猫かぶり嬢とにわか貴公子 -シンデレラの華麗な誤算- (ビーズログ文庫)
- エンターブレイン (2012年2月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047278523
作品紹介・あらすじ
幼馴染みでいまや伯爵家の跡取り息子・エロールの協力と、自身の機転により「お嬢様」の地位を手に入れたシャーロット。だが貴族の夜会に出席しても、チヤホヤどころか「成金娘」と馬鹿にされる始末。頭にきた彼女が「こいつら絶対に後悔させてやる!」と息巻いていると、伯爵から「ロンドンへ行け」と邸宅を追われてしまい-!?まさかのメイドに逆戻り!?腹黒令嬢ラブコメ第2弾。
感想・レビュー・書評
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ヒロインが1巻で思ってた以上に自分のことしか見えてなかった。
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“「……ばらさねえよ」
「え——?」
「ばらすんじゃないわよ、分かってるわね!」と眼光を鋭くしていたシャーロットは、エロールの口からぽろりと漏れた言葉に瞳を瞬かせた。
「別に、ばらすつもりはないって言ってるんだよ」
「そ、そりゃあ私としてはありがたいけど。でも、どうして?まさかさらに見返りを要求する気じゃ」
「そういうわけじゃない。ただ、あんたの本性知ってるのが俺だけっていうのも——っ」
「——お坊ちゃま、お嬢様」
「…………またあんたか、クラウス」
エロールの言葉は、突然シャーロットの背後から聞こえてきた執事の呼び声によって阻まれる。どうやら角からにゅっと現われたらしい。”[P.32]
ちょっとした台詞とかでエロールが可愛い。
ここは頑張ってもらわないと。
続編がでたら、今回の騒動人たちとどのような関係に収まるのかも気になる。
“「あれ、シャルにそっくりだよね!」
「……は?」
「僕、セネット氏が近年ご執心って噂の東国に行ってたんだけど、そこで見つけたんだ。見た瞬間、『シャルみたい!』ってビビッときて、とりあえず布教用保存用観賞用と三体買ってきたんだよ」
果たして人形を布教するのか、それとも人形を使って美少女シャーロットの存在を布教するつもりなのか。
(どっちの答えでも心に傷を負う気がするわ。ここは考えず——)
「そしたら帰国後、ふとオリバーが『君の想い人はどんな人なんです?』って訊いてくるからさ。こんな娘だよ。美人でしょ?って一体をオリバーに渡したんだ」
(——切実に、聞かなかったことにしたいわ。ジャンってばパパを追いかけるあまり、パパの生霊でも憑いたんじゃないかしら)”[P.214] -
シンデレラもそう簡単にめでたしめでたしではいかないよね、という第2巻。シャルの、自分の進むべき方向に一生懸命で、脇道が見えてない感じが愛おしいな。エル視点でいくと可愛くて放っておけなくて、でも素直に甘やかすのはできなくて、なもどかしさが満載に違いない。あ、エル視点想像したら床ローリングしたくなった(笑)ご都合主義ではあるのに物語の起承転結がキレイなので、読了感がすかっとしていて小気味良いです。