令和のダラさん 2 (MFC)

  • KADOKAWA
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046824141

作品紹介・あらすじ

生者には危険な異界へと足を踏み入れたきょうだい。その目的は…
怨霊・ダラさんちでお泊り会!!!
ほかにも夏祭りやボドゲにプラモづくりetc イベントたくさん!ダラさんとたくさん思い出作っちゃおう(?)

「わし、一応祟り神なんじゃが!?」

感想・レビュー・書評

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  • ダラさんが怪異と成り果てた凄惨な過去話と、現在の山守り家の兄弟との平穏なやりとりとの落差で風邪引きそうな勢い。

    とは言え、現代でも祠に凸して、いらんものに手を付けたせいで、犠牲者2名出とる。
    祟神に凸するなんて本来はこうなってしまうと言う事。

    彼の町の周りには祟る呪物が3つあって、1つがダラさんこと屋跨斑で昔は散々酷かったが、ここ百年位は幾分理性をもって大人しくなっている。
    1つが半自動的に祟るので、今回の犠牲者もコレのせい。
    1つが昔、巫女姉妹が調伏封印した谷跨斑、つまりオロチの首。
    現状封ぜられてはいるが、幾ばくかの力を外に漏れ出だして影響を与えることも可能。
    この首の依代となった少女が山守り兄弟の姉の方の学校へ編入してくるんだが。
    百合な方向への執着を並々ならぬ様子で持っているようで、首の意志とズレてないかな〜と言うので、シリアス要員になるのか、ギャグ要員になるのか、続刊が待たれる。


    私の家の近所にも不完全燃焼気味なオロチ伝説のある池があるので、身近な気はする。
    耳取池と言うんですけどね。

    古くは大蛇が巣食って、祟りを振り撒いていたところ。
    旅の僧侶が祈祷にて調伏に挑む。
    僧侶の念仏で大蛇はもがき苦しみ、もう少しで倒せるかと言ったところで。
    最後の力を振り絞ったのか、大蛇は僧侶の耳に噛みつき、そのまま池の底へ引きずり込んだと言う。
    その後、祟りは止んだが村人は僧侶の冥福と大蛇への戒めを願い、彼の池に耳取池、周囲を耳取と名付けた。
    現代では、耳取は広く畑があるものの、耳取池は道側からは金網に囲われ、容易に近づけるところではない。
    …旧島郷村の昔話より要約。

  • #本日の本
    今月のフェチ強漫画第3弾。今回はきっちり怖いエピソードも用意して、ダラさん祟り神の面目躍如。
    ストーリー的にも封印された八跨斑の頭が出てきて、すわ、バトル展開か?と思いきやおろちヘッドさんもギャグ有りなの?助かる~。

  • くっぁああ、この(2)も最高でしたわ、ともつか先生ッッ
    グッと来る良い漫画の条件ってのは、人によって、まちまちでしょうが、私的には、裏切り力があるか、ですね。裏切り力って書くと、不穏ですけど、もちろん、良い意味での裏切りですよ・・・いや、待て、裏切りに良いも悪いもないのでは? でも、一つの裏切りが事態を一転させ、好機を生むのも確かか。
    まぁ、裏切りの是非はさておき、私が何を言いたいかっつーと、読み手が前の巻を読んだ時に抱く、次の巻は、どれほど面白くなっているのかな、と言う予想を含んだ期待、これをどれくらい上回れるか、が重要って事です。
    期待に応えてくれれば、それは良い漫画ですが、本当に最高な漫画は期待を軽く上回ってくるものです。つまり、私の期待を圧倒的に上回った、良い意味で裏切ってくれた、この『令和のダラさん』は、文句なしに、最高なんです。
    さすがに、画力までは、いきなり向上しちゃいません。ある程度の変化、いや、馴染みかな、はありましたが、画力に関しては(1)と同じくらいでしょう。
    しかし、ストーリー展開、キャラたちの関係は、ますます、面白い方向にゴチャゴチャしてきているので、実に楽しめました。
    ダラさんが、日向と薫の姉弟の、えげつない胆力をバックボーンにしている、容赦ない無邪気さとコミュニケーション能力の高さに振り回され、翻弄され、混乱させれながらも、その破天荒さで、自分の日常が色づいてきた事に、確かな心地良さを覚えている、それが、この(2)でも、しっかりと伝わってきましたね。
    その一方で、ダラさんがダラさんになる、ずっと前、人を捨てるキッカケになった血腥い一件も、ぎっちりとした絵柄で描かれています。この辺りは、耐性が低い人だと、血の気が引き、気分が悪くなってしまうかもしれませんね。物理的な残虐表現は平然な私は、姉巫女のクソっぷりにはドン引きましたし、この女の自業自得っぷりには、一抹の爽快感がありましたね。
    よく、バケモノよりも人の業や欲、そちらの方が恐ろしい、と言います。それ自体は間違っているとは思いませんし、事実ではありますが、極端な言い方をすれば、人間の心から産み落とされた人でもない、妖でもない、そんな混沌の存在の方が、最も恐ろしいな、と今回、しみじみ思いましたね。
    とは言え、基本的に、この『令和のダラさん』がコミカルちっくなのは変わりません。ダラさんは、ボーイッシュな日向の自由奔放っぷり、薫の男子小学生らしい変態性に冷や汗をかき、顔を引き攣らせ、何度も恥ずかしい目に遭っています。そんなダラさんを見るの、ほんと、楽しいわぁ。

    この台詞を引用に選んだのは、日向の器のデカさを感じたので。
    何も知らない、無知であるからこそ、ではなく、それなりに知っていて、事情も察した上で、この言葉を言えるのは、日向の器が大きいからに他なりません。
    彼女の性格もあるんだろうけど、やはり、親御さんの育て方が良かったんだろうな、と思います。
    人間、誰だって、色々あるものだ。
    過去から目を背けてはならんけど、その「何かあった過去」だけで、その人間の「今」と「これから」を勝手に決めつけるのは、よろしくない。
    昔は昔、今は今、そして、これからどうするか、だ。
    と偉そうな事を言ってはみましたが、個人的に、人の道を踏み外す犯罪に手を染め、反省と自戒もしない人でなしには、「これから」を与える必要はない、と思っていますね。
    他人から“未来”を奪った、その罪を、己の体に痛みと恐怖で刻み込まれるべきじゃありませんか?
    「ウチらは、ダラさんの事、たぶん、何もまだ、わかってないと思うねんけどさ、悪い蛇のオバケのせいで、昔に色々あったダラさんが今、ひっそり、山奥で棲んでるくらい、いいんやないです?」(by三十木谷日向)

  • 初版 帯

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