ビジネス教養としてのウイスキー なぜ今、高級ウイスキーが2億円で売れるのか
- KADOKAWA (2020年3月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046046031
作品紹介・あらすじ
今、日本のみならず世界中でウイスキーが大ブームとなっています。
どの蒸留所も原酒が底をつくほど売れに売れ、
クラフトウイスキー蒸留所の建設ラッシュが始まりました。
まさに、今、ウイスキーの時代が到来しています。
では、どうして世界的なブームは起こったのか?
外国人がジャパニーズウイスキーに熱狂するのはなぜか?
そして、ウイスキーには、ワインを超える投資効果はあるのか?
本書では、そうした疑問に答えるべく、
世界的なウイスキー評論家である土屋守氏が、
「ビジネス教養としてのウイスキー」を紹介!
目次
第1部 ウイスキーの歴史 ~単なる密造酒から、世界の蒸留酒へ
第1章 ウイスキーの味は「偶然」から生まれた
第2章 ウイスキーの歴史はグレンリベットの歴史である
第3章 ブレンデッドウイスキーが「黄金の10年」を生む
第4章 無限の広がりを生む、シングルモルトの誕生
第2部 世界的ブームの源・クラフトウイスキー ~ウイスキーの今を知るための重要なキーワード
第5章 「黄金の10年」の再来を呼ぶクラフトウイスキー
第6章 なぜジャパニーズウイスキーは世界で人気なのか
第7章 クラフトウイスキーのキーワード「地域の活性化」
第8章 「アイリッシュ」という独自の味わいを知る
第3部 投資としてのウイスキー ~なぜ今、高級ウイスキーが2億円で売れるのか
第9章 オークションでウイスキーが話題をさらう
第10章 世界最高「約2億円」の値がついたマッカラン
第11章 ウイスキーが投資対象になる理由
第12章 今なお進化するウイスキー
感想・レビュー・書評
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ウイスキー入門としては充分すぎる内容。歴史部分が最初で、ちょっと教科書みたいでちょっと飽きてしまったが、ビジネス教養以上な気がする。スコットランド・スコッチの扱いが大きく、アメリカやカナダはあまりない。
ウイスキーは確かにビジネス視点、特に海外からの評価とインバウンドの回復からみると、かなり注目に値するけど、47都道府県に蒸留所は飛躍しすぎかな。
ツーリズムしかり投資しかり、ワインのあとを追っている感があるが、ウイスキーらしさでもっと存在感だせそうな気がする。
やはり何十年も寝かせたものを飲むというのは浪漫があるなと思う。もっとなぜいまブームなのかを掘り下げられたらもっと面白いと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ウイスキーの歴史とルーツなどがとてもわかりやすい!
ウイスキーに対する見方が変わったし、より好きになった。
これを機にもっと美味しく楽しんで飲めるようになりそう。 -
分かりやすく面白く時流に沿ってしっかり書かれている。初めての人から詳しい人までおすすめできる。
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KindleUnlimited
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教養としてのウイスキーとはどういった内容なのか、ウイスキーが投資対象として人気があるのか気になり、読んでみた
まずウイスキーの歴史が面白かった!密造と偶然によって熟成という技術が生まれたことが分かった。
スコットランドのスコッチ、アイルランドのアイリッシュの歴史や蒸留所、またウイスキーの熟成年数の定義などが書かれてあり、ウイスキーに対する興味をそそられ、ウイスキーという飲み物の奥深さを知ることができた。
近年ジャパニーズウイスキーも非常に優秀で、数々のコンクールで金賞を受賞しているそうだ、見学できる蒸留所も増えてきているそうなで、一番近くにある、大阪の三島郡島本町にある山崎の蒸留所にコロナが落ち着いたら、一度足を運んでみたいと思う
投資対象としては、一本のマッカラン60年もの(アイルランド人画家のマイケルディロンが直接ボトルに絵を書いた、世界に1つしかないボトル)が2018年11月にオークションで1億7400万で落札され、なんとその差額は1億6900万円以上ということで、現在ウイスキーを対象としたファンドがあるほど、ウイスキーは投資対象として人気があるそうだ。
ウイスキーは保存の方法がワインなどと比べると簡単で、先の人生でもウイスキーを楽しむことは多くあると思うので、これからも勉強していきたい。ウイスキーコニサーという資格もあるそうなので、機会があればチャレンジしてみたい -
ウィスキーの歴史は決して順調なものではなかった。そもそもスコッチの故郷スコットランドとイギリスの仲はよろしくなかったし、首相ロイド・ジョージは禁酒法を制定しようとしていた。第一次世界大戦の最中、ジョージはイギリスがドイツに劣勢な原因がアルコールであると考え、スコッチを目の敵にする。ウェールズの貧しい家庭で育ったジョージには、当時富裕層の飲み物であったスコッチは害悪でしかなかった。結局禁酒法はDCL社(当時、ジョニーウォーカー、ヘイグ、デュアーズ、ホワイトホースなどを所有していた。)によって阻止された。
さて本題の投資としてのウイスキーだが、シングルモルトが発売されたのは意外と新しく、なんと1963年(!)にグレンフィディックが発売されたのが最初である。現在でもスコッチの9割はブレンデッドである。にも拘らず、過去最高値を付けたのはマッカラン60年。実に150万ポンド(2億円超)で落札された。通常ウィスキーは60年も樽に入っていると度数が40%を割りエグくなり、シングルモルトとして使えないらしいが、このマッカランは奇跡的に44%を保持し美味しいものであったらしい。
そんな凄いものではなくとも、限定品は蒸留所直営の店に行かないとなかなか変えないと思う…。後、WID(ウィスキー・インベストメント・ダイレクト)と云う投資ファンドが有るらしいが、実績利回りが8.4%といまいち物足りない。
限定シングルカスクボトルを実際に買って、眺めていた方が、投資としては魅力的だ。
また、ウィスキーは寒い地方でじっくり長期間熟成が良いとされていたが、現在では暖かい地方で、短期間(2年とか)熟成の評価が高く、台湾やインド製のものも結構良いらしい。そちらも機会があれば是非。 -
最近一人暮らしを始め、ボトル買いしたウイスキーをソーダで割った(所謂ハイボール)ほうが安いことに気づいた。そして同時に出会ったのが本書だ。
ウイスキーは奥深いなと思った。18Cから現在までの時間軸、現代世界の地理軸からウイスキーを知った。各時代の歴史的要因、地理的要因、文明段階によって蒸溜所ごとに大きくテイストに差が出ることは非常に興味深かった。本書を読むだけで2つの軸を融合させ、多次元的にウイスキーの歴史や価値を理解できた。
給料もらったら少しずついいウイスキーを飲んでみよう、そのウイスキーの歴史を感じてみようと思った。 -
相変わらず土屋氏のウイスキーに関する知識に脱帽。
ウイスキーの誕生の奇跡ついては、スコットランドとイングランドの当時の歴史について触れており、ロマンを感じる。
ビジネスマンとして、そして一人の大人として教養の1つとして学ぶべきことが多い。
死ぬまでにリンドーズアビー蒸留所に訪れてみようと思った。