今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.74
  • (26)
  • (66)
  • (38)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 629
感想 : 60
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049126860

作品紹介・あらすじ

突然終わった結婚生活。バツイチか──と嘆く余裕もない私。職務経験もろくにないが、家事だけは好きだった。
そんな私に住み込み家政婦の仕事が舞い込む。相手は高名な小説家。そして整った顔立ちとは裏腹に、ものすごく気難しい人だった。行き場のない私と、ふれ合いを拒む小説家。最初はぎこちなかった関係も、家事が魔法のように変えていく。彼と心を通わせて行くうちに、いつしか──。
なにげない毎日が奇跡になる物語──本を閉じた後、爽やかな風を感じてください。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あなたは『家事』が好きでしょうか?

    掃除、洗濯、そして炊事という『家事』の三点セット。人によって好き嫌いというものはあるかと思います。私なら…そうですね、炊事、洗濯、掃除の順かなあ…。はい、私、さてさては『家事』は好きというより当たり前にやります。一人暮らしの○年間に散々やったので、結婚した今でも妻任せでは全くありません。読書にじっくりと浸るためにも『家事』の時間もとても大切です(笑)。

    ただ、『家事』はプロ任せという方もいらっしゃると思います。昨今『家事代行サービス』で検索すると数多の検索結果が表示されもします。単に面倒というより、プロの力で日常の『家事』の結果以上の成果をそこに見たい、そんな思いから『プロ』に依頼する方もいらっしゃるようです。どんな仕事にも『プロ』がいるように、『家事』の世界にだって、あなたを思わず唸らせるそんな『プロ』の存在があるのだと思います。

    さて、ここに父親から『家事の得意な女性を探している』人がいると聞いて、そんな人の元に『家政婦』として通うようになった一人の女性を描いた物語があります。『もうとっくに離婚してるのに、自分が離婚したって認めたくないんです』と、前に進むことのできない今を生きるその女性。この作品はそんな女性が『家政婦』として小説家の家で働く物語。そんな女性が『家事のプロ』という言葉に何かを感じる物語。そしてそれは、『家政婦』として生きる日々の中で、女性の人生が前に向かって動き出すのを見る物語です。
    
    『俺の荷物は、涼子が実家に帰っている間に引き払うから… あとのことは、弁護士と相談してやりとりしよう』、『第三者が聞いたら、浮気したのは私のほうだと勘違いする』ような言葉を残して夫が出ていき残されたのは主人公の平沢涼子。『バツイチのシングルマザー』と『ぼんやりと呟』く涼子は娘の美空(みく)を連れて実家へと戻ることにしました。場面は変わり、『行ってらっしゃい。お仕事、無理しないでくださいね』と『両親と同居中の義姉の柑菜(かんな)』を送り出した涼子は『これで、家の中に残っているのは両親と出戻りの私だけ』と『たちまち気が緩』みます。『私より二つ上の三十五歳。総合職のワーキングマザー』の柑菜のことを『素敵な人だが、一緒にいるとほんの少し緊張する』という涼子は『千葉の浦安から都内の実家に出戻ってから一ヶ月』が経ちました。そんな時、『お父さん、ちょっと話があるんですって』と母親に呼ばれた涼子は『一体、何を言われるのだろう』、『行き場のない娘と孫に、出ていけとまでは言わないよね?』と不安な心持ちで居間へと向かいます。『実はな、私の古い知り合いが家事の得意な女性を探しているんだよ』と『おもむろに話しはじめた』父親は、『年齢は確か五十代に入ったばかり』、『去年奥様を亡くされてね』と続けます。そして、気になる一言を付け加えます。『今まで三人の家政婦を雇ったらしいんだが、どの人も長くつづかなかったそうだ』。『少し、話が怪しくなってきた』と『セクハラまがいの冗談を飛ばすような面倒な中年親父』を思い浮かべる涼子。そんな涼子に『できれば住み込みで家政婦をと望まれていてね』、『小説家の先生だよ』と続けた父親に『ちょっと待ってよ』と思わず返す涼子。結局、両親の強い勧めもあって断れなくなった涼子は『とりあえず、会うだけ会ってみるけど』とその場を収めます。そんな話を娘の美空に話すと『面白そう!私も一緒に行きたい』と目を輝かせるも『ダメに決まってるでしょ』と返した涼子。そして、『面接の日』となり『緑道沿いに面した一軒家』、『山丘』という表札のかかった家へと訪れます。『よれよれのジャージ姿』で現れた男性に『平沢涼子です。本日はよろしくお願いいたします』と挨拶すると『あれは娘さん?』と返す山丘。涼子が振り返ると『平沢美空です。今日は母がお世話になります』とまさかの美空の姿がそこにありました。やむなく二人で部屋に上がらせてもらうと『仕事内容は、この家の事全般になる…』と条件を説明する山丘。美空の余計な一言もあって翌日お試しで働くことになった涼子。そして、翌日山丘の家へと出向いた涼子は台所に入って絶句します。そこには『巨大なゴミ捨て場と化した元台所』があったからです。『三人の家政婦が逃げ出した理由はおそらく…』と思う中、『胸の底に灯ったこの熱い炎は何だろう』と思う涼子。そんなところに現れた山丘は『大抵の人間は、この段階で匙を投げる。君も、帰りたいなら帰ってくれて構わない』と言い放ちます。しかし、『私の中の掃除欲が、ぎらぎらと、めらめらと』盛り上がる涼子は『帰りませんよ。むしろ、徹底的に掃除させていただきます』と告げました。『洗う、磨く、こする、落とす、干す、畳む。やってやる!』と思う涼子が山丘周三郎宅の『家政婦』として人生の新たな一歩を踏み出していく物語が描かれていきます。

