- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048839440
感想・レビュー・書評
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誰もがナルシシズムを満たそうとして必死。穴の空いたバケツ片手に呆然と立ち尽くすイメージ。
差異を語ることの禁忌、そのせいで思考停止に陥ってコミュニケーションブレイクダウン。
「内助の功」幻想を支えているのが実は女性のナルシシズムでもあるという慧眼。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分自身を愚者といい、愚者について書かれてある。『欲望の果てに』というところで、(内容)『心に穴のあいたバケツを持つ女は、恋愛が終わった直後、このまま狂ってしまうのではないかという恐怖に耐え切れず、バケツに水を注ぎ始める。水をくむ作業に熱中していれば、あの孤独と絶望と自分が崩壊していくような恐怖を忘れられる。バケツに注ぐ水は、何でもいい。とにかく、ひととき、自分を慰めてくれる快感を、自分を再び勝ちあるものと錯覚させてくれる幻想を求めて、愚者は狂ったようにバケツに水を汲み続ける。穴の開いたナルシシズムを埋めるために、愚者は他者の愛を必要とする。それを与えてくれる他者は、愚者にとっての「神」である。』ってところが印象的。納得。
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エッセイは初めて読了。あ~面白かった!おそらく私は彼女の言う「愚者達」の一人だろうな。愚かなすがる恋愛をした事を思い出した、人に話す事もまだできない恥ずかしい恋だった。だがそれは私や著者に限った事ではなく、殆どの人間は愚者の要素を持ち合わせ、ゆらゆらと揺れているのではないか。著者が狂人との間を振り子のように揺れ留まっていたと書いたように。また、自分を許す神は存在していると私は考える。裁く神に捕まっているだけで、己の中にも存在はしているのではないか。自分を許すこともまたきっと不可能では無い筈だ。是非お勧め。
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914.6
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あまり頭の回転が早い人間ではないので、
咀嚼し切れていない部分が多いのですが、
あぁ、わたしは愚者であったのか、と思いました。
彼氏さんに「好きだよ」と言われるたび、
キリキリと何かに縛られる居心地の悪さと、
赦しを無条件に認めてくれるその人の寛大さと、自分の何も差し出せない狭量さに、
バレないようにいつも一人で泣く自分の姿が過ぎった。
人に愛情を打ち明けられて泣くなんて
まるで絵に描いたように幸せな人間のように見えるけれど、
私の涙はそんなあったかいもんじゃなくって
常に後ろめたさやら罪悪感がついて回って
彼氏さんの優しい気持ちが、
まるでその気持ちまで赦してくれるんじゃないかって言う錯覚に陥りそうになって、自分を傍観できる位置まで引っ張り出さずにはいられなくなる。
いや、もしかしたら彼は赦してくれるのだろう、と思う。でもそれが怖い。赦してくれないほうがよほど気が楽になってしまいそうな自分がいる。
一度、それに耐えられなくなって、別れた。
キリキリと、優しくまとわりついてくる束縛を、
幸福な愛情と受け止めてくれる女の人の方が、
どれだけ彼を幸せにしてくれることだろうかと
そのときは悩んで悩んで出した結論だった。
周りに馬鹿だ馬鹿だと言われ、
結局「その人の幸せを願う気持ちは紛れもなくわたしはその人のことをいとおしく思っているからだ。」と
自分に言い聞かせて元に戻った。
わだかまりは消えていない。
人をいとおしく思う気持ちと、
自分が自由でありたい、自由でいられるならば孤独でいる方がいい、
という気持ちが、これからも結びつくことなんてきっとないであろう。
わたしはそして、おそらく後者を選ぶのであろうという予感が、
「好きだよ。」と言ってくれる私の大好きな人を苦しめる。
その人を犠牲にしてまで、自由でいたいと願う私は、一体何様のつもりなのだろう。
あぁ、自由でいたい。
それでもわたしは、自由でいたい。
愚者以外の何者でもないんじゃないだろうか。
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実は初めて読んだ「中村うさぎ」。
名前はすごくインパクトがあって知っていたけど、どんな作風なのかとか全然知らずに開いてみたら‥
そこには哲学があった。
女の哲学。
買い物依存症、ホスト依存、整形依存‥その果てにはついにデリヘルまで‥。
こうやって中村うさぎがとってきた行動を見るとなんて馬鹿げた浅はかな女だろうって思うのだけど、この本を読んでいくうちに私にも共通する部分、分かってしまうものがありました。
女であること、生きていくこと、すごく考えさせられました。 -
ホストHと何があったのかこれで分かってすっきり。