- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048664028
作品紹介・あらすじ
「號外」"墜落乙女"活キ人形と交戦す。-昨夜深夜。再び「活キ人形」上野に現はれる。帝都民に襲い掛るも、此れを屠る謎の乙女現はる。目撃者談に拠れば高所から墜落せしめ此れを撃退せり。時は大正、帝都・東京。今般、帝都民に悪夢を齎すのは、螺子巻き仕掛けの異形の化物「活キ人形」と、謎の魔術によってそれを悉く凄惨に屠る、異端の少女・墜落乙女-。彼女を追う少年記者・乱歩が追跡の先に見るのは、誰をも寄せ付けない少女がその裏に隠した真実か、それとも…。血染めの美少女と堕ちる、鏖の暗黒夜話へようこそ。
感想・レビュー・書評
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大正の雰囲気漂う冒頭や文体はとても楽しめたのだけど、話が真相に向かうにつれ、残念に感じる部分が増えていったのが正直な感想。
大正の空気と、新聞記者という主人公を最大限に活かした敵や闘い(物理的なバトルよりも、情報戦とか、活字で戦うような)を読みたかった感がある。 -
麹町区、浅草区、小石川区、角筈!
旧地名があふれる大正モダンな帝都東京の中に突如現れ人々を襲う生キ人形は帝都民の恐怖の対象になっていた。それと同じく恐れられているのは、真っ赤なドレスを身に纏い、残虐極まりない手段で生き人形を撃退する通称・墜落乙女。取材のため墜落乙女を追っていた記者・賜ヒ野乱歩は墜落乙女との取材契約を取り付ける。生キ人形を従える人形座との交戦を繰り返す墜落乙女に乱歩は警察との共同戦線を提案するが――
ヱリカ様が美しくかつ聡明でいらっしゃるのは大変に宜しいのだが、使い魔の諸説明が非常に早足。賜ヒ野君、君は新聞記者だった筈なんだが魔術ってそんなにすんなり納得しても良いものなのか? 使い魔も未来人の割にねっとやすまほを使うと言うのが何だかずいぶんなギャップに思えた。魔法少女になるのに一週間も悩む、大正くらいが働きかけるのに丁度良い、等々判るようで肝心の所が判らない説明に終始しているが記者はそこに突っ込まない。
とはいえ終わり方は美しく、戦闘描写も要を得ている。惜しむらくは使い魔か。