- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048734707
感想・レビュー・書評
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これこそ若合春侑の真髄!!!SM小説を女目線で書かせたら右に出る者はいないのではないかと思います。
ダメ男を好きになる心の描写とか、痛みが快楽になっていってしまう心の描写とか、細やかで美しくてどろどろで、一気に読んでしまいました。
林檎ちゃんのカリソメ乙女とか茎とか好きな人は好きだと思う。
旧字体だから漢字を読むのがちょっと面倒だけど。
こういう湿度のある文章を書ける作家さんてなかなかいないと思う。
綺麗でどろどろでエロい小説を読みたい方はぜひ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
墜ちるとわかっていても 吸い寄せられてしまう女。
そんな主人公キイが蜻蛉のように儚い。
命まで落としてしまうってすごい。
でも そうなってしまいたい。 -
旧字体が美しい。蜉蝣の幼虫は、蟻地獄。キイの魂は蜉蝣になれたのだろうか。女の責苦が描かれているカルタを見てみたい。
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蜉蝣《かげろう》とは《ふゆう》とも読むそうで、《ふゆう》と言われるとふわふわと浮いている霊魂を連想するのだけれども、そんな愛らしいものでは全く無く、言うなれば奈落の底で救済を懇願する生霊(本来奈落の底にいるのは悪霊だと思うが生霊の方が生々しい気がする)、そうは言うものの蜉蝣は不完全変態の虫であるし、成虫になると美しい透明な翅を持ち、その翅を気の済むまでふるわせるわけにもいかない儚い一生を終えるのであるから、その悲哀な壮絶さも相俟ってか、底で蠢く生霊すらも美しく、時には滑稽に感じてしまう。
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正直萌えた
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内容の凄惨さに泣きました。
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昭和十年 日本が近代化されつつある時代。古さと新しさが入り混じった、芸術の風の強く吹く時代。カフェの女給をしながら芸術のために裸婦のモデルをしている帰依。画学生榊とのつかの間の逢瀬、突然の別離。そして偶然の出会いから引き込まれていく残酷画の世界。痛めつけられ辱められることで現れる表情を描こうとする画家佐々愁雨…『美しいもの』の定義は人それぞれで、苦しみもだえる表情にそれを見出すのも一つの芸術なのだ と頭で分かっていても嫌悪感は感じる。感じるけれどそこにある魅力にも気付かされてしまう。そして独特の文語調の文体や旧仮名遣いと相まって不思議な世界へと誘われる。しばし昭和モダニズムへと…
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3階、スナイパーと一緒にこれを置くと良い。
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おんなとして、生きるなんて、おそろしくて、うるわしいのね。
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すくわれなさぶりが最悪の読後感を導いてくれます。「責め絵」に嫌悪を感じる人は読まないほうがいい。