アイドルとマーケティングの4P (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 94
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048669108

作品紹介・あらすじ

契約数減に悩むケータイキャリア『セルラーコム』の営業マン・雅史は仕事に手応えを感じず、暇があれば転職サイトを覗く日々を送っていた。しかし、ある広告撮影現場で、彼は仕事熱心なアイドル・歌織と出会う。大人たちが小さい案件と割りきって「こなす」中、ひたむきに仕事と向き合う歌織に雅史は心を打たれ、彼女が載る広告を良い物にしたいと感じ、行動する。結果、完成した広告の評判がよく、宣伝部に引き抜かれた雅史は、歌織を広告塔とした宣伝戦略を担当することになり…!?

感想・レビュー・書評

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  • タイトルと『不思議上司の攻略法』の作者ということで買って読んでみた(ようは、表紙買い)。
    あらすじをちゃんと読まずに、表紙だけで買ったものだから表紙の二人はアイドルとそのマネージャーで、アイドルをマーケティング戦略を利用して人気にしていく話だと思ったら少し違った。
    主人公は人気がなく加入者減がつづく携帯電話キャリアの営業マン(後に宣伝部移動)がアイドルを起用したマーケティングを行っていくというもの。
    全5章あるうちの最初3章はサブタイトルにマーケティング用語がついてあり、章の最後にはその用語の解説がついてあった。
    ストーリーはさくさく進んでまあまあ面白く、最後のマーケティング戦略もそりゃ話題になるだろうなといった感じ(ちょっと無理があるやり方に思えなくもないけど)。
    でも本当、その商品を本当に好きでいる人が宣伝モデルになるというのは大事なのだろうなと思う。ある意味、アンバサダーな感じで、それこそ広告費を払わなくても宣伝してもらえる存在は貴重だなと思う。
    後、マーケティング用語については今まで何冊か読んだことあったので知っている用語や聞いたことある用語も多かったけど、広告用語については初めて聞くものも多かった。広告のデザイン案のことをカンプリヘンシブ・レイアウト(略してカンプ)というとか。多分、次に聞いたときも「初めて聞いた」と言ってしまいそうだなと思った。
    驚いたのが広告にかける費用。5億円じゃ少ないほうらしく、大手だと100億円ぐらいかけることもあるのだとか。なんだかんだ、広告ってやっぱり効果あるんだなぁ。CMなんかやらなくても、もうみんな知ってるだろという商品もあるけど、そう単純なものではないのかも。
    ただ、全体的には良かったと思うけど、ところどころツッコミどころもある。正直、ちゃんと読み直したのかと思うところも。
    それぞれ、何月何日の話なのかというのが書いてあるのだけど、9月12日の話のなかに、「プレゼンは2日間に分けて行われ…(略)…昨日のトップバッターは雅史も名前もよく知っている大手広告代理店」とあるから、9月11日に1日目があってこの日は2日目なのかと思ったら、「初日のプレゼンは終了した」で終わって、9月12日に2日目のプレゼンの話になるという。何だこの書き方はまぎらわしいと思った。
    コンペした広告代理店と仕事以外であうなといわれてるけど、広告代理店が起用しているアイドルは、アイドルだしいっかという発想は「いや、ダメだろ」と思った。そんなに有名じゃないからともかく、未成年の女の子アイドル二人で食事っていろいろまずいような気がした。
    それと、3年ぶりに急に訪れた姉の家でありあわせの料理を作るって、すごいと思った。それとも、3年前から食生活が変わってなくて、だいたい予想通りの食材が家にあったということなんだろうか。
    そして一番驚いたのが、9月14日の話が「窓の外はちらほらと雪が降っていて」という書き出しで始まったこと。何かの間違いか? と思ったらそれはCM制作の話だったというオチだったので、これはちょっとうまいなと思った。
    後、出演時間が急に早まることになったことにたいして青ざめているアイドルにたいし、「それでもプロですか? 当社は決して少なくはない額の出演料を払っています。」とあったけど、ノーギャラじゃないのかと思った。
    それと、歌詞を忘れた時のために携帯電話ごしに歌うとあったけど、携帯電話だと数秒遅れて聞こえるので、逆に歌いづらくなりそうと思った。

    それにしても、ヒロイン像が『不思議上司の攻略法』とやっぱり似ているなと思った。会社内できつく当たってくる人と会社外で頼られてくる子。『不思議上司の攻略法』ではそれが一人だったのにたいし、今回はそれが二人になったようなそんな印象を持った。

  • マーケティング、ということで、ちょうど学校で講義を受けていたこともあり、興味が湧いて手にした一冊ですが、すごく面白かったです。
    習ったことがそのまま本文に出てきて、ちょっとした復習をしているような気分です(笑)。
    キャラもなかなか好きな感じでよかったです。
    (2014/09/16)

  • 契約数減に悩むケータイキャリア『セルラーコム』の営業マン・中林雅史は最近の仕事に手応えを感じず、暇があればスマホで転職サイトを覗く日々を送っていた。
    しかし、ある雑誌広告グラビアの撮影立ち会い時、彼は仕事熱心なアイドル・歌織と出会った。
    大人たちがただの小さい案件と割りきって「こなす」中、唯一ひたむきに仕事に向き合う歌織に雅史は心を打たれ、彼女のグラビアを良い物にしたいと感じ、行動する。
    結果完成した広告の評判がよく、宣伝部に引きぬかれた雅史は、歌織を広告塔とした、プロモーションプロジェクトを本格的に担当することになり……!?

  • 文字通り感動したww
    水沢先生・・・うまくなったな

  • ありきたりですが、痛快でした。宣伝対象がF1層と歌織の起用という整合性は、ちょっと疑問ですけど。イラストは、雅史以外は、差分なので、3人分しかありません。

  • いささか話が都合よくトントン拍子で進んでいく感は否めないけど、話自体は面白かった。

  • そこまでマーケティングに特化してなかった。
    もしドラの方がもっとルールや法則に忠実だった。
    話自体は面白かった

  • 元気で健気なアイドルに癒され、かつマーケティングの基本まで学べる、お得な小説と言っておきましょう。
    ややトントン拍子に進み過ぎなところがあって、拍子抜けしてしまう面もありますが、その分読み進める楽しさはあります。途中で予算執行停止など不穏な動きがありますが、そのあたりの伏線が回収されてない感じなのがちょっと残念かな。

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著者プロフィール

第6回電撃hp短編小説賞銀賞を受賞し、デビュー。IT企業勤のかたわら執筆活動を行う作家。

「2023年 『かつてゲームクリエイターを目指してた俺、会社を辞めてギャルJKの社畜になる。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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