -
・スマホなどのデバイスの分散化からGAFAへの中央集権化→ブロックチェーン
・WEB3.0のキーワードはトラスト(信頼)
・インターネットの課題である信頼を取り戻す事がブロックチェーンの意義
・世の中は中央集権化と分散化を繰り返している。中央集権は効率的だが形骸化する・腐敗の温床になる、分散化は個人の自由度が増すが負担がかかる
・テクノロジーが変化してきたことで社会のフォーマットをリフレームする時期
・こどもという概念は中世から
・学校にいく、会社にいく、ピラミッド組織などは産業革命から200年経ってない -
「internetでビジネスしたい人にとっての教科書」として2冊上げるなら、20年上半期でこの本と「ネットビジネス進化論(尾原さん)」になると思う。
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インターネットはフラット化する世界だったはず。
しかしインターネットが世に出てから20~30年。
世界が予想したものとは大きく異なる様相となってしまった。
誰にでも開かれた世界がインターネットではなかったのか?
それが、実際にはGAFAがネットの世界を牛耳り、国家の力よりも強大となってしまった。
今ではインターネットの世界でGAFAを外して生きていくことなど出来ない。
つまり我々はGAFAに完全に人生を握られている。
そんな閉じた世界が今のインターネットなのだ。
そうした中で、ネット世界では大きく格差が広がってしまった。
GAFAに対抗するように欧州各国ではAfter GAFAを目指し戦っている。
GDPRの法施行は一つの例だ。
ベンチャー企業の金儲け主義からの脱却もしかり。
社会にとって役に立つ事業の創出。
分散型のブロックチェーンを活用した、中央集権型からの開放。
この辺の人間の尊厳を大切にする辺りが欧州らしい。
欧州の中でも国によっても特徴的だ。
ドイツやエストニア、スイス、そしてイギリスなどが特に活発だ。
(本書では、フランスやイタリア、スペインなどの例は出て来なかった)
かねてより歴史は中央集権が起これば、次は反動で民主化という分散方向に行く。
分散がひと段落すると、また中央集権に収縮していく。
積み上げた業態は、いつか制度疲労を起こし、新業態によって駆逐されるのが常だ。
しかし完全に破壊されて駆逐されるのか。
あくまで旧業態を土台として、層のように積みあがって行くのか。
要は時代の状況を見ていく中で、日本の舵取りはどうするのか?
答えは当然に一つではない。
ただ今の状態と同じでないことは確かだ。
何らかの大きな変化は必ず起こる。
それも天地がひっくり返るくらいの大きな変化だ。
(もしGAFAが消えてなくなったら、それは確かにひっくり返るような話だ)
我々に出来ることは、状況を早く正確に把握すること。
そして、速やかに正しく対応することだ。
そのためには、もっと普段から情報感度を上げて、日々対応力を養うために準備するしかない。
正解が常に変化していく世界に対応するしかないのだ。
(2020/8/11) -
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