異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 嗜虐の拷問官 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049140910

作品紹介・あらすじ

ついに本庁捜査一課に異動となった莉花は、念願であった殺人犯捜査第四係の仙波班に配属される。だが、功名心にはやる規則破りの刑事という悪評は拭えず、ここでも孤立していた。
そんな中、都内で異様な死体が発見される。それは車により執拗に手足だけを轢き潰されていた。被害者が半グレの構成員だったことから、内部抗争による私刑と見られた。
だが天才的な犯罪心理学者・阿良谷の助言は違った。目に釘を刺す別の殺人事件を挙げ、同一犯による快楽殺人だと指摘する。
殺害方法に共通項がない快楽殺人者。この不可解なプロファイルは、後に始まる恐怖の深淵への序章だった!


登場人物
氷膳莉花(ひぜん りか)
警視庁捜査一課の新米刑事。どんなことにも動じないため、付いたあだ名は「雪女」。事件解決のためにとった過去の問題行動により、同僚からは疎まれている。

阿良谷静(あらや しずか)
未決死刑囚。若くして名を成した天才的な犯罪心理学者であったが、一方で数々の犯罪を計画。その頭にはあらゆる事件のデータが収まっているとされる。

仙波和馬(せんば かずま)
警視庁捜査一課の警部補。殺人犯捜査第四係、仙波班を率いる。数々の現場を踏んだ百戦錬磨の猛者。莉花とは過去の事件解決の際に縁があり、気にかけている。

尚澄将生(なおすみ まさき)
警視庁警務部人事一課監察係の監察官。いわゆるキャリアで、若くして警視の階級に就いている切れ者。莉花に興味を抱き、内部監査の協力を持ちかける。

宝田久徳(たからだ ひさのり)
阿良谷の弁護士。見た目はエリート然とした好青年だが、ひょうひょうとして腹の底が見えない人物。阿良谷と莉花の間を取り持つ連絡係を務める。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第三弾。今回の犯人は拷問の末、殺人を犯した快楽殺人者。犯人は意外、この犯人が半グレの男を殺せたんだろうか?それよりも、氷膳の記憶が戻ったのか?そっちの続きが早く読みたい。

  • 拷問の記載はまともに読めませんでしたし、、、、全く予想できない動機に、白けてしまいました。異常心理、と括ってしまえばそれまでですが。

  • シリーズ3作目。
    ついに奥多摩署から捜査一課に異動になった莉花。
    仙波班に配属され、早速都内で起きた拷問のようなスタイルで殺害された事件の捜査に当たることになる。
    同時に監察官から、呼び出された莉花は配属先での情報漏洩の内部調査を命じられる。
    前代未聞の殺害方法、新たな仲間への疑惑に戸惑う莉花。
    そんな時、珍しく死刑囚である阿良谷から呼び出され、事件についてヒントを与えられる。
    全然犯人像が見えない事件なのに、阿良谷が登場するだけで、突然事件が動くのが少しご都合主義に思える。
    これだけの残虐な事件なのに、捜査自体の描写は少なく、相変わらずの莉花の単独プレイが目立つだけなのが勿体ない。
    3作で終わると思って、読み始めたが、どうにも納得の行かない終わり方でまだ続くと思われる。
    前作のような同僚の陰湿さはないので、次作も同じメンバーで描かれると思うが、もう少し捜査の場面を丁寧に描いてもいいのかもしれない。
    「羊たちの沈黙」のオマージュとしても、警察小説として、もう少し読まる内容でもいい気がする。

  • 久住四季『異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 嗜虐の拷問官』メディアワークス文庫。

    シリーズ第3弾。今回も前2作と同様、トマス・ハリスの『羊たちの沈黙』と同じようなパターンでストーリーは展開する。著者はこのパターンを崩さないようだ。最初は二番煎じではないかと思ったのだが、読み始めると非常に面白い。

    『羊たちの沈黙』と類似点を整理すれば、①多くの謎に満ちた猟奇的な快楽殺人事件が発生、②過去のトラウマを抱える新人女性捜査官が事件の捜査にあたるが捜査に行き詰まる、③新人女性捜査官は刑務所に収監されている重大犯罪者の博士と取引して助言を求める、④猟奇的な快楽殺人事件は無事解決するが……の4点である。

    今回はこれに⑤新人女性捜査官に内部監査の協力の密命とその見返りという要素が加わり、さらに面白さが増す。

    しかし、突然、湧いて出て来たような真犯人は頂けないな。そして、思わせ振りな結末。氷膳莉花の両親を殺害したのは……

    奥多摩署から警視庁捜査一課に異動となった氷膳莉花は念願であった殺人犯捜査第四係に配属される。どんなことにも動じないことから『雪女』と呼ばれ、服務規程違反の前科を持つ氷膳莉花は孤立しながらも、捜査で結果を出そうとする。

    そんな中、都内で半グレ集団の構成員が手足を縛られた上に車で何度も手足を轢き潰され、溺死させられる事件が起きる。半グレ集団の内部抗争と思われた事件だが、天才的な犯罪心理学者で未決死刑囚の阿良谷静は快楽殺人者による犯行と断言する。

    事件捜査に没頭する氷膳だったが、突然、警視庁警務部人事一課監察係の監察官である尚澄将生が接触し、警視庁捜査一課の情報漏洩に関する内部監査の協力を持ちかける。

    やがて、第2、第3の殺人事件が発覚し、被疑者の正体も見えて来るのだが……

    メディアワークス文庫というとラノベチックな感じで、自分のようなオジさんは敬遠しがちになるのだが、このシリーズは普通に角川文庫から刊行されてもおかしくはないのに勿体無い。

