- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047033047
作品紹介・あらすじ
徳川家康の家臣として波乱の生涯を送った松平家忠が遺した「日記」には、天下統一への道を切り拓いていった信長・秀吉・家康らの動向だけではなく、家忠自身の私生活も記されている。子どもの成長を気遣い、鷹狩を楽しみ、連歌や能に興じる姿が見られる。しかし、なかでも目立つのが、接待や贈答の記録である。頻繁にやり取りされる贈答の慣習は、家忠の家臣・家族・一族らの結束を固め、家康の家臣団としての優位性と主人への忠誠を示している。家忠の「日記」から、戦国時代の一大名の日常生活を描き出す。
感想・レビュー・書評
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戦国時代末期に生きた、「松平家忠」の日記をもとに、彼の生きた時代と日記に書かれた行動の意味を紐解く。
主君である、徳川家康はもちろん、織田信長・豊臣秀吉・武田信玄など
多くの英雄たちと関わっている武将ではあるものの、日記が簡潔すぎて所見がほとんど書かれていない。
〇〇へ行く。〇〇が来る。〇〇を振る舞う。
などが続く、何の面白味も感じ無い日記を、時間軸や行動別に解説していくのであるが・・・・。
戦国時代末期の生活や文化については、大変勉強になったのだが、本としての面白味としては、正直感じられませんでした。
というのも、解説が味気ないので、日記に描かれていない行間のドラマまで想像することができませんでした。
こういった本の宿命的な課題ではあると思うのですが、日記が簡潔な分、解説には文学的なエッセンスも必要なのではないでしょうか。
面白かったのは、戦国末期の武士の貧乏っぷりです。
とにかく物が無い。
松平家忠は、1万石ほどの領地を持っていたようなのですが、魚網を同僚の武将に狩りるほど。
日記には、桃を一枝もらった(10個くらい?)や、瓜を一樽もらった(20〜30個?)などが続き、終いには湯漬けを振る舞った又は振る舞われたなど、軽食についても明記してあるほど。
1万石の領地をもっている武将というのは、家臣は300人ほどを率いる身分。
現代では中小企業の社長というところでしょうか。
戦国時代の武将たちが如何にものを大事にしていたかをわかっただけでも有意義でした。
途中眠くはなるものの、興味のある方であれば楽しめるとは思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示