こちらパーティー編集部っ!(5) ピンチはチャンス! 新編集部、始動 (角川つばさ文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046315311

作品紹介・あらすじ

王子が転校だなんて、幼なじみのあたし・白石ゆのもなんにも聞いてないよっ!! こうなったら絶対探しだしてやるんだから。あたしの一大決心で、パーティー編集部にも大きな変化が! 謎のイケメンが新登場!!

感想・レビュー・書評

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  • なかなかにふざけたねえ・・・。(;^ω^)
    面白いんやけど、ゆのちゃんのモノローグはこれ以上ふざけられると興ざめになるかも。
    こういうバランスがすごい難しいよね。
    著者の文章と展開はスピーディなのがいいとも思うんやけど、あんまりふざけたらゆのちゃんのキャラが軽くなるから・・・。

    ゆのちゃんはハーレム状態なんやけど、そこに違和感がないくらい、好感が持てるキャラやねん。
    作中のキャラがゆのちゃん至上主義になるところと同じところが、読んでるこっちも、ゆのちゃんに対して
    「いいなあ」
    と、思っているので、説得力があるねん。

    たとえば、「まっすぐに自分の気持ちを周囲の人に伝えられるところ」とか、そりゃあゆのちゃんの美点やし、なかなかそれができる人も少ない。

    その上、ゆのちゃんは無意識、無自覚な天然やけど、彼女なりに、勇気が出せなかったり、寂しい思いをしてきたりしている様子。
    だからこそ弱い立場の気持ちも分かるし、今までの自分の失敗や後悔を踏まえての「今」なのかと思うと、無邪気に笑ってるけれどもこれもギリギリのところでがんばってるんやろうなあ・・・、と、思えてきて、いじらしさにキュンとなる・・・。

    ・・・と、いうイメージをゆのちゃんに持っておりますので、あまり「面白さ」だけを追求しないでほしいな~。
    ハーレム状態なのはまだいいとしても、壁ドンとか床ドンとか、あまつさえついに抱き枕とかオイオイつばさ文庫エエんかっちゅうぐらいの迫られっぷりに対するリアクションを、そろそろふざけるだけっていうのは、やめていただきたい・・・。

    (でもほしたら具体的にどうするのかと)

    イヤでも抱き枕とか大丈夫? ほんまにエエの?

    七つ星学園は全寮制らしいし、その展開大丈夫なんかな。
    TLをまんがではなく小説で読むことになるとは・・・(笑)。どんな風な見せ方になるのかが純粋に楽しみ。


    ・・・で、内容ですけれども(ネタバレ)、






    まさかの(?)王子の転校っちゅうことで、いつもの編集メンバーと「パーティ」を、作っていくだけの筋書きでないところに
    「スゲッ!」
    と、思った。

    灰塚先輩は(私は)ずっと推しやし、カレンちゃんもここで相当株をあげたよね!

    「自分のほしい物以外いらない」
    っていうセリフは、惚れたわ~!! 姉御!!

    だって、自分がほしい物じゃなくても他人が持っているってだけでうらやましくなることなんて多々あるし、そもそも「これ」っていう自分がほしい物って、即答できる?

    恵まれた環境にいることを自覚したうえで、「やるときはビシッとやりなさい」とかね!
    そこは「私なんて・・・」とか「どうせ・・・」とかは、もちろんなしやねんね。でもって、恵まれているという自覚はするんや。

    なるほどなあ。

    ミヤ先輩よりずっと姉御かもしれん、カレンちゃん・・・!

    次巻は、しおりちゃんが編集長代理となった「パーティ」もちゃんと発行されるようやし、こちらの展開もますます楽しみ。
    灰塚先輩とカレンちゃんがどう立ち回るのかも、期待したい・・・。


    ほんで、ゆのちゃんハーレムの中ではトウマ先輩がかなり好きな私としては、今回の(「も」?)マジ告白は結構キュンとしたよ?
    イヤイヤ、エンマもかなり好みなんで、いつも周囲の音にかき消されてる告白もキュンとしたわゴメン。

    せやけども、エンマは新聞部の部長になるん・・・?

