火恋 (B-PRINCE文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 37
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048921695

作品紹介・あらすじ

人狼には忘れられない人がいた……。

人は冥土に行く時「忘川河」を渡り、河の番人が渡す「忘情水」を飲む。現世でのことを全て忘れ、新しい生を歩むため。――身分違いの恋から残酷な別れを経験した鳳成と幸真。互いの生まれ変わりを信じた鳳成は、水を飲まない代わりに人狼として百年を生きることになる。やがて月日がたち、幸真の生まれ変わりの真永と出会うが、彼には前世の記憶が無くて!? 忘れたくない、けれど忘れてしまいたい……激しくも悲しい恋の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 輪廻転生、人狼もの

  • タイトルからしてね、危ない雰囲気ですよね。
    表紙もね、何とも言えない耽美な感じですよね。
    そんなわけで初読み作家さんですが、タイトル買いしました。
    これ悲恋と掛けてるよね、絶対!! と悲恋ものも大好物で飛びつきましたが、もう序盤からぶっ飛ばしてました。

    身分差・不憫健気受→受難→悲恋

    という本来1冊かけて書かれるであろうお話を、冒頭ですべて纏めてくれちゃって、そこからの転生ものでした。転生ものも大好物なので、この不憫健気受が一体どんな風に再び攻と出会うのかと読んでみると、あら不思議。
    不憫健気のはずだった受ですが、転生後は攻のことをすっかりと忘れ果て、自分は生贄だなんだと割と自己憐憫に溢れた自己中ちゃんになってました。
    不憫健気の皮被った無神経に、若干の苛つきと攻への同情を覚えつつ読み進める……。
    途中から不憫健気は攻の方じゃないか……と、あまりの攻の不憫さに萌えボルテージは急上昇。
    前世では悲恋に終わったのに、今世では今度は攻悲恋エンドかまさか!? と胃がキリキリする程終わりの方まで引っ張ってます。
    残りのページでどうやって纏めるのかとハラハラしながら読み終わりましたが、結果的にはハッピーエンドなので1冊で2度美味しかったです。

    受の性格を受け入れられるかどうかで評価が上下しそうな話ではありますが、あまりに攻が魅力的+不憫健気攻の効果で私は大変美味しく頂けました。
    挿絵も非常に美しく、この世界観をよく表せていると思います。
    あと狼の子が可愛くて、もふもふ好きさんも楽しめるのではないかと。
    終盤はもうずっと胃の腑を掴まれたような痛みが続くので、痛いの好きさんには是非ともおすすめしたいです。

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