閻魔大王のレストラン (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048933360

作品紹介・あらすじ

――あの世とこの世の狭間にあるレストラン『紫苑』。
 そこは食事に未練を残したまま、世を去る人が訪れる不思議なレストラン。
 髭面のギャルソンが出迎え、コックの閻魔が奇跡の味わいで死出の旅路を彩ってくれる優しい場所。

「これより天へ昇る味わいで、あなたの別れを祝福致します」

 最後の食事を、あなたはどなたと召し上がりますか? 
 もちろんお代はいただきません、その代わりに――。

感想・レビュー・書評

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  • 食に関しての未練を残した人のみ、訪れられる場所。
    そこは3人で創り上げられた店。

    連続短編、4人分のお客さん。
    プロポーズをしよう、としていた矢先に死んだ彼。
    大事な時に寿命が尽きてしまった彼女。
    親子になりたい、と頑張っていた継母。
    遠い昔に妻と約束した夫。

    ドラマなんかにありがちな、だったのは1話目。
    悲嘆にくれる彼女を見て、決意した彼ですが
    最後渡さなくて正解だった気がします。
    それがあれば、確実にそこに気持ちが囚われて
    そういう一歩は踏み出せなさそうでしたし。
    そもそも、それごと包み込む男は現実にはいません。

    始まりから怪しい、と思っていた2話目ですが
    予想的中、でした。
    一途に、純粋に、は彼らか子供ぐらいのものです。
    当たりの卵が入るという事は、結構大きなたこ焼き?

    嫌われないように、母親としてすかれるように、と
    頑張る彼女の、嬉しい日になるかもしれない3話目。
    ここまで考えてくれていると知ってしまったら
    泣いてしまいそうな感情が胸に広がるかと。
    そんな食事中での、あの焦り。
    何が起こるかと思ったら…これは大丈夫なのか、と
    給仕と一緒に問いただしたいです。

    そして、待ち続けた人がくる4話目。
    過去の回想シーンから、まさか…とか思いましたが
    さすがにそこまでの裏はなかったです。
    その後のアタックをした後輩。
    どれほどの後悔を胸に抱いた事か。
    次がある、からこそ突っかかったり
    感情のまま動いたり。
    それでも、悔やまないよう生きていきたいものです。

    しかし…場所が場所だけに、どれもこれも
    美味しそうなものばかり、でした。
    とはいえ、どんなものかきれいに想像できるのは
    たこ焼きぐらいでしょうか?
    かろうじて、チョコ、はいける??

  • ん~。生と死と思い出の食にまつわる良いお話には違いないけど、割とよくあるパターン。強いて言えばエピローグで何やら閻魔大王には訳アリらしいので、その点に興味を惹かれれば次読むのもありかも。

  • 【これより天へ昇る味わいで、あなたの別れを祝福致します――。】

     ――あの世とこの世の狭間にあるレストラン『紫苑』。
     そこは食事に未練を残したまま、世を去る人が訪れる不思議なレストラン。
     髭面のギャルソンが出迎え、コックの閻魔が奇跡の味わいで死出の旅路を彩ってくれる優しい場所。

    「これより天へ昇る味わいで、あなたの別れを祝福致します」

     最後の食事を、あなたはどなたと召し上がりますか? 
     もちろんお代はいただきません、その代わりに――。

  • 世界観?設定?が某アニメを彷彿とさせた(笑)
    でも、好きな設定だったから楽しく読めた。

    しかし、最後のエピローグには驚いた。
    閻魔さんが現閻魔のままだろうなってのは薄々感づいてたけど、まさか次期閻魔育成のためのレストランだったとは思わなんだ。
    しかも、閻魔さんに残された時間が少ない……どういうことなんだ?
    これについて言及するような補完の短編みたいなの出ないかなぁ。
    ナオちゃんについてもそこまで詳しくは分からなかったし。

    竜児と閻魔さんの出会い、ナオちゃんと閻魔さんの出会いの話が読みたいな。

    竜児は、これからもレストランで働くみたいで良かった。
    なんだかんだレストランと閻魔さんのこと好きなんだよね。
    閻魔さんが倒れたときも必死だったのがとても良かった◎
    竜児といえば、奥さんがちゃんと来てくれて良かったけど、奥さんがまさかの竜児に突っかかってた後輩と結婚してたとは…。
    そこがちょっと残念だったけど、少しでも話せて良かった。

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著者プロフィール

奇想天外な設定とさわやかな青春描写に定評がある。著作に「ハイカラ工房来客簿」「日本酒BAR「四季」春夏冬中」「閻魔大王のレストラン」(メディアワークス文庫)など。

「2022年 『大奥の陰陽師』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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