    本体価格670円
    ★★★★

    • エリエールさん
      こんばんは。初めてコメントします。
      自分もこの小説はメディアワークスで発行されたの少し勿体ないなと思いました。メディアワークスはどこかほんわ...
      こんばんは。初めてコメントします。
      自分もこの小説はメディアワークスで発行されたの少し勿体ないなと思いました。メディアワークスはどこかほんわかしたお話が多いですから。角川文庫として出発されていたならもう少し猟奇的な描写や事件に突っ込んで書かれていたのかな…と思うとちょっと残念だなと感じました。
      2024/02/12
    • ことぶきジローさん
      エリエールさん。やはりそう思いますか。角川文庫か角川ホラー文庫でも良かったかも知れませんね。
      エリエールさん。やはりそう思いますか。角川文庫か角川ホラー文庫でも良かったかも知れませんね。
      2024/02/13
    • エリエールさん
      ですね!題材はとても良いし、描写の書き方も問題ないのでどちらからから出版され、もう少し内容が濃ければ…と思いますね。
      本棚いいね&フォローあ...
      ですね!題材はとても良いし、描写の書き方も問題ないのでどちらからから出版され、もう少し内容が濃ければ…と思いますね。
      本棚いいね&フォローありがとうございます!
      登録被っているのが多く、本を買う時にべき参考にさせて貰います(*^^*)
      2024/02/13
  • 完璧にジャケ買いならぬタイトル買いです
    ジャケ買いなら買わない表紙です
    シリーズものらしいですが前作は読んでいません
    見たところシリーズの前作は寒色系で少々惹かれるのに確かに中に火は関係しますがどうも私好みのセンスではないです
    内容も、レクター博士とクラリスの関係のようでそこまで濃密ではない表面的なものを感じます
    さらっと過去のシリーズ前作の過去の話しを繰り返すのも文字数稼ぎのようでいただけない気がします
    薄いのでサクッと読むには良いかもしれませんが、私がシリーズを遡って読むかは…

  • +++
    人気シリーズ! 拷問は至高の刑罰だ──快楽殺人者“拷問官”を追え!

    ついに本庁捜査一課に異動となった莉花は、念願であった殺人犯捜査第四係の仙波班に配属される。だが、功名心にはやる規則破りの刑事という悪評は拭えず、ここでも孤立していた。
    そんな中、都内で異様な死体が発見される。それは車により執拗に手足だけを轢き潰されていた。被害者が半グレの構成員だったことから、内部抗争による私刑と見られた。
    だが天才的な犯罪心理学者・阿良谷の助言は違った。目に釘を刺す別の殺人事件を挙げ、同一犯による快楽殺人だと指摘する。
    殺害方法に共通項がない快楽殺人者。この不可解なプロファイルは、後に始まる恐怖の深淵への序章だった!
    +++

    拷問の描写は、思わず目をそむけたくなるが、犯罪の異常性により目を向けることとなる。警視庁捜査一課に移動になった氷膳莉花は、相変わらずつきまとう悪評もあって、仙波班のほかの刑事たちになかなか馴染めないでいるせいもあり、またまた単独捜査に出てしまう。それはもちろん、収監中の阿良谷博士のアドバイスのせいでもあるのだが、それを明かすわけにはいかない。さらには、監察官から密命を受け、班の仲間を監視することにもなり、もやもやを抱えたままで捜査に当たることになる。一歩間違えば、命を失うことにもなるような単独捜査はいただけない気はするが、仲間たちには一応受け入れられたので、よしとする。だが、ラストで阿良谷博士の二審の公判開始が決まり、接見が叶わなくなる。彼のアドバイスがないままで、莉花はこれからどうするのか、一抹の不安が立ちこめる一冊でもあった。

  • レクター博士がどうなるか
    レクターではないが
    それも楽しみ
    次あるのかな

  • 12月-08。3.0点。
    氷膳莉花シリーズ、第三弾。捜査一課に復帰した主人公、蒲田で拷問された半グレの遺体が発見される。捜査一課は半グレ内部の私刑と見るが、氷膳が再度博士に意見を聞くと。。。

    読みやすい。展開も早い。ただ、真犯人をそっから持ってきたかーという感じ。
    次作も期待。

  • 新しい…いや、古いのか?斬新な考えだった。
    犯罪者に対する罪刑としての拷問が、100歩譲ってアリだとして、果たして誰がそれを執行できる精神を持てるのか?
    でも、細分化された量刑があれば、かなりの抑止力になりそう。
    いや、待てよ。
    拷問が嫌だから死刑狙いが増えるのか?

    しかし、こんなおっそろい考えが実行できてた時代があるって…
    しかも、本当に犯罪者ならいざ知らず、かなり冤罪感の溢れる『魔女』裁判とは…
    人って恐ろしい。

  • 意外な人が犯人でした。
    面白かった!

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著者プロフィール

島根県生まれ。電撃文庫より『トリックスターズ』でデビュー。『星読島に星は流れた』は『2016本格ミステリ・ベスト10』にランクインするなど高い評価を得る。現在注目される若手ミステリ作家のひとり。他の作品に『推理作家(僕)が探偵と暮らすわけ』『怪盗の後継者』など。

「2021年 『異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 嗜虐の拷問官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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