青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 708
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048935852

作品紹介・あらすじ

初恋の人・翔子の未来を願った12月が過ぎ、いつの間にか咲太も高校二年生の3学期を迎えていた。
 三年生の麻衣と峰ヶ原高校で一緒にいられる学生生活も残り僅かとなったなか、長年おうち大好きだった咲太の妹・花楓が誰にも明かしたことのない胸の内を打ち明ける。
「お兄ちゃんが行ってる高校に行きたい」
 それは花楓にとって大きな決意。極めて難しい選択と知りながらも、咲太は優しく花楓の背中を押してあげ――。
『かえで』から託された想いを『花楓』が受け取り、未来へ一歩踏み出すシリーズ第8弾!

感想・レビュー・書評

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  • 妹のためにここまでする兄が果たしてどれだけいるだろうか。(しかもまだ高校生)

    10代で出産だとか、通信制高校だとか。世の中の先入観や視線というものは強烈で、それでも自分の幸せのために生き抜いて乗り換えた人って本当に凄いと思う。通信制の高校に通うことを決めた花楓の決心も然り。

    冒頭のランドセルを背負った麻衣はエピローグの伏線。今回は麻衣か咲太、どちらの思春期症候群なのかな。

  • 長大なエピローグとプロローグなお話。
    妹の花楓の高校受験の話がメインになるのだけれど、それぞれの登場人物の日常が描かれている。
    ここまで読んできて、それぞれの登場人物たちに感情移入できているからこそ成り立つ一作。
    次巻以降、どういった状況に巻き込まれることになるのか、主人公たちはどうなっていくのか気になりました。

  • 花楓

  • 映画視聴済み。『おるすばん妹』のかえでも頑張ったけど、本巻の花楓も同じくらい頑張った。づっきーはいいキャラ。花楓の合否からの決断の流れはかっこいいね。映画だとストレートに表現されていたけれど、原作ではそこのところをぼかして、後日談のように種明かしされる演出も憎い。翔子ちゃんがパフェを食べる場面で前巻の回収して納得納得。「霧島透子」の名前でフックが撒かれていて、ラストでもそこに関して厄介な展開になりそうな予感。でもその前に、いつもの気になる終わり方からの『ランドセルガール』に行くしかない。

  • 麻衣の『ばーか』と『にやにやしないの』には読んでいるこちらもニヤニヤしてしまった。麻衣の「花楓ちゃん、違うからね!」に笑う。卯月が花楓にかけた真っ直ぐな言葉が心に沁みる(このタイミングでこれを言ってもらえたのは花楓にとって大きいだろう)。花楓がかえでの思いを受け止めつつ、もう一度自分の人生を歩み始める様子にじーんとくる。終盤の翔子との会話が今までのエピローグ的な雰囲気で切ない。翔子が元気そうで良かったが、このまま物語から退場してしまうのは寂しすぎるので再登場希望。霧島透子とは何者なのか。

  • 【2023/05/29・再読】麻衣は大学受験、そして咲太は麻衣と同じ大学を目指すため受験勉強を開始。と皆が未来に向けて動き出した今回は、『かえで』から託された想いを『花楓』が果たそうと頑張る姿が描かれます。ですが、それが彼女を縛る呪いのようなものにもなっているので、『花楓』が苦悩しながらも頑張ろうと足掻く姿に胸が締め付けられるような思いがしたし、だからこそ『かえで』であった自分を受けいられるようになる場面には、彼女の成長した姿に感激致しました。そして彼女を温かく見守る咲太や麻衣さんたちの姿にもグッとくるのです。涙無しには読めない今回でした。

  • 【こんなにも、今、君が悔しいのは勇気を出して踏み込んだ証拠】

    いつの間にか二年生の三学期を迎えた咲太は、妹の楓の大きな決断と未来へ踏み出す一歩を応援する物語。

    思春期症候群を患い、ろくに学校に通う事が出来なかった楓の切なる願い。それは、兄と同じ高校に通う事。無謀に見えるその願望もやれるだけやってみる事に意味がある。自分には無理だと諦めていたら何も掴めない。それから、咲太に教えを乞い、必死に勉学に勤しむ楓。同調圧力を強いる世界に無自覚に傷付られる現実。

    艱難辛苦の試験を乗り越え、悔しさを糧に更に楓は成長するのだ。

  • 青ブタシリーズ第8弾!
    今巻のヒロインは咲太君の妹である梓川花楓ちゃん
    今作では思春期症候群によるドタバタはなく、花楓ちゃんの進路、高校受験の物語
    兄と同じ高校へ行く
    間に合わないかもしれないけれど、着実に勉強して、外へ歩みを進めて
    でもそれは、もう1人の彼女「かえでちゃん」の願い
    花楓ちゃんは自分じゃない方がって凄く悩んだと思う
    けれど、頑張る姿を見たら私も花楓ちゃんがとても好き!
    彼女が葛藤しながらも自分で決断していく姿に頑張れって応援したくなってしまう!
    そんな彼女を支える咲太君も、本当に凄い
    どんなに大切な身内だとしても、ここまで支えてられることは本当に尊敬する
    素敵なお兄ちゃんすぎて……

  • 殿堂入り後に図鑑完成に向けてのんびりポケモン集めしてるというか心にゆとりを持って読むことができたという感じでした。
    咲太も大概だと思うんですが、花楓ちゃんの姿見てるとやっぱり応援したくなっちゃいます(*・ᴗ・*)و
    てか、思春期症候群はまだまだ続いてくんですね…

  • 今回は花楓にスポットを当てた巻。

    みんな違ってみんな良い、というのは尊重すべき考えだけど、それが必ずしも受け入れられるわけではないという現実も教えてくれる。
    その上でやっぱり周囲の理解って大事だよなぁと読んでいると思う。

    非常に興味深いのが、今回通信制高校の話が出てくるのだが、2021年になって一部オンライン授業として全日制高校でも同じようなカリキュラムが生まれている。
    オンライン授業にならざるを得なかった生徒たちが通信制について知ったらどのような印象を受けるのかちょっぴり気になった。

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著者プロフィール

1978年生まれ、神奈川県出身の作家。代表作は『さくら荘のペットな彼女』、『青春ブタ野郎』シリーズなど。

「2023年 『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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