空をサカナが泳ぐ頃 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 435
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048702836

作品紹介・あらすじ

出版社で多忙な毎日を送る中津藍。そんな彼が、煙草を吸いながら空を見上げると、一匹の魚が泳いでいた。目をこすっても魚は消えることなく優雅にヒレを揺らして通り過ぎていく。オフィスを街を家の中を悠々と泳ぐ魚たち。この鬱陶しい現象はなに?藍は魚を消す方法を探し始めるが、魚は増える一方で、しかも視界を埋め尽くすときに訪れる運命を聞かされ…。さまざまな想いを交差させ、ちょっと変な仲間たちが繰り広げる、未来を賭けた大騒動。第17回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 不登校の友達から借りた小説
    直接受け取ったワケではなく、その子の机を整理したときに見つけて、SNSで借りてイイか確認して読ませてもらいました
    最後まで投稿することなく、ずっと借りたまま
    同窓の集まりが返す最後のチャンスだったと思うのですが、
    不登校時代の話を蒸し返すのも、愉快ではないだろうと流してしまいました

    魚が周囲を回遊する幻覚が見えるようになった青年の話です
    メタファーが魚類ごとに込められているワケでもなく、おそらく水族館みたいな風景が書きたかったんだろうなと思います
    それにしては作者に魚類の知識が足りず、稚拙でした

    主人公が葛藤に直視したら解決します
    取り柄がないコンプレックスを言語化するだけで幻覚症状は治ります

    そこまでに至る過程も、少年マンガのような幼いノリで進んでいきます
    あとがきにもありましたが、本気で働く気のなかった作者の妄想で建てられた、仕事モノにも成りきらない小説でした
    つまらなかったです

    不登校の子が机に置いたままの小説は、P284ページの主人公がコンプレックスを直視するシーンにしおりが挟まれていました
    そこで、伝えたかったこと知ったのに、無視してしまってごめんなさい

  • 内容もなかなかおもしろかったけど、あとがきがとても面白かった。

  • 職場環境に不満を持つ、斜に構えた感じの主人公が怪しげな煙草を吸ったせいで空に魚が見えるようになってしまう話。働き始めて数年目、なんとなく仕事にも私生活にも先の希望が持てない空虚さを抱えた主人公の心情は……残念ながらちょっと共感できるところもあって泣けた。個性的な魚が見えるようになってしまった仲間たちと接するうちに主人公に訪れる変化も泣けました。読むタイミングもあったんだろうけど、やたら涙腺を刺激されたお話です。

    お話の仕掛けを知ってしまうと見たい、というのは危険な気もするけど、それでも空に泳ぐ魚はちょっと見てみたいな。綺麗な光景なんだろうな、と思いました。

  • ものの見方、か。
    同じ出来事も人によって見え方が違う。
    ひとつの出来事も人によって感じ方が違う。
    ポジティブにもネガティブにもなる。
    でも、それが分かってても、自分の見え方、感じ方を変えるのは難しいし、怖い。
    抵抗感がある。
    ひとりじゃ難しい時もある。
    誰かに言われても上手く受け入れられない時もある。
    ただ、その見方を共有できたり、違うことを感じられたりする人が身近にいるのは大事なんだろう。
    ひとりきりだと、自分の世界しか見えないから。
    それが全てになっちゃうから。
    でも、パワハラはパワハラだよね。見方云々じゃなくてさ。

  • 2019/03/29読了。
    それほど出来の良い小説とも思わないし、テーマ?も月並みだけど、不覚にもちょっとぐっと来た。
    やりたければやっちぇばいいじゃん。って言われてグサッと来たっけ。

  • 主人公がサカナが見えるようになってから見えなくなるまでの話。

    作者買いです。
    どうやらデビュー作のようですね。

    はじめはなんだこの主人公と読み始めたのですが、読むうちにどんどん引き込まれ、一気に読んでしまった。

    ただ、読むうちにオチというか、どうすればサカナが見えなくなってしまうのが何となくわかってしまい残念、というほどではないか。
    謎解きならば残念なのだけど、そこを読ませるお話じゃないし。

    主人公の周りが微妙なのはおそらく主人公というフィルターを通しているせい。
    おそらく会社はそこまで悪い環境じゃない。
    主人公が変わったからこそ、良いものに変えていくことができた。

    世の中考え方次第ということか。
    アンラッキー大王にはなりたくないけど!

