技術立国日本の中小企業 (角川選書 390)

著者 :
  • KADOKAWA/角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047033900

作品紹介・あらすじ

技術立国日本を支える中小企業の現状を、国内外の現場に出向き丁寧な取材にもとづいて分析、日本のものづくりの現状と展望を紹介。日本の技術力をいかに次世代に伝えていくかが大きな課題になっているいま、個性ある生産現場の事例を通して、その優れたものづくりの原点を探る。

感想・レビュー・書評

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  •  本書は、「製造業の空洞化」が世の中騒がせる中での「中小企業論」であるが、その内容は「ポジテブ」であり、その立論の軸は「データ」よりも「「現場主義」であると感じた。
     「先端技術を支える中小企業」や「地域間協力」の実態等々、それなりの説得力はあるのだが、一般的に語られる全体的傾向とはやや違う本書の視点と結論は、まだまだ検証の必要があると思った。
     「中小企業」に視点をあてた分析の書は、他にあまりないように思えるので、本書の「中小企業の素晴らしさ」や「ポジテブ」な結論がすぐに正しいとはいえないとは思うが、本書は著者の「日本の製造業の中小企業はこうあってほしい」とのバイアスがあるのではないのかとの思いももった。それは、読者としてはむしろ快いものではあるが、「技術立国論」としてはどうだろうか。
     著者の経歴を見ると、高校卒業後に郵便局に勤務。その後45歳で立教大学法学部入学、現在兵庫県立大学教授とある。まさに努力の人なのであろう。本書を読んで、ひょっとしたら著者ご本人の経歴も一冊の本としてもよいような「坂の上の雲」のドラマのような素晴らしいものなのかもしれないとの思いをもった。

  • 産業論文を書くことになったのでネタ集めに。
    ざっくりとしか理解していなかった中小、中堅企業の大企業との違いが良く分かりました。
    特に製造業にクローズアップした内容。
    抽象論でなくほぼ具体例をベースに淡々と実情を述べているので、参考文献としてとても参考になりました

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著者プロフィール

兵庫県立大学大学院客員教授。博士(経営学)。専門は「ものづくり論」「中小企業論」「地域経済論」。1944年生まれ。高校卒業後、郵便局勤務から全逓本部を経て、45歳で立教大学法学部入学。1993年同校卒業。1100社(そのうち100社は海外)の聞き取り調査をおこなっており、ミクロな領域を専門とする。主な著書に『グローバル化と中小企業』(筑摩選書)、『世界を動かす地域産業の底力――備後・府中100年の挑戦』(筑摩書房)、『就活のまえに』(ちくまプリマー新書)、『中小企業は進化する』(岩波書店)、『中小企業新時代』(岩波新書)など。

「2018年 『転職のまえに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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