- Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
- / ISBN・EAN: 9784049135848
作品紹介・あらすじ
「春は――無事、此処に、います」
世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた――。
いま一人の少女神が胸に使命感を抱き、立ち上がろうとしている。四季の神より賜った季節は『春』。母より授かりし名は「雛菊」。十年前消えたこの国の春だ。雛菊は苦難を乗り越え現人神として復帰した。我が身を拐かし長きに亘り屈辱を与えた者達と戦うべく従者の少女と共に歩き出す。彼女の心の奥底には、神話の如く、冬への恋慕が存在していた。
暁 佳奈が贈る、季節を世に顕現する役割を持つ現人神達の物語。此処に開幕。
感想・レビュー・書評
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切ないけど愛しい物語。
春夏秋冬の世界観に引き込まれました。
季節の描写も素敵でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読みやすく、設定が面白いが春の舞上下巻の上は、プロローグ的というか、人物紹介予備知識で、物語の始まる前の予習のような感じがする。が、面白い。個人的に基本、スタッツだけの攻略本とか無心に読めるタイプなので、問題ない。
春夏秋冬代行者世界は、季節を現人神が顕現させるという形態をとっている、いわゆる人間で季節をコントロールしている世界。10年前に”春”がテロリストに誘拐されたことにより、10年間春のない状態だったのが、春自力帰還し、国に春が戻ってきた、というところから物語はスタート。春だけでなく、各季節の代行者(季節を降ろす現人神)やら、能力やらが語られる。夏がええねぇ。で、春が戻ってきて、世界の季節がもどるかと思いきや、ラストにまたもや誘拐事件という。これは、テロリストと季節代行者たちのバトル小説なのでは。わくわくします。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの作者なので、美しくも悲しめの話になるんかな、と思いながら読み始めた。そういえばヴァイオレットエヴァーガーデンもまだログにしてないでしたな。
すぐに下巻へ -
ヴァイオレット・エヴァーガーデンで号泣したので、作者買いした今作。
やっぱり感情を揺さぶられた。
想像以上の純粋さと美しさ、依存的といえる程の強い愛に溢れた物語だった。
四季を顕現する現人神や彼らを護衛する従者達との関係性に、何度泣かされたことか。
苦い過去と重い役目を背負った人間しか出てこないけれど、あっという間に引き込まれて一瞬で読み終えた。
すぐに下巻も読もう。 -
日本のようなところが舞台で、春夏秋冬の季節変わりに、季節の能力者(血統に一人出る)の力が必要な世界。タイトル通り最初の上下は春の神のことが話の中心になります。少しずつ世界が明らかになり、神の力を持った者たちの苦悩や、その能力行使方法に反対などする組織との争いなどが描かれました。表現は、ヴァイオレットの時より深み出たように思いました。挿絵と本文の相性がとても良かったです。下巻も楽しみです。
来月号のララでマンガ連載が始まるようなので、そちらも期待大です。 -
ヴァイオレット・エヴァーガーデンも好きな作品ですが、こちらもとても素敵な作品!!
春 夏 秋 冬
季節をめぐり、季節を呼ぶ代行者と呼ばれる者たちの物語
四季は勝手に巡るものと思っていたから、四季の代行者と呼ばれる者たちが四季を運んでくる世界観にあっという間に引き込まれてしまった
季節は優しく、そして苦しい苦悩とともに訪れている
代行者として選ばれた者たちに拒否権はなく、義務としてそれぞれの季節を呼び起こす
普通の人生を歩むことなどできず、時に命を狙われる
そして悲しく辛い過去があり、それでも使命を果たさなければならない
当たり前に来ると思っていた季節
それが来ないとは、一体どのような感じなのであろうか
めぐり巡る季節に、感謝を伝えたくなる
上巻の終わりから、気になってしょうがない
下巻ではどんな四季の物語が待っているのだろうか -
暁佳奈先生の繊細な文章表現で心が洗われました。
表紙が美しく惹きつけられて手に取りました。四季の誕生、季節を世に顕現する四季の代行者など世界観にも引き込まれます。四季の代行者それぞれが抱える孤独に切なさを感じました。誘拐されていた春の代行者が帰ってきたところから物語が始まったため、どのような物語になるのか考えながら読み進め、読み終わった後下巻を早く読もうと思いました。 -
もう序盤から好き。私の好みで溢れてる。どうやって生きてたら、こんな凄い文章を書けるんだろう。
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涙無しに読めなかった。ひとつひとつの表現が、綺麗。雛菊とさくらが、幸せになれる世界が早く訪れます様に。