角川学芸ブックス セレンディピティの探求 その活用と重層性思考

  • 角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046520005

感想・レビュー・書評

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  • 第三章について
    ・脳は一度学習や体験したことに対する感動が弱っていく性質がある。だから普段取り組んでいることの些細な察知を意識的行うことが重要。

    ・察知した事象に対して、観察、仮説立案、意義付け、検証、評価は意識的に行える行動なので常に心がけトレーニングすること。

    第四章について
    ・偶然には、偶然を意図したところがない状況で発生する「やってくる偶然」とどのような内容の偶然となるかは不明だが、何らかの期待を持って行動した結果として出会う「迎えに行く偶然」がある。(異業種交流会や海外旅行に行くなどは後者となる。)

    ・偶然を意識するためには関心度を高めることが重要。仮説を立てることで関心(問題意識)を意図的に作り出すことができる。事前に仮説を立てて観察すると、成り行きで見ているよりも「偶然に気づく」内容が多くなる。

    第五章について
    ・察知については以下のことに留意。①些細なことでよい。(意図的に関心を持つ。スピード勝負!)②結果まで見通す洞察でなくてよい。③記録して保存と加工を可能にする。④充分な時間をかけて有意義な発見に育てる。

    第七章について
    ・情報に触れているときにその情報を使うためには、関与の仕方を知っていることが効果的。問題意識も持つこと。日頃から課題の明確化をすること。(仮説も立てる)

    ・人との出会いは自分から調べに行く情報にはない、相手から投げ掛けられる自分では思い付かない情報があるので意義がある。

    ・ネットで入手可能な情報は公知度が高い(皆が知っている、知ることができる)ので価値が下がる。それぞれの関係分野の専門家にコンタクトできる環境をつくる。

    ・公知度が高く価値の低い情報に他との関連性を見いだし、新しい意義付けを行うことができれば価値の高い情報となる。

    ・あやふやであいまいな情報は(多くは人との交流で得る情報か?)公知度がまだ低いので、その情報に対してセレンディピティを働かせられれば価値を出せる可能性がある。

    ・(世の中の)流れが変わるとき偶発的な要素に満ちている。そこから確定的な要素が増え、閾値を越えると変化が決まる。
    流れの方向が変わる前に、偶然に察知して洞察を得ることができると大きな成果を上げることができる。

  • “幸運に恵まれた人”になりたい
    POINT
    セレンディピティとは偶然から価値のあるものを見つける力
    仮説を立てることで偶然に気づく機会が増える
    ささいな察知を情報として記録し続けることが役立つ

  • 三葛館一般 507||SA

    著者の一人は企業に席を置いて仕事をする中で「セレンディピティ」に関心をいだかれました。
    本書ではその活用方法を説いておられます。
    これから研究を始めようとする学生さんにとっても参考になり身につけておきたい技術が満載です。

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=58314

  • 1304夜

  • [ 内容 ]
    偶然の発見から物事の本質を察知し、思いもよらない世界を開発していく「セレンディピティ」という言葉が、自然科学の分野で聞かれるようになって久しい。
    近年になり、社会科学やビジネスの世界でも、この言葉が一種の「キーワード」のように使われはじめた。
    多くのノーベル賞受賞者も関心をいだく、この「セレンディピティ」の世界を最先端の研究成果と実践的な活用方法から、斯界の第一人者である二人が、懇切丁寧に解き明かす待望久しい解説書。

    [ 目次 ]
    第1部 セレンディピティ活用研究(セレンディピティとその活用;セレンディピティの概念;フローチャート;偶然とその意義;察知力とその意義;仮説立案;情報収集と情報への対応;検証と評価;組織への導入)
    第2部 セレンディピティを活かす重層性思考の世界(人工の世界と自然の世界の対比;分けられる世界と分けられない世界;排除・流動の論理と包摂・土着の論理;偶発性はどこまで扱えるのか;重層性思考が拓く世界;むすび)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • セレンディピティについてというよりは啓発本.著者の定義では,クリアな "theme, hypothesis, 5W1H and result" がセレンディピティを生み出すきっかけを作るとされている.(特に知識の異なる)集団間もしくは内でのインタラクションや,異なるアイディア集合がうまくつながってセレンディピティが起こることがある.それが知的生産性につながるという解釈ができる,グループダイナミクスの話(後半)が興味深い.

  • 「何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力のことである。」(wikipediaより)

    化学的側面からその偶発性を活用する術を述べる。

    超文系な私ですが、とっても為になった!
    すごく面白かった。

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