- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784049139440
作品紹介・あらすじ
「汝の名は『夏』、春に続く者」――
かつて、神々たる四季は、人間の一部にその力を与えた。春、夏、秋、冬。それぞれの季節を顕現する者は“四季の代行者”と呼ばれ、権能を得た彼彼女らは、人の身でありながら季節そのもの、つまり、現人神となった。
時に黎明二十年、大海原に浮かぶ島国『大和』は激震に見舞われる。春の少女神、花葉雛菊の十年ぶりの帰還。過激派【華歳】による夏、秋への襲撃。そして、過去に類を見ない春夏秋冬の共同戦線。
数多の困難を経て、勝利を収めた四季陣営だったが、ここで一つの問題が起きる。夏の代行者、葉桜姉妹が史上初の「双子神」となってしまったのだ。これは吉兆か、あるいは、凶兆か。季節は夏。いま再び、代行者たちの物語が幕を上げる。
感想・レビュー・書評
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面白かった。上下、揃えてから読み始めたが、なるほど装丁は下巻の最後の最後で、ああ、これかいっって嬉しくなる仕掛けになっている。春の舞と同じく、上巻がなかなかにゆっくりしたペース。今回の敵は外部ではなく、内部の派閥争いというか、旧弊で独占的な権力者との戦い。まあ、色々と深いところが多くて、とても考えさせられる。四季の神様と護衛の8人にプラス、黄昏の射手と守り人がいい感じで絡む。メインは黄昏の射手と夏の双子。双子の婚約者がこれまたとても良い。瑠璃の相方は推せる。凍蝶がめんどくさい(笑)
なかなか現人神様たちの普通な面が多めで、権能とのギャップが良い。 -
【宿命付けられた運命だとしても一度くらい自由に生きてみたい】
数多の困難を乗り越えた四季代行者だったが、葉桜姉妹が双子神になる事で世界は吉兆と凶兆とで揺れる物語。
世界は誰かの献身で成り立っている。
朝も夜も社会の歯車となって円滑な積み重ねをする。
しかし、その献身は誰かの光にもなるし、刃にもなる。
妹が神になったせいで、定められた因果に葛藤するあやめ。
神様になったからには身命を賭して世界に献身せねばならぬ。
役に立たない代行者は挿げ替えされる。
宿命付けられた運命に反撃すべく双子は身勝手な悪意と陰謀に立ち向かうのだ。 -
相変わらず残酷な運命を背負わせる。
今回の主人公は夏の代行者。
双子姉妹とそれぞれの婚約者のうち、関係性や背景が上巻で見えてるのは姉のあやめ。
なかなかに既に切ないのに、残酷なことが2人を襲う。
新しい神の代行者の黄昏と暁、の設定も興味深い。
裏の主役はさくらと凍蝶か。凍蝶の心のひび割れに大注目です。
下巻を読めるのは年明けになるかなぁ。。。
2022.12.4
193
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夏の二人の過去や、婚約に至るまでの経緯、相手のことなどは語られるが、春の舞の続きとなっていた。驚いたのは、現人神がもう二人出てきたこと。季節だけでなく、昼と夜を招く神もいた。しかも、夜を招く神である巫覡輝矢(ふげきかぐや)は第二章で登場し、夏の舞の展開の中心となっている。
春で分かったように、現人神たちの生命や立場は一部の者に狙われており、里や国組織との関係も盤石ではない。その不安定要素が噴出して季節の神達がどうなってしまうの!?…続く、でした。
輝矢様の登場シーンがついていけずに(多分キャパオーバー)読むペースが落ちてしまいましたが、与えられた独特で濃厚な世界観は夏も変わらず。とても良かったです。 -
視点が切り替わっていくので、いろんな目線から登場人物の心情や言動が感じ取れ、物語に様々な彩りと深みを引き出していて面白かった。
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四季の代行者とその護衛官に加え、夜を司る者も登場する。
美しい世界観に没頭しながらも時折胸が苦しくなる。
読み進めるほどに、心に傷を受けた者や悲しい出来事が増えていく。
本来ならば楽しいはずの場面ですら、そこに至るまでの過程を思うと泣きたくなる。
上巻は暗澹たる展開の連続だった。
だから下巻では救われることを祈ろう。 -
前作が楽しめた人なら間違いなく楽しめる。
春の舞では物足りなかった主従以外のキャラの絡みがかなり補完されていてよかった。夏の双子とそれぞれの婚約者との関係もよかった。
話は陰で暗躍する新キャラも出てきて長期シリーズを視野に入れている感じがしました。伏竜童子関連がどうなるかは楽しみです。 -
双子好きにはたまらない!
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つ、辛い(T-T)胸をグリグリとえぐられているような…(--;)特に白黒反転ページは心に負担がかかる(>_<")夏の代行者姉妹がこんな事になっているなんて…(゚A゚;)そして他の代行者達にも危険が…(・・;)っていうか、みんな!もっと代行者達を敬えよ( ;゚皿゚)ノシ