時計塔のある町 (カドカワ銀のさじシリーズ)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.23
  • (4)
  • (3)
  • (14)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 72
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740517

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 洪水事故に巻き込まれ、気付くと異世界に迷い込んでいる。
    最後に元の世界に戻る。あれは夢だったのかと振り返る。博物館の職員も同じ世界に行ったことがあると知る。夢かと思った世界は実在すると考える。

  • 最後がここに行き着くのか!という感覚でした。
    児童文学のお手本のような感じで、大人になった今でもワクワクします。

    主人公が暮らすところと呼ばれて迷い込んだところは違うけれど似ていて、きっとこんなところがあるんだろうなと思いました。

    タカシと鈴子の謎も伏線回収があり、メインストーリーだけでなく、サブストーリーもしっかり書かれています。

    私も子どもの頃にこんな世界で冒険してみたかったなぁ…。

  • 平成28年6月の特集「時間に関する本」

  • 異世界トリップとか、時計台とか。
    ものすごく魅かれるアイテムがたくさんだったのですが、お話的にはちょっと微妙だった感じ。
    5年生ぐらいから…という雰囲気ですが、難しい表現もあるのでファンタジーに慣れていないと難しいかもしれません。期待しすぎたかも(笑。

  • 異世界トリップとか、時計台とか。
    ものすごく魅かれるアイテムがたくさんだったのですが、お話的にはちょっと微妙だった感じ。
    5年生ぐらいから…という雰囲気ですが、難しい表現もあるのでファンタジーに慣れていないと難しいかもしれません。期待しすぎたかも(笑。

  • 読書会でも結構、不評。ゲームのようで今の子たちには違和感が少ないかもって話が出たけど、孝の物語なのになんだか見えてこない。生きて帰りしファンタジーなのに、すっきりしないね。

  •  パラレルワールド的なファンタジー。悪くはないけど、ちょっと理屈っぽく、こじんまりとしてた印象。現実世界に似た世界ということだったけど、世界設定の意義がよくわからなかった。いっそ和風ファンタジー的な世界のほうが、ありがちながらもすんなり読めたんじゃないかなあ。
     時計塔とか、タイムリミットとか、そういうドキドキ要素を生かす構成がほしかった。
     争いを求める魂を抱えて苦悩する真鳥と、そんな真鳥と敵対しつつも仲間意識を捨てきれないニセ迂渦夜姫のキャラはよかったです。

  • 注意深く目を向ければいろいろなところに通じる入り口がある

  • 選書会で、子どもたちが選んだ本。

  • “「あったかいでしょ。私が心をこめて編んだものには、古岩族代々のあたたかい心が一緒に編みこまれているの。一目一目に思いをこめて編みこんでいくのよ。それを身につけていれば、風邪なんかひかないわ」
    マオが考の背中にかかったマフラーの端をもてあそぶようにひっくり返しながら、鈴子にたずねた。
    「めずらしいね。古岩族はめったに大切な編み物を人にやったりしないだろ」
    「汚い手でさわんないでよ」マオにぴしゃりといってから、鈴子が不思議そうに首をかしげて、考の目をのぞきこんだ。「あなたとははじめて会った気がしないのよ。なんだかとても懐かしい感じがする。だからあなたには、この編み物をあげてもいいかなって思って」
    そういわれて、考も鈴子の顔をじっと見返した。しかし彼女のそのかわいらしい顔に見おぼえはなく、さして懐かしい感じがするとも思えなかった。考が正直に会ったおぼえがないというと、鈴子は少し悲しそうに笑って、片手を軽く振った。”

    鈴子は親戚フラグかと思ったが、そうじゃなかった。
    あまりないタイプのフラグで、正直そこが良かった。
    空想話なんかじゃなくて、本当にそこにある。

    “「……夢で見た町?」
    「そう。ぼくは子どものとき、何度もこの町の夢を見た。夢のなかでは、町の広場で遊んだり、牧場で牛を追ったりしてね。いまでも鮮明におぼえてる。美しい町だったよ。その夢で見た町の設計図を作ってね、何年もかけて一人でこれを作ったんだ。この間やっと完成したんだけど、おおいのアクリルと電気が自分じゃうまくいかなくってさ。館に出入りしている業者の人に手を入れてもらったんだ。もちろん、費用は自分持ちだよ。でもおおっぴらにできることじゃないからね。倉庫に置いて、仕事をしてもらった。昨日持って帰るつもりだったんだけど、あのひどい雨だったから。しかたなく、一日置きっぱなしにしちゃった。でも壊れてなくてよかった。風で倉庫のガラスが割れてたら、これもめちゃくちぇになってただろう」
    心底ほっとしたように林田さんはいった。
    孝はめまいがしそうだった。――この人が子どものときに見た夢のなかにぼくは行ったというんだろうか。それとも、この模型の町にぼくがちいさくなって入りこんでいったのか。そもそも、あれが現実なのか、夢だったのか。
    「……ちがう、夢じゃない」ちいさく声に出していったあと、考は林田さんの手を強くつかんだ。「林田さんが子どものときに見た夢って、夢じゃなかったんだと思う」”

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

「五本目のろうそく」で2001年第2回グリム童話賞優秀賞受賞、04年「冬の龍」で第10回児童文学ファンタジー大賞奨励賞を受賞(06年、福音館書店より刊行)、07年同作で第17回椋鳩十児童文学賞を受賞。主な作品に『時計塔のある町』「サッカク探偵団」シリーズ(KADOKAWA)がある。

「2020年 『からくり探偵団 懐中時計の暗号を解け!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤江じゅんの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×