彼女のトカレフ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048693288

感想・レビュー・書評

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  • 物語として一貫性はあるし、エンタメとしてそれなりに面白く読めたのだけれど、メディアワークス文庫ということを考えると評価が難しい本。

    コアなファンを持つ作家の母がビルから飛び降りて自殺し、その娘である女子高生が真実を知るために歌舞伎町に出掛け、トカレフを乱射し、知り合いのヤクザに助けられるエログロバイオレンスなヤクザものの話。違法すれすれの旅行会社の社長、その元で働くヤクザっぽい社員、殴られ怒鳴られながら借金を返すために働く女子高生と、表の世界から見ると決して明るいとは言えない。平和な日常とは違うのに悲壮感はなく、これが歌舞伎町の空気と言うんだろうか。

    物語としては「彼女とトカレフ」というテーマが根底を貫いており、一冊の本として上々。なのに人に勧めにくいのは、決して清浄と言えない空気と、主人公の親友の良子の救われなさ。私が良子の母だったら、たとえ天涯孤独の身であろうと、娘をこんな目に合わせた友達を許したりしない。物語としては確かに面白いのに、レーベルの色と文章の軽さを考えると手放しで称賛できない。

  • 先を行く男の背中を撃ち抜いた。

  • 【銃を手に、少女は大人になる……】
     新宿・歌舞伎町のビルから飛び降りて亡くなった母親の形見を整理していた女子高生の摩耶。荷物を探るうちに彼女が見つけたのは、ずっしりと重い、黒光りする拳銃。
     トカレフ。
     やはり母は、なにか事件に巻き込まれたのだ――。
     そう確信した摩耶は母の死の真相を探ろうと、トカレフを手に歌舞伎町へと向かい、ヤクザ抗争に巻き込まれる。
     不条理なルール、納得できない暴力――立ちはだかる様々な困難に心折られながらも、歯をくいしばり、死にものぐるいでぶつかっていく摩耶。
     そして彼女は、新たな人生を歩き始める……。

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