    「いかにも秘密臭プンプン」な、エンマと西園寺会長の会話もスゴイ・・・。(;^ω^)
    わかりやすくていいけど、わかりやすすぎるな。
    (何かがあるっていうことだけが)

    それが何なのかは、よくわからん(笑)。
    そもそも、西園寺会長がなぜ王子が転校したのかの理由を知っているのかという理由(ややこしいわ)は、ちゃんと清算されるんかな。
    生徒会長ならなんでもお見通し、みたいなオチはやめてや・・・。

    宝井編集長 = 王子パパ = 総理事長
    で、合うてるんよね。
    ほしたらなんで、ゆのちゃんの思い出の中での宝井編集長はあんなにキラキラしてはるんやろう。
    別人なん? 兄弟とか(いやいや)?

    そのあたりの謎も結構興味があります。
    あるだけに、ひつこいけど、あんまり悪ふざけすぎやんといてね!? 作品のクオリティが落ちちゃって、勿体ないよう。
    悪ノリは番外編か、いっそうすい本で出してほしい!! ほんまに!!!


    親が読んで
    「ウッ」
    と、胸を抑えたくなるシーンもありましたよ・・・。著者はこの本をどこ対象にしてはるんやろう・・・。
    もしかして、子どもが読む本を読む親御さんも少なくないんかな。

    中学生の数学にまったく手が付けられないゆのちゃんは、小学1年生の算数からやり直すんやけど、
    「3年生の算数で分からないところがあった」
    とかいうアレね・・・。(ビリギャルかしら。笑)

    いわれてる。
    いわれてるから、それ、ものすごい!!

    確かに4年生から算数はグッと難しくなるんやけど、3年4年での算数をきちっと履修できてないと、後々苦労するって・・・。
    テストや宿題はさらっとクリアしてても、それがほんまに理解できてるかどうかはちゃんと見たほうがいいって・・・。

    うんうん、うちの子たち、ちょっと危なくなってきてるよ!? (;^ω^)

    私は自分が勉強ができない人なので(特に算数)
    「あー、私もこのへんを曖昧に流したな・・・」
    と、よくわかる・・・。

    わかるだけになんとか一緒に乗り越えたいのだけど、いかんせんなかなかねー!!
    好きな教科(国語とか、社会)ならまだ付き合えるけど、平日の夜に算数をじっくり、とか、きっついねんーーー(笑)。

    まさか、小学生のときに流した算数を大人になってからここまで付き合わなあかんとはーーー(笑)!!


    あとは、親であるということ・・・。

    (オイオイ根本的なことやな)


    ご飯を作ること、身の回りのことを整えること。
    そういったことを子どもにすることは親の仕事のひとつかもしれないけれど、子どもの人生を決めるのは親の仕事ではないのだ。

    目の前の障害物を取り除いて、親が良かれと思う未来を用意する。それは
    「子どもの選択肢を増やすために」
    と、いう理由づけをたくさん聞くけれど、私もあんまりその考え方は好きではない。

    (まあ、物理的に子どもへ選択肢を用意できないからただのひがみかもしれへんけどな)

    何不自由なく暮らしていけるようにしてあげたいとは思う。
    でも、「子どものために」と、いう理由づけで仕事をして、「子どものために仕事をしている」と、いう理由づけでイライラして、「子どものために仕事をしているのでイライラしている親の顔色を見てすごす」と、いうことを子どもに求める結末になるのなら、果たしてそれはどこまで「子どものため」なんやろうか。

    お金はいるよ。暮らしていくためにお金はいる。
    けれど、大学費用だとか習い事費用だとか、それはどこまで必要なんやろう。
    それを必要としているのは子どもなのか親なのか、どっちなんやろうね。

    「子どものために〇〇している」
    と、いうことを(親に)散々聞かされて育った私としては、そこはよくわからない。

    「子どものために〇〇していて親はこんなに大変なんやから、このぐらい我慢しなさい」
    と、いわれてもねえ・・・。
    直接言われなくても、態度に出てればねえ・・・。

