時は黙して語らない 古文書解読師・綱手正陽の考察 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049129601

作品紹介・あらすじ

古文書に傾倒し、周囲から《解読師》と呼ばれる歴史学専修の院生・綱手。研究室で見つかった古文書の返却を任じられた綱手は、瀬戸内海の小さな島を訪れる。同行者のトラブルメーカー・相馬に振り回されつつ返却を済ませた綱手だが、連続殺人事件に遭遇してしまい……。
 島に伝わる『白妙姫伝説』を模した殺人、白妙姫の生まれ変わりと信奉される少女、内容が欠けた謎の手記――。
 綱手は古文書を読み解き、歴史の陰に隠された真実に光を当てる。
 物憂げな《解読師》が紡ぐ、古文書ミステリ!

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  •  古文書に傾倒し、周囲から《解読師》と呼ばれる歴史学専修の院生・綱手。研究室で見つかった古文書の返却を任じられた綱手は、瀬戸内海の小さな島を訪れる。同行者のトラブルメーカー・相馬に振り回されつつ返却を済ませた綱手だが、連続殺人事件に遭遇してしまい……。
     島に伝わる『白妙姫伝説』を模した殺人、白妙姫の生まれ変わりと信奉される少女、内容が欠けた謎の手記――。
     綱手は古文書を読み解き、歴史の陰に隠された真実に光を当てる。
     物憂げな《解読師》が紡ぐ、古文書ミステリ!

  • 掃除の最中に見つかった、返却忘れの古文書を返すため
    訪れた先での殺人。

    小島での殺人なので、定番のように疑われてます。
    何も起こらないのは、有権者(?)の所に
    客として訪れているからでしょうか?

    主人公はほぼ静で、同行している友人が動なので
    色々と動いて何かつかんで…という感じです。
    読みやすかったですが、最後何だか取ってつけた感が
    なくてもよかったのでは? な気がします。

  • 瀬戸内海の孤島で起こる連続殺人事件ということで、慣れ親しんだ雰囲気と(瀬戸内在住)どことなく横溝正史な雰囲気を味わいつつも、それでいて新鮮味のある話でありました。
    古文書の解読師が主人公という点がユニークというのもそうだけど、彼自身が「探偵役」ではないというところ。
    殺人事件自体は、彼の親友(悪友とも言えるか)が粗方解いてしまうので、主人公は直接犯人やトリックを解き明かしはしない。
    彼が解き明かすのは、古文書から得られる情報、そして事件のもっと根深い部分。
    歴史的背景だったり、精神面のことだったり、ただ事件を解決するだけの探偵が恐らくは積極的にフォローしない部分を彼が解き明かしていく。
    そういう面が非常に新鮮でした。
    だから、彼の親友が事件を解きだした時は「え、お前が探偵するんかい!」と思わずツッコミを入れてしまうほど。
    主人公は性格が非常にネガティブだから、そもそも自ら事件に首を突っ込んでいかない。
    そういう意味では、何にでも首を突っ込むトラブルメーカーな親友とバディ組んでいるというのはバランスが取れていました。
    それでいて、最終的には色々な人たちたらしこんでますからね、主人公。
    主人公が古文書から読み解いてくれたからこそ、希望の持てるラストにもなっていますし。
    本当になかなかユニークな主人公で立ち位置でした。
    白妙姫の伝説の話自体も瀬戸内感満載で興味深かったです。
    (フィクションな歴史とは言え)歴史もミステリも味わえる贅沢な作品でありました。

  • ただただ古文書を読み解くと言う設定に惹かれ手にとる。

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著者プロフィール

第24回電撃小説大賞にて〈メディアワークス文庫賞〉を受賞し、『吉原百菓ひとくちの夢』でデビュー。

「2021年 『小料理屋「春霞亭」 かりそめ夫婦の縁起めし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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