ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
3.79
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本棚登録 : 156
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048692472

作品紹介・あらすじ

ボクが大好きなこの海は、ときに美しく、ときに残酷だ。『白い嵐』で遭難し、孤立無援の島に取り残された少女アキ。一匹のカエル船長と共に『生きるための戦い』が始まった。

感想・レビュー・書評

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  • 過酷な環境で少女が生き抜く話、中々に面白かった。
    最後もハッピーエンドだし俺好みの作品だった。

  • ライトノベルというよりジュブナイルな感じの海洋冒険小説
    舞台設定は『未来少年コナン』をさらに極端に全ての陸が海中に没した世界
    すごすぎ
    それで人類が生存してるとかさらに凄すぎ
    いくらなんでも作中登場人物が知らないだけで残っている陸地はあると思うのだが
    ともかく舞台設定とサバイバルな題材は大変面白い
    けど小説としてはざんねん
    わるいけれどほかのひとにこの設定で描いてもらえれば面白くなるのにと思わざるを得ない
    主人公たちの「生きる」ことの意味みたな表現は良いし
    全世界の知識との断層差も面白いのだが
    冒険面がいくらなんでもアカン
    続巻の伸長に期待したいところだが

  • こういうの上がってくるとでんげきぶんこさんまだ息してるなあーと思わされますこれ大賞は納得です。エンタメとして雰囲気モノとして純粋におもろいしめっちゃ目から汗出た…表紙と扉でほのぼの海洋モノだと思った自分に心構えを説きたい…想像以上に心が辛く魂に響くぞこりゃあ……

    前半分がめちゃくちゃ辛くてでもだからこそ後半の生きるがねその理由がねすごく眩しくて、二人のお互いへの想いというか考え方?が尊くて(感情移入的な意味だとアキに寄っちゃうのは主人公としての語りと視点ゆえにしゃーないと思いつつタカちゃんに想像を膨らませて泣いている私がいる)、二巻以降明日速攻買ってきますもうしばらくこの世界に浸らせてください…ああとりあえずキーちゃんが好きですアリガトー…ああ……

    わあ百合だなー(好物)と思いつつ冷静な部分ではそーじゃなくてお互いへの想い云々書いたけどそこまでの過程が尊いのであってやっぱりそこに至るまでのタカちゃんを考えたら心底つらたんなきがする。

  • ディストピア小説が好きだ。
    ディストピア、すなわち荒廃しきってほぼ終末を迎えたような、架空の世界を舞台とした物語のことだ。その魅力は、極限の世界でもなお生きることを諦めない人間の逞しさや気高さにある、と思う。

    この物語の主人公アキも、そうした逞しさを持つ人物の一人だ。14歳の少女でありながら暗い過去を背負い、一人ヨットを駆って"ひとつ海"を渡ることで生計を立てる"セイラー"である。
    この設定は、現実世界の私たちからするといささか背伸びし過ぎているように思えるかもしれない。しかし、実際に読み進めていくと、細を穿つ設定と描写によって作り出されたディストピア世界の中では、アキは現実離れした存在などではなく、むしろ無力さに苛まれる一人の女の子として描かれていることがすぐに分かるだろう。

    無力なアキに、世界は次々と試練を投げかける。本当に、冒頭から全く容赦というものが無いのだ。読者はいきなり、アキと一緒に荒れ狂う海に投げ出され、生きるという現実を突きつけられる体験を共有することになる。

    だがその後すぐに、私たちはアキがこの世界で主人公足り得る理由を目にするだろう。14歳でか弱いはずのアキは、しかし私たちのほとんどが持ち得ないであろう、光り輝くような強さ――それはもしかしたら、ディストピア世界の住人だけが生きるために持ち得るものなのかもしれない――を身体の内に秘めているのだ。

    物語の中で、こうしたアキの強さの片鱗をあちこちで見ることができる。それは例えば、"海の男"としての矜持であったり、"食料"を口にしながら海を見つめる瞳の力強さとして描かれ、読者の心に強い印象を残すだろう。そして、その片鱗はかけがえのないパートナーを得ることで花開いていく。

    目まぐるしく展開する後半部から一転、淡々と語られる真実と穏やかなラストシーンを読み終えれば、あなたもきっとこう声を上げたくなるはずだ。

    曰く、ボン・ボヤージ、と。

  • ラノベの表紙に惹かれることは少ないが本書は一目惚れ。読んでみれば、凄惨とも言えるサバイバルや戦いがあり、人を繋ぐ想いも描写され、若干の構成の疑問はありつつも、デビュー作とは思えない筆力で楽しめた。個性的な世界をひとつ創れてるのも良。

  • 今時珍しい海洋ファンタジー。朝日ソノラマ文庫にありそうな世紀末っぷり。天変地異により陸地が全て沈み地球の表面積の10割が海となった時代、メッセンジャーとして生きるセイラーの少女・アキが主人公。過酷な遭難生活や海賊の恐怖など、死が身近なところが良かった。カンパンなど、現代文明の名残が変な伝えられ方をしているのも面白い。話もメリハリがあって良かった。いきなり主人公が遭難しちゃうんだもんな!続きも出ているようなので読んでみたい。

  • この一冊についての私の感想は
    この一言に集約されます

    ギーち゛ゃ゛ん゛!!!!!!!!!!!!!

  • 一度崩壊した地球での海洋SF。世界観や用語の作り方が従来のSFらしくユーモアに富んでいて面白い。ストーリーも山あり谷ありとメリハリがついていて面白い。テーマとして山が深いが、それがいい味を出している。最後が無理矢理ハッピーエンドにしすぎてご都合主義な部分がイマイチ、王道展開→次巻へなら大満足だった。

  • バディものかと思ったが、実は一期一会系か。

    ゆりゆりしてるのは少々アレだが、バディものゆえに、と思っていたのだが。

    ゆくゆくは「ウォーターワルド」かね。

    すぐに2巻が出るようで、ちょっと悩み中。
    また別のバディか、と。

  • めちゃくちゃおもしろかった。冒険、友情、そして生きる意味を模索する航海ファンタジー。こんな話を待っていたんだ

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著者プロフィール

◆著者
鳩見すた(はとみ・すた)
『ひとつ海のパラスアテナ』で第21回電撃小説大賞で“大賞”を受賞しデビュー。著書に『アリクイのいんぼう』1~4巻、『ハリネズミと謎解きたがりなパン屋さん』1~2巻、『秘密結社ペンギン同盟 あるいはホテルコペンの幸福な朝食』1~2巻、『種もしかけもない暮らし ~花森姉妹はいまが人生で一番楽しい~』(KADOKAWA)、『こぐまねこ軒』1~2巻などがある。

「2023年 『江ノ島は猫の島である ~猫を眺める青空カフェである~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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