山からの贈り物 (角川地球人BOOKS)

著者 :
  • 角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046213044

感想・レビュー・書評

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  • 女性登山家「田部井淳子」の新聞や雑誌に連載した山のエッセイ集『山からの贈り物』を読みました。

    『エベレストママさん ―山登り半生記』、『エプロンはずして夢の山』、『山の頂の向こうに』、『エヴェレストの女たち』に続き「田部井淳子」関連作品です。

    -----story-------------
    病弱だった著者がいつしか山に魅せられ、世界の山々を歩き出した。
    山との出会いから広がる自然や人間とのつきあい。
    人生をもっと楽しく豊かに過ごしたいあなたへの著者からのメッセージ。
    -----------------------

    本書は以下の六つの章で構成されていて、

     ■第一章 日本の山々へ(春・夏)
     ■第二章 日本の山々へ(秋・冬) 
     ■第三章 世界の山々へ
     ■第四章 交友録 山がつなぐ素晴らしき絆
     ■第五章 海外の名峰に挑む
     ■第六章 海外の山を楽しむ

    身近な山々から、各国の最高峰、そして7大陸最高峰の登頂まで、幅広い登山経験が、読みやすい文体で語られています。

    それにしても、本当に様々な地域の山に登られていて驚きました、、、

    ヨーロッパやアメリカ等、登山が盛んな地域だけでなく、南アフリカやベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア、パプアニューギニア等々… 羨ましいですね。

    愉しい登山体験が大半なのですが、イチバン印象に残ったのは『私の遺書』という項にあった夫への言葉、

    「私が死んだとき騒がないでね。
     ヒマラヤなら、さがさない。
     病死なら、会うのは夫と子どもだけで密葬。
     死後三ヶ月くらい経って、山でお世話になった人たちを招き、明るく素晴らしい料理でもてなして。
     山で風を感じたとき、樹が揺れたとき、花が咲いたとき、そういえば山好きな人だったなと思い出してもらえたら最高」

    常に覚悟はして登られていたんでしょうねぇ。


    本書で7大陸最高峰って、明確な定義がないことも初めて知りました、、、

     ■アジア大陸-エベレスト
     ■北米大陸-マッキンリー
     ■南米大陸-アコンカグア
     ■アフリカ大陸-キリンマンジャロ
     ■南極大陸-ビンソン・マシフ

    ここまでは異論がないようですが、

     ■ヨーロッパ大陸-モンブランまたはエルブルース
     ■オーストラリア大陸-コジウスコまたはジャヤ(旧スカルノ)

    ということでヨーロッパとオーストラリアは、どこまでが大陸の範囲かということで複数説があるらしいですね。


    まっ、そんな山は登りたくても、精神力・技術力・体力… そして資金力、全てないので登れないですが、、、

    それでも、登れる可能性のある山には登ってみたいですねぇ。

    雪が降る前に、もう少し山行を楽しみたいなぁ。

  • 女性登山家 田部井淳子さんのエッセイ社会人サークルで谷川岳をよじった頃のことや仲間とたのしく登るはなしなどが、たくさん出てきます。ふるさと三春での裏山への登山体験などは、けっこうちょっとした経験が登山に向かわせることになるな、と思いました。

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著者プロフィール

登山家。1939年生まれ。1975年、エベレスト日本女子登山隊副隊長兼登攀隊長として女性として初めて世界最高峰エベレストに登頂。1992年には女性初の7大陸最高峰登頂者となった。登山に関する著書多数。2016年逝去。

「2021年 『田部井淳子 山の単語帳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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