迷える羊の森 ~フィトセラピスト花宮の不思議なカルテ~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 139
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049122824

作品紹介・あらすじ

犬や猫は人間の感情を察して寄り添ってくれるが、植物も同じ。植物にも感情や思考がある。そんな植物の力を知り抜いた男、花宮が主人をつとめる植物療法店には、今日も悩める人々がやってくる。
 両親の勧めでお見合いをした相手とこのまま結婚していいのか躊躇う女性、継母が産んだ妹を「いなくなればいいのに」と嫌う七歳の少年……。
 人生の岐路に立つ人々を、彩り豊かな香りを放つ植物が、正しい道へと導いてくれる。
 心を癒やす、不思議な《迷える羊の森》に、ようこそ。

感想・レビュー・書評

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  •  犬や猫は人間の感情を察して寄り添ってくれるが、植物も同じ。植物にも感情や思考がある。そんな植物の力を知り抜いた男、花宮が主人をつとめる植物療法店には、今日も悩める人々がやってくる。
     両親の勧めでお見合いをした相手とこのまま結婚していいのか躊躇う女性、継母が産んだ妹を「いなくなればいいのに」と嫌う七歳の少年……。
     人生の岐路に立つ人々を、彩り豊かな香りを放つ植物が、正しい道へと導いてくれる。
     心を癒やす、不思議な《迷える羊の森》に、ようこそ。

  • どのお話も、これから希望があるような締め方をしていました。最後の主人公の話がものすごくあっさり終わってしまったけど、しっかりと前を向けたようでよかったです。

    花宮さんの掴みどころのない感じ、人のことをしっかりと見ていて何もかも見透かしているような感じ、ふわふわとした雰囲気で優しい感じ…いろんな部分が見えるから、不思議で少し不気味な人だなと思いました。実は人間じゃないのかな? とか思いましたが、全然そんなことはなさそう…

    知らない植物が沢山あって調べながら読んでいました。ギンピー・ギンピーという、嘘みたいだけどものすごく危険な植物が存在していることにびっくりしました。

  • 面白かった!…からこそ、ラストの丈太郎のところをページ数を増やしてもっと丁寧に描いてもらいたかった!

  • ほっこり、面白かった

  • うむむむ…。いや、好きなかんじではあるんだけど。最初の旦那がクソ野郎すぎてしんどかった。

  • 21.05.10読了
    迷える羊たちが迷い込むフォレストなんちゃら。植物のちからをかりながらカウンセリング的なことをしちゃうお話。

    主人公は何気なく来た少年だったけれど、実はお客さん第1号で、抱えてるもの、立ち向かうもの、乗り越えるものがあった。それを最終的に向き合えたのは良かったかなと。
    個人的には母親のエピソードがよかった。きっとこういう親はいる。勘違いはしたくないなーとも思う。

  • 植物療法のお店のお話
    廃墟だと思っていた家の塀をイライラ解消のために蹴って壊したら、実はお店屋さんが引っ越してきてて、一緒に壊してしまった鉢植えの弁償のためにバイトをすることになった高校生の丈太郎くん
    店長の花宮は、なぜか人の嘘がわかるようで……

    有間さん、今回はファンタジー要素はないのね
    まぁ、雰囲気的には同じ系統なんだけどね


    店長さんの言う植物も五感を感じているというやつ、マジであながち間違いではなかったりするんじゃなかったっけ?
    まぁ、五感と表現すると語弊があるかもしれないけど、光刺激は当然として、音や匂いや痛み刺激に対して屈性があるしね


    作中には3篇のお話+エピローグ

    菫の花のイメージとしては、やはり儚いとか可憐とかってイメージかな
    でも、最後まで読むとわかるけど意外と…… なのねぇ

    ってか、親友の行動が納得いかねぇ
    結局はまぁ役に立ったんだろうけど、一般的にその行為はどうなのよ?と思う
    その辺がちょっともやもやする



    すずらんに毒があるのは知ってるぜぇ
    ヴァルキリープロファイルでもあったり、昔のミステリ小説だったらそれを使ったネタもあるだろうね



    時計草
    パッションは情熱ではなく受難
    病気がち怪我しがちな子供とお母さんの態度から、結構早めにアレだなぁと見当がつく
    そこまで決定的に手を下してはいないけど、呪いって実際にあるからなぁ



    すずらんの話もそうだけど、このお話の闇の部分は結構すぐに見当がつく
    要はそれをどうやって治療してあげるかが主題ってことかね

  • 人間の怖さというか醜さや弱い部分、それによって歪んでしまった人間関係などが見えてきて、少し怖くなりました。
    げに恐ろしきは人の心なり。
    一歩間違うと親子関係すら歪んでしまうのだなと。
    それを癒すのは植物と花宮のカウンセリング。
    最終的には丈太郎の悩みも解決することになりますが、主人公枠の彼の悩みの解決場面が案外あっさりしていたのには驚きました。
    恐らくは、他の人に対するカウンセリングを通じて、丈太郎自身も癒されて、最終的にはあのひと押しだけで済んだのだろうと思いますが、初読時はちょっと物足りなさも感じてしまったり。
    でも、丈太郎も一歩前に進むことができて本当によかった。
    尚、花宮が育てた花にはちょっと不思議な要素もあったり。
    もしかして花宮自身が魔法使いのようなファンタジー世界の住人なのかもしれないななんて、そんな想像もできる話でした。
    敢えて彼のことは詳しく述べられていないので、あくまで現実的な存在としても、魔法使い的存在としても読める余地がある塩梅が見事でした。

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著者プロフィール

有間カオル (ありま・かおる)
『太陽のあくび』で第16回電撃大賞メディ アワークス文庫賞を受賞しデビュー。
他に『 魔法使いのハーブティー 』、『 招き猫神社のテンテコ舞な日々 』( KADOKAWA )、 わすれな荘シリーズ ( 角川春樹事務所)、『気まぐれ食堂 神様がくれた休日 』( 東京創元社 )、『 青い花の下には秘密が埋まっている 四季島植物園の静かな事件簿 』(宝島社) など 。

「2022年 『氷住灯子教授と僕とYの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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