  • ある煙草を吸ったことがきっかけに、空を泳ぐ魚を見るようになった主人公。
    魚を見なくてすむように方法を探しながら、仲間が増え、自分の姿を見つめなおしていくことで主人公も仲間も変わっていく話。
    空をサカナが泳ぐ姿はちょっと見てみたいかも。
    すごく幻想的で素敵だろう。
    やっぱり人が変わるのは誰かがいてくれるってことが大切なんだと思う。

  • 神様のご用人を読んで、浅葉なつさんの本を
    読んでみようと思った。
    この本では
    人はそれぞれに大小に関わらず悩みがある。
    その悩みと如何に上手く付き合うか、そして
    それをどの様に乗り越えるかが描かれている。
    うん、青臭いかも知れないけど、青臭くても
    前に向かっていく姿は、親父の私も見習い
    たい。期待通りの良い本だった!

  • 前半から中盤にかけてはタバコを吸ったことで空に魚が見えるようになってしまった主人公が同じ境遇の仲間とともに元に戻る方法を探す内容で山崎との掛け合いが楽しめた。
    しかし、後半の展開がとても共感できた。魚を見えなくするためにはどうすればよいのか。他の人が魚が見えなくなるようになって一人焦燥感に駆られる主人公の心理描写は印象に残った。
    主人公の心のあり方が変わってからの気持ちの変化は必見。

  • 冴えない編集者がけったいなタバコを吸って魚が見えるようになった話。
    いわゆる、青春自分探し。

  • 読了感、悪くないです。
    テンポもいい。
    ちょっと軽すぎか?
    これも悩まず、サクサク行くお話しです♪

  • 青春、というにはちとトウの立ったメンバーのちょっと青臭い話。テンポも悪く構成も問題が多いが、その一方で魅力もある作品。作者のデビュー作なので、その辺は仕方ないとは思うし、手も入れにくそうな構成だけど、編集さんはもう少し出版前に練って欲しかったように思う。

  • 掛け合いが面白い。
    私には、どんぴしゃでした。
    続編も期待します。

  • 「サカナが見えるようになった」お話は面白かった。
    しかし、その理由が薄っぺらい。
    納得できる、ひねりの利いたものが欲しかったなあ。
    筋書きの標識ははっきり見えて良かったが,流れる景色にくどさがあって少し煩わしく感じたかな。

  • 夢を封じた主人公がある煙草を吸ったことにより空や街中に魚が見えるようになってしまう。主人公の周りに登場する3人も同じく魚が見えるようになる。最初は単に邪魔だから消えて欲しいと思っていたが魚が世界を埋め尽くす時その人には死が訪れるということが判明し…。対処法も分からないままに周りのみんなは次々に魚が消えて行くが主人公だけ取り残されてしまう。"魚は、自分からの警告なんです。一歩前に出て、乗り越えろっていう警告。"逃げずに立ち向かう事ができた時、そこには…

  • ライトではあるけれど、ペラペラ過ぎず。読後感が爽快。

    主人公の小心さも、自己愛の大きさも自分そっくりで親近感。
    私ははっきりとした夢なんて持っていないけど。

    魚の風景は時間限定なら見てみたいと思った。

    次の本も読んでみたい。

  • ジャンルが違う。途中で席を立った映画のように本を閉じた。こう言うレビューは残すべきではないと思うが私に買われた運の悪さとあきらめてナ
    ナンセンス青春どたばた喜劇。キャンディーズと同じ名のお爺さん三人が登場・・・・少し笑った。ざけんなヨ。浅葉さんお幾つになられるの?

  • 人生ポジティブシンキングで前を向いて最初から諦めないでやりたいことやってしたいことして明るく笑って生きていこうぜ。

  • 目の前をサカナが埋め尽くすと死んでしまうんだよ。
    変なたばこを吸ったために幻覚が見えるようになった四人の話。四人とも抱えてるものがあって、それを乗り越えたとき…っていうのがよかった。
    途中主人公が思わず写真を撮りたくなった、友人たちがはしゃぎだすシーン?があったんだけど、その気持ちは何となくよくわかったなぁと。はしゃいでるみんなをとって、いいたくてもいえない気持ちっていうか。

    すごくじんわりきたいい話でした。

  • 読みやすかったけど、なんだか物足りないかな。
    主人公の気だるげな話し方は好きだけど、周りが純粋過ぎる気がして違和感を感じる。大人っていう設定なのに思考があまりにも幼い。
    ところどころでリアリティを増させるための具体的な描写があるのに、ストーリーが素直すぎ?
    いやまあ、タイトル自体がメルヘンチックだからどうとも言えないけど。
    帯に惹かれて購入したけど、ちょっと期待ハズレかなー

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著者プロフィール

第17回電撃小説大賞で<メディアワークス文庫賞>を受賞。「空をサカナが泳ぐ頃」でデビュー。

「2023年 『神様の御用人 継いでゆく者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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