「親米」日本の誕生 (角川選書 597)

著者 :
  • KADOKAWA
2.60
  • (1)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 33
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047036093

作品紹介・あらすじ

日本は急激にアメリカ的なものを求め、そして同時に憎んでもいた――。現代につながる親米的な感覚は、第二次大戦の後からずっと続いている。敗戦国となった日本がいかにアメリカにあこがれと反発を抱いてきたのか。外交や政治といった国だけの問題ではなく、身近な民衆の中にある感情を、戦後の様々な雑誌、新聞の広告、記事、テレビやラジオなどから読み解いていく。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • わたしは大体図書館から借りた本は通勤中の車内で読むことが多いのですが、もしも周りの日本人の女性たちが本の内容を知ってしまったらとても大きなショックを受けて絶望するのではないのかと思い、とてもではないですが外ではこの本を読むことができませんでした。

    アメリカの「ポチ」日本
    なんだか思いたくはないのですが、コロンブスが黄金の国「ジパング」を目指した航海が、先の戦争で日本が負けて「占領」されたことによりその目的が達成されてしまったように思えてしまって仕方がありません。
    世界で一番のアメリカの金づるでポチの日本。
    奴隷でペット 家畜の日本
    しかもこんな程度の奴ら連中共たちに。

    これが民主主義の手本アメリカ
    日本人を平気で平然と卑しく卑屈に下品にさせた。

    生活日常生活文化すべてにアメリカに範を

    チョコレートやチューインガムに群がる日本人をまるで「犬」「ちくしょう」のようだと風刺する詩がいくつか詠まれていた。
    同時に不安な思いを書かれた作品も。

    進駐軍と「パンパン」
    正義の象徴は、実は圧倒的な暴力の象徴でもあった。
    アメリカ兵たちはジープを利用して、ジープに女性をさらっては、都会に多く残っていた焼きビル後で犯罪が行われた。
    阿倍野区では一人の女性を真っ裸にして、精気にコールタールまがいの薬品をぬりつける暴行が始まった。それも、被害者は一人ではなかった。大阪学芸大(大阪音楽学校)の校庭によくジープのGIたちが、女性を引き込んでいた。
    この暴力の前では、日本の男たちは完全な無力となる。女性がジープにのせられ連れ去られるのを目撃した日本人男性は「私はもう夢中で逃げた。警察に届けることなど思い浮かばなかった。いまだに後味が悪く、思い出しては後悔するが、当時は届け出られない雰囲気だったことを理解してほしい。それにしても、あの娘はどうなっただろう」
    鹿児島県では十七歳の少年がアメリカ兵に局部を切開され、睾丸を奪われたことを記事は伝える。
    日本人男性がアメリカ人男性によってレイプされ、女性化されていることの象徴。

    評論家の川上源太郎さんは、進駐軍のやったことは、こういう扱われ方こそが「人間を卑屈にするもっとも効果的なやり方」だと言う。日本人の傲慢、無礼に神経質になるのは、私が卑屈だからか、傲慢と卑屈は心の裏表にくっついている。この自分の欠点に私は敏感でありたいと思う。

    米軍基地周辺。
    公然とした私娼施設「慰安所」「特殊飲食店」「街娼」
    街で既婚の日本人女性が連れ去られることも。
    「特殊飲食店」はカフェーと後に名を変えていく。
    米兵と同じように日本人もまた女性たちを買っていた。残念なことに同じ日本人男性たちも日本人女性たちを卑しく下品にさせていた。
    当時の日本人は無意識的に知っていたはずだ。去勢され女性化されてきた自分の姿を。

  • 東2法経図・6F開架 319.1A/Mo45s//K

  • ふむ

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

三重大学人文学部准教授

「2021年 『文化地理学講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森正人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×