9番目の音を探して 47歳からのニューヨークジャズ留学

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048120036

作品紹介・あらすじ

ポップミュージシャンだった大江千里。ジャズピアニストを志し、47歳の時、愛犬と共にニューヨークのジャズ大学ニュースクールへ留学。落ちこぼれからジャズアルバムをリリースするまでにいたる感動の4年間を綴る

感想・レビュー・書評

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  • 1990年代後半に社費留学でNYに行った。同じくNYの同じ大学に留学した同期から、「今の自分と同じ47歳でNYにJAZZを勉強しに行ったストーリー」と紹介された。色々な人生がまだまだあるはずやのにな、と言われてとても気になって手に取った。

    47歳で海を渡った人の名前は大江千里。自分の世代では結構有名なポップシンガーだった。「ワラビー脱ぎ捨てて」や「格好悪い振られ方」などのメロディーはまだ耳に残っている。50歳間近になって、これから20代に交じってJAZZを学ぶというのは、ずいぶんと「格好悪い」はずだ。そのことを著者は隠してはいない。

    こういうことができることはうらやましい。性格もあるのだろうし、環境がそれを許すのかということもあると思う。一方、それだけの熱量を何かに対して持つことができるだろうかと思う。

    NYにいたあの頃、本当にチャレンジすることはなかった。楽しい思い出だけれども、それだけなのかもしれない。ずっと、人生で本当にチャレンジすることがあったのだろうかと反省する。

    長い本だけれど、自分にとってはぐっとくる内容だった。

  • 2008年。日本での名声を捨て、47歳で単身ニューヨークの音楽大学へジャズを学びに入学した大江千里さん。そのニュースを聞き、当時40歳だった私は、大きな驚きとともに、なんだか羨ましい気持ちになったのを思い出します。

    本書は、大学入学から4年半のニューヨークでの生活を千里さんが綴った作品。日本であれだけのトップアーティストだった人が、本場のジャズの学校では、全くの素人で何もできず、先生からも仲間からも怒られたり無視されたりと、メチャ厳しい日々を送ります。それでもあきらめない。プライドも捨てて、基礎から一歩一歩、地道に学んでいくんですね。

    ジャズという音楽は、軽く聞き流していると、適当に演奏しているようにも聞こえますが、じっくり耳を澄ますと、いろんな楽器の音の重なり、繋がり、うねり(Groove)が魅力的で病みつきになります。本書を読みながら、ジャズの奥深さを千里さんとともに疑似体験しているような気分にもなれました。

    現在、千里さんはニューヨーク在住で、ジャズ演奏活動とともに、新しい音楽家の発掘にも関わっているそうです。47歳で海外で人生リセットしてそこまでいくとは。才能と努力の賜物なのでしょうが、やはりスゴイ。

    2021年の1冊目。まだまだコロナで厳しい世の中ですが、元気をもらえる1冊でした。

  • 47歳で犬と単身ニューヨークに渡り、ジャズの学校に入学して一からジャズを学ぶ日々の記録。

    日本ではアーティストとして活躍していた日々から一転、ポップスとは異なるジャズの世界に身を置き、年齢も国籍もさまざまな同級生達と切磋琢磨していく日常が綴られている。

    何歳になっても好きなものを妥協せずがむしゃらに追求してしくのは素敵だなと思いました。

    年齢も国籍も関係なく、ジャズが好きでジャズへの情熱が半端ない人たちとの交流や才能あふれる人々との出会いが大江千里さんの言葉で描かれていて楽しく読めました。

    大江千里さんってこんな人だったのだと日本のメディアから受けた印象がガラッと変わりました。

    何歳になっても始めることはできるし、遅くないのだと勇気をもらいました。

  • 大江千里さんを好きな方には合うのだと思う。

    一念発起して、ジャズの大学に通う勇気は素晴らしい。
    ただ、文章はダラダラと日記を読まされているようだった。

    落ちなく終わった感じだった。

  • 面白くない訳ではなかったが、特に惹き込まれることもなく、だんだん読んでいて飽きてきた。何より長すぎ。
    3/4くらいまで読んだが、売り払ってしまった。

  • やりたいことがあれば年齢なんて関係ないっていつのは簡単だけど、実際には年齢を言い訳にしてしまうことがどれだけ多いことか。
    そんなショボい思いを吹き飛ばしてしむうくらい、千里さんの音楽への熱い想いが溢れていた。
    印象に残ったところはたくさんあるけど、渡米の収穫として「自分の選択に自己責任をとれるようになったこと」というところでは考え込んでしまった。
    いくつになっても、人は変われるのかもしれないな。
    そして、大江さんの書く文章にはリズムがあって、読んでると鼻歌を歌いたくなる。好き。

  •  申し訳ないと感じるくらい、この本を手に取るのが遅かった。スラッピージョーシリーズは、繰り返し聞きながら、なぜJazzなのか? そんな思いはずっと無かった。そうだったのか。青春期ではないことにも感動、五十歳前後のこんな純粋なもがき。

  • 音楽

  • 47歳で今までの音楽活動を中止し、アメリカのジャズ大学に入学。
    大江千里さんがそんな思い切ったキャリア転換をしておられたとは、まったく知らなかった。

    すごいなぁ。そんなこと普通できないよ。

    本書では、大学での四年に渡る日々が綴られているが、それはもう読んでいて気の毒になるほど過酷な日々。自分が全くジャズを知らなかったことを痛感し、子供といってもいいくらいの同級生と席を並べ、自分が培ってきたポップスの音楽性をジャズに塗り替えるべく練習を続ける日々。
    本当に大変だったと思う。
    そしてそれらを乗り越えて、今はニューヨークでジャズピアニストとして活躍されているとのこと。

    人生100年時代を地でいく人だ。

    大江さんのジャズも聴いてみたい。

  • 「思い立ったら吉日」とは言うものの中年になると新しいことをはじめること自体が億劫になるのに、相当なキャリアを捨ててしかも外国へ行って1から学びなおすなんてすごすぎる!カッコよすぎー
    そして時折出てくるポジティブなのか考えていないのか分からないような姿勢…そう!結果はどうあれ何かをあきらめる必要なんてないんだな、と思わせてくれた本

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著者プロフィール

1983年デビュー。2008年NYへ音楽留学し、2012年ジャズピアニストとしてデビュー。2016年夏初の全曲ヴォーカルアルバム『answer july』を発表。現在はNYのみならず、アメリカ各地、南米、欧州でライブを行いながら、アーティストへの楽曲提供やプロデュース、執筆活動も行なっている。2017年12月『「9番目の音の探して」~大江千里のジャズ案内 』をリリース。2018年2月にDVD「Answer July~Jazz Song Book~JAPAN TOUR2016」が発売。

「2018年 『ブルックリンでジャズを耕す 52歳から始めるひとりビジネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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