ひとつ海のパラスアテナ (2) (電撃文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2015年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048650526
作品紹介・あらすじ
浮き輪もなしで波間に漂う少女・アキと、もう一人。疲労は、限界だった。「助けは『絶対に』来ないんです。ここは……セントゥリア海峡ですから」絶望的な状況の中で――二人の「生きるための戦い」が、始まる。
感想・レビュー・書評
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陸地がすべて海に沈んだアフターの世界でセイラーとして生きる少女アキの物語第2巻。
いやなんか愉しいなあ。
やっぱりアキのキャラクターがいい。
アキはちょっと抜けてて都会ではダメダメである意味アホの子だと思うのだけど、「たくさん生きる」に正直に真剣に頑張って生きているのがとても素敵。
それは何度も死にかけて、そのたびにいろんなものに助けられて、託された命の重さを彼女がよくわかっているからだ。
そんなアキがオルカのいいお姉さんになろうとするところも微笑ましい。
ダメダメなアキにそれはうまくいかなかったのかもしれないけれど、彼女のその想いはオルカにちゃんと伝わったよね。
それにしても今回もサバイバルしすぎ(笑)
2回も海で取り残されてるよ。
トラブル体質なんじゃない?(笑)
でも、そんな状況でのアキの頼もしいこと。
なんかアキがほんとに野生児の少年に思えてきたよ。
まあ、タカちゃんの王子様だもんね。
そのタカちゃんは、アキたちの絶体絶命のピンチに現れるとか、まさにヒーローだよ。
しかも飛行機飛ばしてくるって、なんかずるい(笑)
今巻の個人的ハイライトは、アキが、タカとオルカとその他もろもろ全てを取り戻して、再び得たパラスアテナに向かって、「さあ行こう、パラスアテナ!」と二回叫ぶところ。
湧き立つような、勇気に溢れる、前向きな想いがとても気持ちいい。
そうして幸せなラストを迎えて、ああ、よかったなあと思ったところで、おー、すごい引きだな。
次巻が気になる。
たぶんビフォアの人たちがしたという4つの選択は、海に生きるの他には、地下に生きる・宇宙に生きると、あと何かだと思うんだけど、この引きは絶対地下世界の関係だよね。
次巻でその謎が明らかになるのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1巻に比べるとそこまでの衝撃はなかったが、主人公に容赦がないストーリー展開は相変わらず。