姉なるもの1 (電撃コミックスNEXT)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (130ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048924771

作品紹介・あらすじ

天涯孤独な少年・夕はある日、美しくも冒涜的な何かと出会った。【千の仔孕む森の黒山羊】と呼ばれる「それ」に、夕は自分の姉になることを願う。すると「それ」は「千夜」と名を変えて、彼の姉になり――?クトゥルフ神話の最果てで、姉弟の愛を描く『姉なるもの』、第1巻堂々発売。

感想・レビュー・書評

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  • とある姉弟の生活を描く一冊。 「姉なるもの」と言う不思議なタイトル通り、出てくるお姉ちゃんは普通のお姉ちゃんではありません。 クトゥルフ神話という架空上の神話に連なる神様――所謂、悪魔です。 初登場からして、恐ろしい空気を纏っているのですが……このお姉ちゃんが可愛い。 言葉で言い表すのが難しいのですが、兎に角可愛い。 それが永遠に続かないと分かっていながら、神様と人間が不器用ながらも家族として、温かい日々を過ごしていく――。 幸せの中に切なさが混じる、不思議なお話です。

  • 元々は同人誌で発表された作品の、メジャー版。何かの拍子に同人版をオンラインで読んでいて、たまたま古本屋で安く売っていたのを見て、1〜3巻まで購入。

    取りあえず1巻読了。同人版の世界観を引き継ぎつつも、メジャー版なのでエロ成分は相当薄められている。これなら青少年が読んでも大丈夫...と思わせながら、耳かきのシーンなど「大人が読むと」なかなかなドキドキ感(^ ^; これはこれで、くすぐったくてエロい(^ ^;

    私がマンガを選ぶ基準は、まず何より「絵が好きかどうか」で、本作の絵は大好きな部類(^ ^ お姉ちゃんが悪魔になったときのビジュアルは、ものすごいインパクトで、違和感のかたまりだが(^ ^; ちなみに余談だが、あまり好きではない絵柄でも、ストーリーが面白ければ読んだりもします(^ ^

    同人版よりも「長く続く」ことを前提に書かれている印象で、あちこちで思わせぶりな「引っ張り」がちりばめられている。先が楽しみであるが...あまりハッピーエンドにはなりそうも無い予感(^ ^;

  • 両親を亡くし親類の家を点々とし本物の家族に飢えている少年、その前に現れた悪魔。
    その悪魔を姉と慕い、悪魔もお姉さんとして少年と幸せを感じながら過ごすという話。何か心に響きます。

    扇情的表現が沢山登場するが絵的にはギリギリセーフ(^^;)

  • 満ち満ちているがゆえの空虚。

    色々と読み方はあると思うんですが、ストレートに感じたことを書いていきます。
    クトゥルーネタで邪神でおねショタって発想だけでもう勝利な感じがしないでもないですが、いくらでもキャッチーに出来そうな題材なのに丁寧に時間を流してるなーって印象です。

    とにかく、不穏。
    時折、主人公の追憶という形で挿入されるモノローグがひどく詩的でありながら度々終わりを示唆しているのが胸を突きます。
    喪失感を前借りしながらなんでもない日常を送っているからこそ、より幸せが強調されるのでしょうか?

    物語の終わりに待っているものが別れなのか、もっと残酷なものであるのか、むしろ残酷であってほしいのか、それさえ、今の私にはわからない気がします。けれど、最後まで見届けたいと思ってしまいます。

    読者と物語の間に距離を空けているはずなのに、空間は埋められているハズなのに、主人公を含めてひどく空虚な感覚を共有できたりすると思います。
    どこかに存在している、けれど誰かという名の私には存在しなかったあの夏、誰かが欲しがった感覚と感情を与えてくれる「姉なるもの」、なるほどよく出来たタイトルですね。

    「夕」という名に対して願いを込められ「千夜」と名乗った彼女は、文字通り「血」通った存在に思えます。
    千夜姉もまた、人間とはどういうものなのか試行錯誤しながら、お互いによくわからっていない「姉」をやろうとしてくれています。

    わからないなりにがんばるお互いの姿と、優しい時間が愛おしいですね。
    ……ここまで書いて、結構要領を得ないとは思いますが、元ネタからして一応は定義できますがなんだかんだでよくわからないものがよくわからない関係のまま愛する愛されるって、曖昧さもあってもいいんだ、って力強さも感じました。
    なるほど、これが名状しがたき感覚なのか、と初心者じみた感想を書いてみます。

    ところでこの作品。
    18禁な同人誌バージョンが先にあって、一般向けなこっちがあるらしいんですが、ここで垣根が引かれているのがどう影響を与えるのか、その辺は両方を読まねばわからないのでしょうか。
    舞台の表と裏なのか、最初から違う劇なのか、私はわからないことを楽しむ派。でも、あっちも気になるは気になる。

    こっちから想像を膨らませるにせよ、キスシーンのねばっこさとかを考えると、境は障子紙くらいには薄いようでいて、隠しているのがまた効果的ですよね。
    千夜姉が肉感的ではっきり言ってエロいのに、薄暗がり色に輝いている危うさのせいでしょうか?
    エロいって感情が性欲に結びつかず、なんか純化されているのは今までにない読書体験かもしれません。

    見えないものが見えてしまうどこか空虚な瞳の少年「夕」が、出会った姉なるもの「千夜」。
    本当に満たされていくからこそ、その先が恐ろしく思えて、だけど感じたい。満たされているからこそ、空虚が強調されているのなら。どちらも大事にしたいと思ってしまうから。

  • シュブ=ニグラス!豊穣の女神、性の象徴。まあおねショタなんだけど、そもそもシュブ=ニグラスは人型になると思考能力も人間並みというあざとさが上手く生かされてます。前に人型になった時ってのは、ハスターとの件ですね。クトゥルフはあまり詳しくないけど、ある程度知ってると色々とそちらからも設定を持ってきてるのがわかります。しかしお姉ちゃんエロ過ぎるやろ…… 物語的にはなんか悲恋に終わりそうな流れですね……

  • まさかのクトゥルフもの!
    ただの擬人化ではなく、契約してお姉ちゃんになってもらうという設定は、なるほどと頷いた。
    理想のお姉ちゃんの姿、夢の詰まってる一冊。

  • コズミック・ホラーと、姉。
    なんのこっちゃという感じだが、ようするにそういう話である。
    意思疎通ができれば「悪魔」であろうと家族にしたい、家族になりたい。寂しさを持ち、愛を求める人の業である。

  • 夕は育ちの割には擦れていないところが、ポイント高い。分不相応な幸せを手にしても、それが限りあるものという演出がお見事。絵がとても綺麗で良い。

  • このパターンはエロかどうかで分かれる、明かに

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著者プロフィール

『姉なるもの』を電撃G'sコミックで連載中の漫画家、イラストレーター。『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』挿絵やVtuberでも活躍中。

「2022年 『姉なるもの6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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