    内容紹介に“突然終わった結婚生活。職務経験もろくにないが、家事だけは好きだった。 そんな私に住み込み家政婦の仕事が舞い込む。相手は高名な小説家。行き場のない私と、ふれ合いを拒む小説家。最初はぎこちなかった関係も、家事が魔法のように変えていく”とうたわれるこの作品。内容紹介にある通り『家政婦』となる主人公が活躍する物語です。”家庭における家事を補助・代行する職業”とされる『家政婦』という言葉を聞くと、古くは市原悦子さん主演「家政婦は見た!」、今だと松岡昌宏さん主演「家政夫のミタゾノ」などのTVドラマが思い起こされます。『家事』はその家庭のプライベートな部分に立ち入るものであり、表からは窺い知れないその家庭の深部が見えてくる…というところからそこにドラマが…というのがこれらのTVドラマの感覚だと思いますが、一方で成田さんの作品は少し立ち位置が異なります。そこに描かれるのは、『家事しかできない』という言葉への切り込み、依頼主との繋がり、そして主人公・涼子の再出発の人生を描いていく、そこにこの作品の魅力があります。一つずつ見ていきましょう。

    まず一つ目ですが、この作品では『家政婦』として働く涼子の『家事のプロ』としての姿が描かれていきます。そんな中から『浴室』掃除をする涼子のお手なみを拝見しましょう。

    『まずはざっと汚れを洗い流さなくちゃ』という涼子は、『浴室用の洗剤ではなく、最初は敢えてボディソープ』を使います。『お風呂の汚れは大抵が皮脂汚れや水カビだから、特別な洗剤でなくとも、ボディソープが十分に役割を果たしてくれる』というその理由。『シャッシャッと小気味よくブラシを前後させながら、切石を敷き詰めた立派な床から赤カビを駆除していく』涼子は『そう頑固な汚れでもないから、すいすいと元の状態に戻せるのが快感だ』と感じます。そして、次は『問題は、水道のミネラル分がこびりついた白カスや、黒カビである』と『用意したクエン酸スプレーを黙々と噴射して、しばし放置』している間に『見事な鱗に覆われてほとんど何も見えなくなっている鏡を見て』『あんたの命も今日までだからね』と『胸の内がかっかと燃えてき』ます。

