- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048934107
作品紹介・あらすじ
実乃里が通う美大には、妖怪ばかり描くことから「妖怪画家」と呼ばれる青年がいた。無愛想で無口な彼の本業は「消し師」で、人間との共存が難しくなったアヤカシたちの悩みを解決することだというのだが――!?
感想・レビュー・書評
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あやかし絵師違いで手に取った本。
美大に通うのに高い学費を出してもらっているのに、半年で、自分はここにふさわしい人間なんだろうかと思い悩む実乃里に、懐かしいなぁ、才能がないのかなと思い悩む時期もあったなぁと思い出した。
芸術方面は特に才能と環境が重要だろうから、お人好しで、あまり主張しない実乃里にとって、素晴らしい絵を描き、かつ周りとの比較や評価に振り回されない一色のスタイルにあこがれるんだろうなぁ。
実乃里アヤカシ達を嫌悪せず受け入れられる度量というか、おおらかさがあると思うし、足りない技術はくよくよせずに頑張るしかないんだけど、自分で自覚するのって結構難しいよね。
アヤカシとのふれあいが、絵に向き合う逃避行動に思える実乃里の態度だけど、とにかく1つずつこなす解決の道はないので、頑張って欲しいなーと思って読み終えた。
あらすじ
憧れの美大に入学した実乃里だが、周りの才能ある同級生や自分の絵を描く事への情熱が、他と比べて劣っているのではと、悩む日々を送っていた。
そんな中、アヤカシを描くことを生業にしている一色に出会い、彼の絵に牽かれる。自分自身に対する悩みを、彼の絵とアヤカシたちと関わるなかで少しずつ自覚している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アヤカシ小説はよく読むけれど、何か新鮮で素敵な小説だった。アヤカシを人の目に見えないようにする絵師と、関わるようになった美大生と、様々なアヤカシ。将棋盤がいいキャラしてたな。
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【「人間とアヤカシは本来相容れないものだから」優しくて心温まるアヤカシ画譚。】
憧れだった美大に通うことになる白川実乃里。しかし実際に大学生活を送るうち、理想とはかけ離れた現実を知り、彼女は落胆する。
教師からの厳しい指摘、友人の才能への劣等感――次第に自分の夢に対して迷いが生じてくる……。
そんなある日、彼女は大学近くにある池で、不思議な青年と出会う。学内で「妖怪画家」と噂される彼の名は、一色真澄。その本業は、人間との共存が難しくなったアヤカシたちの悩みを解決することだというのだが――!?