司書正 巻一 (ハルタコミックス)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047371750

作品紹介・あらすじ

古代、とある王国。次期国王と目されていた青年が突如、謎の死を遂げた。
時を同じくして国の全ての書物を収めた「蔵書樓」が封鎖される。
だが誰も立ち入れないはずの蔵書樓の奥には、ひとり座する者――「司書正」がいた。

宮廷では噂が飛び交い、陰謀が渦巻き始める。青年の死と蔵書樓の関係、そして国家機密「司書正」なるものの驚くべき実態とは?


壮大且つ緻密に練り上げられた世界観。時代と権力に翻弄される人間たち。丸山薫が描き出す書物を巡るSF宮廷劇、ここに開幕!

感想・レビュー・書評

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  • 偶然本屋で見つけて購入。
    なぜどうやって司書正は決まるのか?
    謎が多過ぎて、今後が気になる。

  • また凄いのが出てきた。

    舞台は架空の中国、漢代ぐらいまでがモデルだろうか。だが、内容はSFのようでもある。
    作者は東洋史学でも修められたのだろうか。言葉の選び方やネーミングセンスが既に伏線のようだ。

    この架空の国には「司書正」という奇妙なモノがいる。国の蔵書のすべてを、王の命により誦んじることができるが、それ以外は一切自ら行うことはない。むしろ、諳んじる以外は生ける屍と言って良い。生物としてのあまりの不自然さからか、寿命も「成って」3〜4年、が平均のようだ。

    「成って」とあるが、先代が死ぬと天意によって「引き継ぐ」者が出るのである。誰も代わることができず、拒否することもできない。
    誰かが世話をしないと生きてゆくこともできない司書正には、占卜によって下の世話まで行う「側女」が選ばれる。側女以外の者に触れられると、司書正の寿命がさらに縮む、というのだ。

    そんな側女に、異民族の少女が選ばれたところから物語は始まる。
    『十二国記』泰の琅燦まで倫理を突き抜けてシステムだけに興味がある、という少女ではない。しかし、コンテクストが異なる世界から来た異分子であり、人と話すことを禁じられて淋しい子供だ。そして、側女としての教育を施した先代の側女が評したように、一度聞いたことは覚え、再現できてしまう、「聡明な」子である。
    美しい司書正の声を聞きたい、司書正のことを知りたい、その一心で、彼女は知らず知らず司書正のハイコンテクストなルールを逸脱する。
    一巻では現司書正が何者であるか、蔵書庫になぜごく限られた者しか立ち入れないのかが暴かれるが、システムの謎は静謐にそこに佇んでいる。
    異民族がシステムの核に関わり、禁を破ることで、「司書正」のシステムは罅が生じたと思われるが、物語は始まったばかりだ。固唾を飲んで見守りたい。

    非常に絵が安定しており、背景や調度なども違和感なく丁寧に描き込まれているので安心して読めると思ったら、ハルタだった。絵に関しても信頼できる。

  • 世界観の構築と画面は美しい。ただ期待が高かったせいか、キャラの彫りはやや浅いと感じる。

  • TwitterでPRで一話だけ読んで面白かったので購入。
    ちょうど2巻の発売日だったらしく、2巻も併せて購入。
    司書正様顔綺麗ですね!
    もう意識戻ることないんですかね。
    大王陛下があまり賢くないので国が滅びそうだなと思いました。

  • まだ序章。
    中華風ファンタジー?最近、この手の設定は多いけど、司書正なる不思議な存在がオリジナル。
    膨大な蔵書を内におさめ、時の大王が利用するための者。天意によって選ばれる。

    …という事しか分からず、なぜそのシステムが産まれたのか?などは不明。
    側女のキビがコミュニケーションを取り始めた事が今後のポイントになりそう。

    なぜ彼だったのか、また宮中ものの王道、
    ドロドロ跡目争いなども関わってきそう。

    最初から司書正っていう不思議な存在を打ち出し、
    なにこれ?って興味と少しの畏怖?嫌悪?(絵が綺麗なだけに下の世話までされる司書正の姿がちょっとキツかった)を抱いたところで
    それがどんなものかを示し、
    さらに誰?となった所で
    意外な身分をあかす。
    ストーリー構成も引き込まれる感じ。

    何か知ってる太史令と、若さゆえ?厄介なその息子、典型的な悪役、正王妃あんど皇太子(仮)、野望をもつ高官。
    分かりやすいピースは揃っている。
    今後の展開にも期待。


  • すごい世界観の話だった。少女キビと司書正の生活に驚かされ、司書正という存在の特異さに驚かされ、その正体にまた驚かされる。そりゃあ王様もあんな態度になるよね…納得いってないし見ていたくもないんだろうな。
    キビは多分側女としては禁忌をおかしてるけど、このふれ合いが司書正に何をもたらすのか気になるところ。

  • 古代中国を模した架空の世界に司書正(と太卜令)という人外の超常能力をスパイスに加えて描かれる重厚な宮廷劇。この巻では登場人物や世界観、現在までの状況説明が主で物語の動きは静かながら、その描写が巧みで惹きこまれるものがある。
    ただの冷徹な無能と思われた顓王のキャラクター性と彼の出した禁令の持つ意味が読み進めるうちに途中でガラッと変わってしまう驚きの展開。
    一筋縄ではないどろどろの、そして現時点では誰も悪くない(と思う)宮廷陰謀劇が作中随一のクセモノである鄂韡公子の手によってこれからどのように転がっていくのか楽しみ。

  • 広告で目にして、気になったので購入。シンプルに面白い。主人公のキビが可愛いなあ。

  • 中華ファンタジー。司書正がこれからどのように利用されていってしまうのか、今後の展開に期待。キビが司書正と会話を試みようとしているが、側女だからなにをしても大丈夫ってわけでもないだろうし、行動には気をつけてほしい!

  • ストレニュアスライフでも、巨大な図書館や中華風の王族が出てくるものがあったが、それを別の設定で長編に仕立てるのかな。ストレニュアスライフは重く書けそうなテーマを軽く流す感じが心地よい短編集だったのだが、これはどうなるか不明。

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著者プロフィール

詩人。明治32年6月8日大分市に生まれる。1921年(大正10)第三高等学校文科に入学、桑原(くわばら)武夫、三好達治(みよしたつじ)らと親交を結んだ。25年東京帝国大学国文科に入学、本格的に詩作を始めた。33年堀辰雄(たつお)、三好達治と詩誌『四季』を創刊。48年豊橋(とよはし)市に移り、愛知大学文学部講師、59年同教授となった。詩集に『物象詩集』(1941)、『花の芯(しん)』(1946)、『月渡る』(1972)などがある。

「2021年 『男声合唱とピアノのための組曲 さびしい宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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