    このような感じで、掃除に洗濯に、そして炊事にとさまざまな知恵を活かしながら取り組んでいく涼子の姿は、『ゴミ屋敷』のようだった山丘の家が綺麗になっていく姿が読者の脳裏にもはっきりと浮かび上がってくる分、とても爽快な気分が味わえます。家事のさまざまな知恵を見せてくれるこの作品の魅力の一つだと思いました。

    次に二つ目は依頼主との繋がりを描くところです。依頼主である山丘は小説家を本業としています。『若者達の日常を巧みに描いた「日輪」で当時最年少で芥河賞(笑)を受賞』したという大御所作家の山丘。しかし、『ここ二年ほどは作品を発表しておらず、ファンの間では様々な憶測が飛び交っている』という状況にありました。『家政婦』という仕事柄、そんな山丘に隠された真実が見えてくる中に山丘との関係性も変化を余儀なくされていく涼子の姿が描かれていくことで小説家の内情が垣間見えもします。小説家が主人公となる作品は多々ありますが、この作品のように小説家をお世話する主人公という関係性の物語は珍しいと思います。あまり本を読まないという涼子は、山丘の出版社の社員である川谷にさまざまな質問をします。

    『小説家というのは、本を一冊出すだけではなく、連載というのもしているんですか』

    という質問に、

    『作家として知名度のある先生方にほとんど限られていますが、文芸誌というのがありまして、小説を連載しているんですよ。一部の熱心なファンしか読みませんし、我々出版社としても決して採算を求めやすい出版物ではないのですが ー 何しろ、連載させないと書かないという先生方も多くて』

    そんな風に答える川谷は、『連載すると、毎月原稿料が入るんです。定期的な収入というのは、小説家に拘らず、フリーで働く方には大切な収入源』と補足します。なるほど。小説を読んでいると、”文芸誌○○に連載していたものを単行本として刊行”、と巻末に記されている作品を時々見かけます。私自身は文芸誌を読んだことは一度もないですが、そういう裏事情があるようです。そして、涼子は、小説家・山丘と『家政婦』という関係性の中でそのあり方を模索していきます。『文字だけで世界をこんなにも鮮やかに紡ぎ出せるのか』と山丘の存在を見る中に『先生は、どういう空間が心地いいのだろう』と考えていく涼子は『最初の頃はなんて気難しい人だろうと思っ』ていたのが、『空の色と同じように、気がつくと先生の印象もまた移り変わって』いると変化していきます。

    そして、最後三つ目として、そんな涼子の再出発の人生が描かれていきます。冒頭に『バツイチのシングルマザー』と自らの未来を思い、『家事しかできない、駄目な人間。今の時代には適合しない』と自らのことを認識する涼子は、『総合職のワーキングマザー』でもある義姉の柑菜との関係もあり、実家に居場所を無くしてもいきます。そんな中に涼子は気づきの瞬間を得ます。

    『掃除がきらいだという人もいるし、ましてや鏡の鱗状汚れ落としなど苦行に感じる人が殆どだろうが、あれは私にとっては登山のようなものなのだ』と思う涼子は、『山頂からの絶景を眺める瞬間』と、『元の輝きを取り戻した鏡を眺める瞬間』は、『きっと同じくらいのアドレナリンを放出するのだ』と思います。

    人が何に夢中になるかは人それぞれです。新たな事業を起こして未知なる世界に自ら飛び込んでいくことを喜びとする方もいるでしょう。会社勤めであってもさまざまなプロジェクトを企画し、会社組織を動かしていくことに喜びを見出す方もいるかもしれません。その一方でこの世の仕事というのは多種多彩です。人々が手を出したがらない部分、違うことに夢中になるが故に疎かになってしまう身近な事ごと、そんな事ごとを鮮やかにやってのける『家事のプロ』。そのような存在は『家事しかできない』のではないのだと思います。『家事のプロ』として、その能力を如何なく発揮していく涼子の姿が描かれたこの作品。そこには、『家政婦』の”お仕事小説”を見る物語が描かれていました。

    ”家事は、誰にでもできることかもしれないけれど、決して万人に向いているわけではない。当然、そのレベルにもかなりばらつきが出てくる”

