- Amazon.co.jp ・マンガ (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048536929
感想・レビュー・書評
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普通の人の普通の人生にも
もれなく残酷な現実があり、
でもそれがどれほど残酷に感じられているのかは他の人にはわからない。
平気かどうかは、本人しかわかんないんだよね。
そのことはちゃんとわかっていたほうがいい。
というようなことを読んで思った、
甘くて苦くて、大好きなまんが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりに読んでみた。
大好きだなー。 -
ブックオフでまさかの100円だったので。
タイムリーに突き刺さってきた。
これは「愛の生活」というよりは「愛したいのに愛せない人の生活」あるいは「愛されたいのに愛されない人の生活」で、惨めな人の惨めな生活を描いたらしい。
胸にどずん!っと突き刺さってくる言葉だわ。
「愛せない人」はみじめなのかと。
そうなのかもしれない。自分のことばかり考えてしまうような子供じみた主張をいい年こいてもし続ける滑稽さであったり、それにより傷ついているような身勝手さは、
傍から見ていて惨めに違いない。
私は30にして失恋をしたわけですが、
まさにその自分自身の身勝手さに、ほとほといやになってしまったにも関わらず、だったら誰かを愛してやりゃいいじゃん?って話に簡単になってはくれない「誰も愛せない惨めな人」であることを痛切に感じているわけです。
愛せない人は、愛し方を知らない人なのかもしれない、
なんて思ったりもします。
愛することは一種の才能なんではないか。
とも思ったりします。
でも根本的に、
「じゃあ『愛』って何なの?」って話なのです。
私はそこすら分かっていない。
世の中にはさ、ゴマンと夫婦だのカップルだのが溢れているわけで、およそ分かっているのでしょ?その『愛』ってやつ。
世の中のLOVE&PEACEを叫んでる人たち!
私にその、愛ってやつを教えてよ!
こんなこと叫んでる時点で惨めなんだけどさ、
でも惨めなのが私なのは隠したってしょうがない。
だってわたし、分かってないのだもの。
もしそれが何なのか、その片鱗ですら分かることができたら、
私も誰かを「愛する」ってことができるのかもしれないでしょ?
だったら惨めだの何だの言って自分を可哀想がってるヒマなんかないのよ。わたしも知りたい。私だって誰かを「愛して」みたい。
だから別れちゃったんだし。
わたしは、曲がりなりにも、その誰かに「愛して」貰ったのだと思う。
ありがたかった。こんな自分のことを、思ってくれる人がいるという事実だけで、涙が出てきた。
でも、わたしは、彼の気持ちなんか知る由もないけれど、そして、うまく口にすることが出来ないのだけど、
彼のようには彼を愛してあげることが出来ない、と思った。
彼のようには、自分を犠牲に出来ない、と思った。
つまり、自分ほど大切な人間はいないのだ、という事な気がした。
私は彼に、
「私は、あなたのことがとても好きだけれど、もし、あなたのことを好きだって言ってくれる他の女の子が現れたら、絶対にその子を大切にしなくちゃダメだ」
なんて言ったことがある。
「逃げ」極まりない言葉だが、半ば本気だった。
どんなに私が人を好いても、自分自身が大切なことを捨てられない人間なんかより、自分を捨ててもあなたのことを好きだといってくれる人間が現れたら、絶対にその人を放してはダメだと
半ば本気で思ってた。
彼がそれを言わせたのだと思う。
そのように彼がしてくれて、
自分がどれだけ救われたか分からない。
それを相手に返して挙げられないこのジレンマが
いつしか心に溝を空けていた結果が
今な気がします。
だからさ、
自分を捨てて、相手のために何かをすることを愛だと言うのなら、
どうやったら自分を捨てられるのかを教えてよって
思うのです。心から思うのです。
自分なんて、そんな大事なものでもないだろうって思うのに、
人は一人で生まれて一人で死んでくし、頼れるものは自分しかいない。だからこそ生きてる間に、自分じゃない人といる時間を大切にしようとか、思うのに、
捨てられない。
捨てられれば、誰かを愛せそうな気がするなんて
希望的観測を胸に
私は今出来ることを頑張って
生きるしかない
惨めなオンナなのです。 -
1992~1993年『ヤングロゼ』に掲載された長編。
絵柄にはまだ80年代末のテイストが残っているが、
物語は相当に痛いことになっている。
不器用な人たちが感情をぶつけ合ったりスルーしたり。
ただ、最後に救いが残されていてホッとする。 -
アメリカのかつてのLost Generation的作品が
日本ではこういう形で表現されてるのかな、
そう思った。
ハリウッド映画にしてほしい作品。 -
誰もまともに人を愛せない。
その痛々しさがなんとも。 -
岡崎京子いわく「愛したいけれど愛せない人達の生活」。
夜逃げした林家三太、彼が転がり込んだ先の桜田兄妹が動き回る物語。三太を捨てた六歳上のOL、その結婚。桜田兄を捨て金持ちと結婚した山口桃枝が起こす三太の自動車事故、あるいは妊娠。過去から連なる桜井妹の偏質的な兄への愛、暴走。
軽快な人間関係を築きながら不自由だったり。
適当なのに真面目だったり。
悩んでいないのに悩んでいたり。
どうでもいいのにこだわっていたり。
全ての登場人物の視線が交差しない、その軌跡が造り出す液状の体積を孕んだ言説空間。ふわふわでぱさぱさでスカスカな。
他人と上手く接続できないことで白昼夢になる日常。
しかしその痛々しい日常は、きっちり組織化された現実を生きる読者にとってはここにはない空間、癒しとして機能する。 -
強烈 キャラクターも言葉も たったの数ページが奇跡のようだった
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お兄ちゃんが好きな女の子、年上の女に逃げられた男の子と、二人をとりまく人々の話。<br>
――ここに描かれているのは愛の生活ではない。実際は、愛そうとしても上手く人を愛せない人たちの生活。<br>
本編よりも、あとがきに書かれたこんな感じの台詞にぐっときた。 -
「あたしも そう。きっと他人のことなんか愛せないのよ。自分のことばっか。自分のことしか考えられない。」