エドゥアール・マネ 西洋絵画史の革命 (角川選書 607)
- KADOKAWA (2018年10月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047035812
作品紹介・あらすじ
印象派より危険で、ピカソより前衛的──。
マネを起点に描き出す新たな西洋絵画史。
印象派が産声をあげる直前の19 世紀パリ。画家マネのスキャンダラスな作品は官展落選の常連であったが、伝統絵画のイメージを自由に再構成するその手法こそ、デュシャン、ピカソ、ウォーホルら現代アートにも引き継がれてゆく絵画史の革命だった。模倣と借用によって創造し、古典と前衛の対立を超えてしまう過激な画家は、芸術のルールをいかに変えたのか。謎めいた絵画作品の魅力と、21世紀へと続くその影響力に迫る。
感想・レビュー・書評
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マネはふしぎ。アンビバレントな要素が複合的に絡み合っています。この本は、そのふしぎさをしっかり分析してくれている本です。革新的な手法をとるマネの作品が、いかに伝統的な芸術作品を下敷きにしているのかなど、豊富な図版で丁寧に解説してくれているのでよくわかりました。
この本のいいところは、作品の分析を中心にして論じているところ。マネの人間性とかスキャンダルとかにはほとんど言及していません。すこし毛色はちがいますが、BSマンガ夜話みたいな雰囲気を感じました。【2018年11月25日読了】詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『印象派の誕生』や『マネの絵画』などで、マネと印象派との関わりや、フーコー、バタイユなどが指摘したように、彼が絵画史に起こした変革はある程度知っていたが、本稿はそれらにはなかった視点───複製画によるコラージュとアッサンブラージュ───から、マネの革命性を分析する。導入で「マネを中心に据えた西洋絵画史を描くことができる」と言い切るだけのことはあったと思う。それくらいマネは「問題児」だったし、それを書ききった三浦篤氏の筆も良かった。
また、この本を皮切りにベラスケスやティツィアーノ、マティスやピカソなどへも入っていきやすいとも思う。伝統的な絵画を知れば知るほど、そしてそこから逸脱した絵画を知れば知るほど、その転換点であるマネの凄まじさが骨身に染みてくるだろう。 -
そこまで知識が無いので、深くは読めなかった。
でも、面白かった。西洋画の流れが少し把握できた。 -
ラジオで推薦されていたので手に取りました。とても分かりやすいく、深く知ることができた気がします。読んで良かった。平成30年10月19日初版
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