    そんな風に語られる成田名璃子さんの描く物語には、『家事のプロ』として新たな人生をスタートした主人公・涼子の歓喜と苦悩の日常が描かれていました。さまざまな『家事のプロ』の技の数々に、なるほど!と参考になる記述盛りだくさんのこの作品。猫のコヨーテの存在が物語に柔らかい雰囲気感を終始醸し出すこの作品。

    『家政婦』を主人公とした物語の中に、人が抱える苦悩と、それを乗り越えようとする人の力強さを感じた、そんな作品でした。

    • 村上マシュマロさん
      さてさてさん、私の拙いコメントに丁重なご返信をありがとうございます。感激しております。
      少しでも読書時間を作ることを改めて感じています。
      あ...
      さてさてさん、私の拙いコメントに丁重なご返信をありがとうございます。感激しております。
      少しでも読書時間を作ることを改めて感じています。
      ありがとうございますm(__)m
      2023/02/24
    • さてさてさん
      村上マシュマロさん、
      こちらこそよろしくお願いします。
      頑張ってレビューしていきたいと思います。
      村上マシュマロさん、
      こちらこそよろしくお願いします。
      頑張ってレビューしていきたいと思います。
      2023/02/24
    • 村上マシュマロさん
      さてさてさん、こちらこそどうぞよろしくお願い致します。レビュー楽しく拝読させて頂きます。
      さてさてさん、こちらこそどうぞよろしくお願い致します。レビュー楽しく拝読させて頂きます。
      2023/02/24
  • こちらはさてさてさんのレビューに惹かれてのチョイス。

    夫の不倫が原因で離婚し一人娘を連れて実家に帰ったものの、父母に兄の家族も住むそこにも居場所はなく、舞い込んだ家政婦の仕事に向かったところ…というところから始まる物語。
    仕事の経験はほとんどないが家事だけは好きという主人公・涼子さんの掃除欲というか主婦魂に感心する。
    相手が気難しい作家先生であろうと汚れたものや散らかった部屋を見るときれいにしないと気が済まないし、何度「出ていけ!」と怒鳴られても懲りずに掃除洗濯炊事に勤しむし。詳細に記される掃除や炊事の手際の良さがお見事。
    私はこの手のことについては配偶者におんぶに抱っこなので本当にすごいと思うのだが、旦那からは貶められ兄嫁からは蔑まれてきた主人公の自己肯定感は低く、とても不憫。
    そんな彼女が家政婦の仕事を通じて、また“素直じゃない”作家先生やちょっと暑苦しいが涙もろい編集者との触れ合いを通じて、自己の人生を見直し歩みを進めていこうとする姿に、しんみりしたりほっこりしたり。
    最後になってちょっと忙しく、あまりにうまく行き過ぎたようには思うが、全体的にはとても良い心持ちで読めた。

    作者のあとがきで、自分の心の持ちようについて書かれていた言葉も良かった。(フレーズに登録)

    • さてさてさん
      ニセ人事課長さん、こんにちは!
      起点となれて光栄です。家政婦というところに光が当たるのがとても興味深い作品ですよね。プロのお手なみも見れま...
      ニセ人事課長さん、こんにちは!
      起点となれて光栄です。家政婦というところに光が当たるのがとても興味深い作品ですよね。プロのお手なみも見れますし、ほっこりとした優しい物語だと思いました。おっしゃる通り少し出来すぎ感はありますが、スッキリと上手くまとまっているようにも思いました。家事というものも考え方次第でとても楽しい時間にできるような気もします。まあ、面倒ではありますが(笑)。
      ニセ人事課長さん、私の倍以上のレビュー数でいらして、本棚が圧巻です。私も1,000レビューが取り敢えずの目標だと思っています。
      どうぞよろしくお願いします。
      2023/05/09
    • ニセ人事課長さん
      さてさてさん

      こんばんは。コメントありがとうございます。
      さてさてさんのしっかりたっぷり書かれたレビューにはいつも感心して読まさせていただ...
      さてさてさん

