「買う気」の法則 広告崩壊時代のマーケティング戦略 (アスキー新書 116)
- アスキー・メディアワークス (2009年7月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048679985
感想・レビュー・書評
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不確定多数に対して、ばら撒くような広告にどれだけ効果があるのか、常々疑問に思っていた。これは広告主も当然もっている疑問で、だから景気が悪くなるとテレビ局は極端な赤字となる。 本書は、広告制作に関わる著者が、ばら撒き広告の非効率性を改め、いかにして広告の効率をあげる、売りを伸ばすのかを、マーケティング理論とあわせて解説する。
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5年も前に発売された本となると内容が古いと思うのはしょうがない。ABCDモデルがイマイチよくわからなかった
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買う気の法則とは?
→価格が買う気の誘発に大きなウエイトを占める理由として
1.マーケティング変数の硬直化
2.ブランド保証機能の逆回転
3.よりシンプルな代替品への注目
長期関与者の存在と購買時の慎重度より、喚起重視型、情報融合型、消費者生成型、周辺開発型に分類される -
マスが効かなくなった理由
ネットの台頭だけでなく、企業のマーケティングの変化。流通の変化などにより、広告費から価格政策に。
昔は景気が良く、広告の効果に対して寛容であった。1985年に広告上手な企業が収益を悪化させ、広告な対する目が厳しくなったがバブルで先延ばしに。その後バブル崩壊とともに、4pのうちの一つである広告プロモーションは減額。
これこらのマーケティング
商品を、購買時の慎重度、どれだけリサーチするか、と長期関与者の存続、購買に対して1時的かずっとか、に、分けて考察。また、情報接触を、受信、発信に分けて分類。 -
消費行動と広告効果は、必ずしも直結しない。
確かに、広告の在り方が大きく変わってきたな。
広告の在り方、マスとネット、マーケティングと。
本来、事業主はwhat to sayを、広告業者はhow to sayを。これらの基本を忠実に遂行しなければならないが、現状の線引きは曖昧である。
特に、マスメディアの今後の在り方については同意すべき点が多々ありました。 -
元博報堂社員、山本直人氏の書いた、「買う気」の法則を読んだ。
なぜモノが売れなくなったのか、前に書かれた本「売れないのは誰のせい?」の印象からかそんな分析の本だと思ったのだが、意に反して、広告会社のあり方、広告会社と事業主(広告主)との関係、そしてこれからの広告の役割など、文字通り、広告の過去・現在・未来を俯瞰できる貴重な1冊だった。
著者・山本氏の洞察力の深さには驚き。元広告会社社員であり今は外部から広告会社を見る立場にあるため、主観性と客観性がバランスよく、広告会社の抱える問題、今後の課題を非常に的確に理解している、数少ないひとりではないか。
本書の中で、山本氏は広告の目的を、他の人の言葉を借りて、「個人消費を拡大させることと、世の中を明るくすること」とし、シンプルだけどこれ以上に納得できる定義はないと断言している。まさに広告の限界を知った上での可能性を提言する言葉ではないか。
今の時代、短期の売上を上げるという意味においては広告の機能だけでは不完全。けれど、広告のメッセージで人々に未来への見通しを提示することはできるし、その見通しが「買う気」に直結するというわけである。
山本氏いわく、満を持してはじめて書いた広告の本。
それだけに中身の濃い、今後の広告会社を担うべき人材にはぜひ読んでもらいたい1冊である。 -
AIDMAもAISASもAttenthionから始まることに変わりない。いや、なかった。
マーケティング関連の本としては読みやすい著。
11/12/18-115 -
企業は、不況になったから広告費を減らしたというわけではない。一貫して、マス広告は「減らしたいコスト」だったのである(P86)、という箇所が印象に残った。
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現代の日本国内市場の環境で、「買う気」を高めるために求められるのは、多数派形成力、意欲解放力、関係構築力、インサイト発見力の4つであると主張されている。不況と言われる現代においても、人々は消費し続けていかなければ、いけない。消費行動が控えられる場面もあるが(それは往々にして、マスメディアの過剰な購買行動抑制的な扇動報道が大きな要因になっている)、人は自分にとって、価値を見いだせるもの、必要だと真に思えるものやサービスは、快く消費する。その消費に繋げるために、上記の4つの力が求められてくる。4つの力の解説もとても丁寧に記述されており、勉強になった。