ショートストーリーズ 3分間のボーイ・ミーツ・ガール (ファミ通文庫)
- エンターブレイン (2011年7月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047273979
作品紹介・あらすじ
"青春"の数だけ"出会い"がある-。"3分間"をキーワードに独自の世界観で描かれる珠玉のボーイ・ミーツ・ガール。人気作家・井上堅二の贈る、幼馴染みとの窓越しの恋模様『三分間のボーイ・ミーツ・ガール』、野村美月が描く、猫嫌いの女の子への一目惚れの顛末『こっちにおいで、子猫ちゃん。』、新鋭・庵田定夏の紡ぐ『ガチで人生が決まる面接に行ってくる』など、書き下ろし8篇を含めた全19篇。切なく甘くほろ苦いショートストーリー集。
感想・レビュー・書評
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19人・19篇もの短編を楽しめる欲張りな本。
ファミ通文庫で書いている作家陣が3とボーイ・ミーツ・ガールをテーマにそれぞれの世界を展開。
田口仙年堂がベタだけどでもそれがいい、な王道を行けば、
庵田定夏は短編でも半端ないおもしろさだし、
野村美月はニヤニヤさせてくれる。
そして、美少女・井上堅二はいつもと違って素敵な恋愛もの・・・と思わせておいての最後のオチwww
そんな中、築地俊彦の作品が異彩すぎる。まさかああいう展開でくるとは・・・「けんぷファー」や「ふぁみぷれっくす」しか知らなかったからビックリ。
綾里けいしも短い中でミステリと独特の背景描写でこの短編集の中では完全に異彩を放っていたけど、どう見てもいつもの作風です本当に(ry
要は短い上にテーマが決まっていてもそれぞれの作家の特色が全面に出ているので、これをきっかけに気になった作家の本を読むのもいいかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大勢の作家さんの短編集。少年少女が「三分間」で出会ったり別れたりする恋の話。
どれも短いのでサクサク読める。その分物足りないところもある。
多くの話が胸キュンなので、手っ取り早くその成分を求める人にはおすすめ。
『学校の階段』の人の話が良かった。 -
一つ一つの話が三分は無理でも、五分くらいで読めるものばかり。
個人的に好きな話の感想をいくつか。
「お湯を注いで」
ある日突然、カップラーメンの精霊が現れる話。
こんな精霊がいたら、うっかり時間を忘れていたorzとかないし、三分間の暇つぶしにもなるし、いいかも。
でも、彼女に会いたいからと言って、完成までに二十四時間かかるカップラーメンを作るのはいかがなものか。
カップラーメンとは何ぞやという代物になる気がするのだが…。
「QとK」
児童超能力者の監獄に無実なのに送られた少年が、逃がし屋を請け負う少女の協力を得て、脱走を試みようとする話。
巡回処刑人の正体は、何となく途中でわかるけれど、最後が切なすぎる。
毎朝の点呼の時の言葉がストーリーの最初と最後で変わっているのが何ともいえない。
「ネオンテトラのジレンマ」
食事をとろうとしたら、突然女の子が現れて、自分を食べてほしいという話。
三分間とは思えないくらい時間が重い。
最初は普通の男の子の前に電波系の女の子が現れる話かと思ったのに、読んでいくと女の子もだけど男の子もかなり狂っている。
昔買っていたハムスターが共食いをしたために、姉が死んだから自分も食べられようとする女の子と、牛肉と鶏肉と豚肉が食べられないのにシチューから肉の香りがする男の子。
二人とも理論的に狂ってて怖い。
特に男の子の笑顔が怖い。
この中では一番好きかもしれない。
「トキとロボット」
人間に恋するロボットと、人間の話。
好きな人と一緒にいたいからバッテリーを奪おうとするシーンは、すごいかっこいい。
二人が一緒にいて、ただ相手の幸せを願っているところが好き。
「七年間のマリッジリング」
自分が突然タイムトラベラーだと知らされた男の子の話。
ラストがほのぼのする。
「詰め込み教室の弊害と教室の片隅に彼女」
勉強のし過ぎで三分しか記憶が持たなくなった男の子に世界史のテスト中に起きた奇妙な話。
テスト中に(マークシート形式であれ)記憶喪失に対応しながら問題を解くのはすごいと思う。
ただ、最後のトリック?がよく分からなかった。
「三分間の神様」
男の子のもとに偶然かかってきた電話の相手は、異世界の巫女だった話。
確かに現代の技術だったら、異世界を豊かにすることもできるよな、と。
でも、オチが本当だったら、あの携帯がつないでいたのは一体…。
長文失礼いたしました。 -
なんとまあ甘酸っぱい青春とハラハラが詰まった一冊・・・とはいえ、おでんみたく気持ちをポカポカにしてくれる作品が大半を占めていました。(「QとK」はインパクトが強過ぎたかもしれないが、笑)イラストも綺麗なものが揃っていたし、「そんなにショートショートが好きではない」という方でもそれなりに楽しめる作品になっているのではないでしょうか。
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一つの話が短いので読みやすいです。
知らない作家さんを知ることができる、いい機会になりました。 -
ファミ通文庫の人気作家19名がそれぞれ書いた短編ラブストーリー
それぞれが10~30ページくらいなので特別な仕掛けがある訳ではないが、ラブロマンスが好きな訳じゃない自分にとってはこれくらいの軽いストーリーならイヤにならずに読むことができた
ただ、「バカテス」の井上さんだけはふざけ過ぎ(笑)
でも、そこはバカテスの作者らしくていいと思いましたけどね!
お薦めは、自分が好きだったこともあるのかもしれないけど「学校の階段」櫂末高彰のストーリーです。 -
それぞれが全く異なる物語で、読み応えがあった。またこういう企画やってほしい!
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2011 9/5読了。Amazonで購入。
馴染みのラノベ書評ブログで紹介されていた本。
「3分間」と「ボーイ・ミーツ・ガール」をテーマにした、ファミ通文庫作家陣による短編集。
愛読している作家も多く寄せていたので買ってみた・・・期待通り、田口仙年堂はきゅんきゅんするし、日日日は病み気味で、庵田定夏は青春全開、櫂末高彰は意味不明、野村美月は一生懸命で竹岡葉月は・・・おいおいおい(汗)
よく知らない作家の作品では庄司卓のSFものと、綾里けいしのホラー(?)が好き。他も全般悪くない。もっとこういうのラノベであってもいいよね。 -
ラノベ作家19人による「三分間のボーイ・ミーツ・ガール」を共通の題材にしたアンソロジー。純粋に三分間の物語を扱った作品が少ないのは少し残念だけど、それなりに楽しめました。マイベストは竹岡葉月さん「ロイヤルコーポあさひの真実」、コメディのノリが楽しく改めて読むと伏線の張り方が上手いです。次点は櫂間高彰さん「お湯を注いで」、カップラーメンの精霊が可愛らしかったです。井上堅二さんの作品は面白かったけどベースが恋愛じゃない(笑)。他、庵田定夏さん、野村美月さんのシリーズ物以外の作品に触れられたのも嬉しかったです。