      こんばんは。コメントありがとうございます。
      さてさてさんのしっかりたっぷり書かれたレビューにはいつも感心して読まさせていただいています。
      これからも楽しみに待たせていただきますね。

      今回は良い本に会わせていただきましたが、私、家事はレビューに書いた通りなので、この後、この本を読む配偶者がどのような感情を持つのか、ちょっと心配ではあります…。
      2023/05/09
  • 家事しかできない無能な女だと夫に思われ、キャリアウーマンと浮気された挙句に離婚し、娘を連れて実家に出戻る涼子。
    実家でもバリバリ働く兄嫁には、邪魔なようで肩身の狭い思いをする中、父の伝手で小説家の家政婦として働くことに。

    そこは、とんでもないゴミの山で、おまけに無愛想な小説家。
    お互いに上手くいかずにぎこちなかった関係が、娘をあいだにいつしかお互いにわかり合えるほどになり、家事しかできないと思っていたが、それをいかして家事レッスンをしたり本を出すまでになる。

    何気ない毎日が、奇跡になる物語であり、清々しく爽やかな風を感じられた。


    家事とは、手を抜けばいくらでも抜けるし、突き詰めれば際限なく湧いてくる仕事でもある。
    できれば、したくないと誰もが思うのではないだろうか?(いや、わたしだけか…。)
    それでも不健康にはならない程度の家事はやっているつもりだが、年々億劫になってきている。
    部屋を綺麗に整えることにより、気持ちも浄化されるのはよくわかる。
    ちょっと真似て隅々まで掃除をしてみようか…。

  • いろいろ無くした主人公が、自分を取り戻していく物語。生きることは思い通りに行かない事だらけだけど、新たな出会いがまた新しい道を開くことになるのだと思いながら読みました。今、無性に掃除がしたいです。

  • 生きている間は、生きる・活きることが大事だと思う
    家事をやるのは活きること。生きていくために、生きることを支えるために必要なこと
    まぁ手間だと思っちゃうとなかなかできないよね…w
    あとがきが本文とちょっとノリが違くて、でもなんかすきだなと思ったのでした

  • 男は絶対読むべきですね。特に結婚してる男…そして家事をやらない方は特に…
    家事の大切さを実感できる本です。家事をするのが当たり前。生活するためにやらなければならない。
    共働きの夫婦また専業主婦の方々にもとっても良い刺激になる物語です。
    私はこの本に出会えてよかったです。共働きで3児の父親ですが、家事は毎日してますが、この本のお陰で家事の考え方が変わりました。家事をさらに楽しくやれそうです。本当にありがとうございます。

  • モラハラクズ浮気元旦那!ひー!となるくらいのクズですな。

    しかしここまで極めるとそれだけで強みですよね。続編もあるようなので楽しみです。

  • 不倫した夫から離婚をされ娘を抱えて実家にも居場所がない主人公が同じく辛い過去を抱えた偏屈な小説家の先生の家で住み込みの家事をします。自己肯定感が低い主人公が先生、娘、編集者などに支えながらの素敵な再生物語でした。

  • p270「みんなの家事」
    男女を超えて、家事をするすべての人に対する応援歌。暮らすための補助行為じゃなく、あなたが自分や家族のためにできる特別なこと。それって人生そのものなんですよ。

    専業主婦で自分に自信がない凉子がバツイチになり、家政婦となり今までの家事スキルのおかげで自信を持ち始める。
    読むとお掃除やる気スイッチが入り、丁寧に家事をしたくなる。

  • 家事は生きることの本番
    自分や家族のためにできる特別なこと、人生そのもの

全60件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1975年青森県生まれ。東京外国語大学卒業。『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し作家デビュー。シリーズに『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』がある。著書に『ベンチウォーマーズ』『ハレのヒ食堂の朝ごはん』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『世はすべて美しい織物』『時かけラジオ 鎌倉なみおとFMの奇跡』『いつかみんなGを殺す』などがある。

「2023年 『月はまた昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

成田名璃子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
恩田 陸
名取 佐和子
坂木司
瀬尾 まいこ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×