    子どもは、親の顔色に関してはかなり敏感だよね・・・。


    子どものために障害を取り除きすぎなのが問題なのではなくて、選択肢を用意することも問題ではなくて、親が何かをする理由に子どもを持ってくるのが問題なんやと思うよ。

    親には親の人生が、子どもには子どもの人生がある。
    どちらもが、その、主役であるんやね。
    ほんで、主役であるということはとてもしんどい。
    そのしんどさに笑顔で立ち向かう姿を見せるほうが、よほど、子どもにとっても「すぐそばにあるいい見本」に、なるのかもしれへんな。


    ひつこいけれど、私は私と子どもは別の人間なんやと、長女が生まれた瞬間から感じている。
    そこの線引きはドライすぎるほどやと思ってたけど、客観的には
    「いつも子ども目線で一緒に考えるよね」
    と、言われる。

    えっ、そうなの? と、思ってたけど、それはそれで私も私の美点としよう。
    別の人間、別の人生をいくと分かってるだけに、ここまで距離感が近いのも今だけなんよなあ、と、どこかで思ってるんよね。(;^ω^)

    ひつこいけど、10年後には私は一人やからね・・・。


    って、この子ども向け小説でそこまで考える!?
    そんなに重くない! 重くないねんで!!


    王子の家族が他界しはったときの、ゆのちゃんとの会話はすごいよかったです・・・。
    ゆのちゃん、王子を取り戻せたらいいね・・・。
    王子の逃げ方は
    「うわー・・・」
    ってなったけれど、ゆのちゃんと王子の「好き」のベクトルを一致させるだけでない解決法を、ゆのちゃんなら見つけられると期待したい。

    (それって、王子にとってはしんどい結末なのか・・・笑)

    ちゅうかね、王子、ややこしいねん!!

    ややこしい男子好きにはたまらん展開ちゃうかこれ。たまらんよね。朝ドラ並みよね。

    「俺はお前が好きだけど、お前の『好き』は俺のそれとは違う」

    ってやつやろ!?
    ほんで、なまじ中途半端な好意を向けられるのがつらくて逃げるってやつやろ!?


    少・女・漫・画!!!!


    好きなら好きと言えやーーーーァ!!! 笑


    このあたり、ほんま、王子、トウマ先輩、エンマ、灰塚先輩、ついでに西園寺会長と、

    貴女の好みの男子はどなたですか☆

    状態ですやんね。
    ややこしい大王は会長かもしれへんけど、主人公の幼馴染で本命一直線の王子がややこしいっていう展開も、結構珍しいと思う。笑


    よりどりみどり。
    ほんで、こんなけハーレムにしてもうたらナナメに読みたくなるところやけど、今回はそういうのもなかったな。

    (笑。常になくていいよ)


    お別れが空港っていうのも、七つ星学園はどこにあるねん。そんな遠いんか。
    姉妹校っていうから、山奥と麓ぐらいの距離感かと思った(@タクミくんシリーズ)。

    寝台特急て・・・。

    最近、瑞風のニュースをやたら見たからね・・・。あれか・・・。あれやったのか・・・。笑

    滅亡なんてしてほしくないけどさ。

    滅亡なんてしてほしくないけど、それでも、滅亡するときに一緒にいたいと思う「家族」の愛は、どうやろうね。
    そんな、ふんわりしたものじゃないと思うよ。

    ゆのちゃんも王子のことが好きやし、その「好き」は王子と同じものなんやけど、自覚が足りないだけよね。
    果たしてそのあたりもどうオチをつけるのか・・・。

    「パーティ」と、トウマ先輩のまんがもひきつづき、よろしくお願いしたい。

    ちゅうか、ミッチーのような容姿と態度でまんががうまいとか、ゴメン、おたく女子の願望が詰まりすぎてるやろトウマ先輩・・・!

    (2017.06.21)

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著者プロフィール

東京都大田区在住。「こちらパーティー編集部っ!」で第2回角川つばさ文庫小説賞一般部門の最高の賞である《大賞》を受賞し、作家デビュー。射手座のB型。趣味は旅行と食べ歩き。ごはんはいつもおかわりします。好きな言葉は「想像力より高く飛べる鳥はいない」「迷った時は前に出ろ」。

「2023年 『七色ギフテッド! 天才だらけ!? 学校生活はがけっぷち!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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