ふしぎの国のバード 3巻 (ハルタコミックス)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 513
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047343764

作品紹介・あらすじ

水の都、新潟。そこで伊藤が受け取ったのは、元雇い主・マリーズからの手紙だった…。あらゆる知識に通じ、流暢な英語を操る彼の、秘められた過去。そしてバードと旅する目的とは!?大人気・日本発見紀行、第3巻!

感想・レビュー・書評

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  • 明治初期の日本の主に東北から北海道を巡って「日本奥地紀行」を書いたイギリスの探検家イザベラ・バードと通訳兼案内人の伊藤の旅を描いた漫画。
    第三巻は、会津道を通って、川を下り新潟への旅。

    会津地方は、明治維新の際逆賊となったことから、極貧の地域となってしまった、と描かれている。人々は勤勉で優しいのに、貧しさを苦に身投げや自殺する者が絶えないと…イザベラは語っている。

    今回も当時の風俗が事細かに描写されている。作者は本当によく調べているのだと思う。自分が知っている江戸や明治は、都市のものであり、地方の史実は何も知らなかった事がよく分かる。2020.3.12

  • また見てきたやうな明治期のアレを、
     ここのタブーってあれだ、柳田國男大先生が収録してたやつの!!
     うんうん。

  •  第一部が完結となる3巻である。ここでは会津を抜け、川下りを経て新潟へと到着するバード女史と伊藤の姿が描かれている。
     この作品については、本当に語るべきことが逆にないほどに素晴らしい。異文化との衝突をコミカルにもシニカルにも描きながら、その描写のベースには温かなバード女史のまなざしがある。
     ディテールまできめ細かな描写は優れたものであるし、一つ一つの話が濃く、ダイナミックでもある。川下りにおけるダイナミズムなどは絵としても楽しい逸品だ。

     文句なしに星五つである。
     最後に収録された新潟に住まう英国人宣教師のファイソン氏の娘ルースの心優しき姿は癒されるものがある一方、不穏を感じさせる伊藤の元雇い主チャールズ・マリーズの伊藤へと宛てた手紙は物語を次なるものへと導いている。
     次巻にも期待したい引きである。

  • ずっと気になっていた「日本奥地紀行」で知られるイザベラ・バードのコミック化作品。

    ....これは面白いっ!既巻3冊イッキ読みでした!

    「日本奥地紀行」を読んでいるわけではないのでどこまでその内容に忠実なのかはわかりませんが、虫や当時の豊かでない村の様子がはきっりと描かれていてちょっと引きますw(わたしは虫が苦手w)
    が、その辺りを真っすぐに描いている作家さんの情熱に打たれる、そんな作品になっていると思います。

    にしても....流石ハルタですよね....他の雑誌なら編集がこうは書かせてくれないような気がします。

    連載が続く限り読ませていただきます。佐々木河先生!がんばれ!

  • イイ漫画ってのは、読み手を複雑な気分にさせるもんだ
    これほど面白い漫画ならば、もっと注目されるべきだ、と思う一方で、『ダ・ヴィンチ』などで特集され、俄かファンが増えるのは困る、とも
    そんな葛藤で、私を苦しめてくれる作品の一つが、この『ふしぎの国のバード』だ
    (2)の感想にも書いたが、ほんと、佐々先生は綿密な取材をしているんだろうな。しかも、得たモノを全て、漫画に還元しよう、と更なる努力を惜しんでいない。これで面白くならない方が、ふしぎって話だ
    私ら現代人が知らない、かつての時代の細部を、当時には相当、珍しい異国の女性が自分の目で視て、自分の耳で聴いて、生きた知識と感情を得て、それを後世に伝え残す努力をし、今、それが漫画となって、私らに繋がっている
    人間が紡いできた歴史の重みを感じる、と言っても大袈裟じゃない
    この(3)では、改めて、この『ふしぎの国のバード』の面白さを高めているのが、バードだけでなく、伊藤鶴吉って男である、と実感できる
    先に書いてしまうが、私的に、この(3)でお勧めしたい、印象に残った回は第11話「津川」だ
    これまでも、伊藤の言動にはインパクトが強いモノが多かったが、この「津川」では彼の知られざる一面が、これでもかってくらい表現されており、佐々先生の気概を感じる
    この(3)でも、バードと伊藤の絆は強まっている、もちろん、主従としての。恋愛方面に偏って、読み手に媚びるようなストーリーになっていたなら、私は即読むのを止める
    そんな二人の旅は苦難の連続だが、これから、更に過酷さを増すだろう、道のりだけでなく、妨害者の暗躍により
    このタイミングで、チャールズ・マリーズって強烈な新キャラを登場させるなんて、佐々先生、まだ、この作品を面白くする気満々だな
    果たして、バードと伊藤は無事に蝦夷へ辿り着けるんだろうか
    この台詞を引用に選んだのは、時代がどれほど変わろうとも、プロはプロだな、と痺れたので。自分のすべき仕事を、最高のレベルでこなす、しかも、自然体で。不器用、出世しない、地味、色んな意見はあるだろうけど、このカッコ良さは女性より男の心を打つなぁ

  • バードさんの通訳をつとめる
    伊藤にスポットライトが当たる巻。
    もともと伊藤好きなのでうれしい(๑・̑◡・̑๑)

    どんな困難な状況でも無表情で飄々としてるのに
    お菓子には目がないという(笑)
    駄菓子屋での輝きが違う…。

    そんな優秀な伊藤を狙って
    英国のプラントハンターが横やり入れてきました。
    伊藤も彼を好きじゃないみたい。
    頑張れバードさん!
    伊藤を取られないように〜!

  • 冒険家・イザベラバードが歩いた日本

    会津道・津川・阿賀野川・マリーズとパークス・新潟編

    戊辰戦争の話がしみた~
    そして伊藤のかつての雇い主が登場

    4巻へ続く!

  • やばい、面白くって止まらなくなった。4巻へ。

  • 未だ戊辰戦争の傷跡は癒えず。明治政府からしたら幕府軍に与した藩を優先して復興する理由もないのでしょうが、結局割を食うのは一般民衆。これから先バード女史はちょうど戊辰戦争の戦地を通るルートになるわけですが、どんな光景が広がっていることか

  • 船頭さんが男前すぎる。
    そこに通訳が介入しているから、情緒があるんだな。
    小説で言うところの、行間の空白。
    で、その通訳にも依存する面倒な男が。三角関係?

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