- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784049144000
作品紹介・あらすじ
★第28回電撃小説大賞《大賞》受賞作★
灰と混沌の迷宮都市。数多のモンスターと財宝を孕むダンジョンの鮮烈な灯り。その影には、必ず害虫が潜む。
秘宝を求める冒険者。己が神を妄信する宗教家。彼らを相手に『商売』をする者。強者が弱者を食い物にし、運良く生き残っても同じ弱者が群がってくる。吐き気を催す『食物連鎖』が起きるこの街で、今日も害虫たちが蠢き嗤う。姫騎士・アルウィンのために、そして彼女に知られることなく手を汚し続ける元冒険者・マシューも、その食物連鎖の中にいる害虫の一人だ。
進まない迷宮攻略、改善しない自身の『症状』に苛立つアルウィン。密かに勢力を伸ばす太陽神教。マシューの悩みの種は尽きない。そんな悪徳の街の日常に波紋が広がる。王都から送り込まれた、治安維持のための近衛騎士隊のせいだ。しかも、その隊長・ヴィンセントは、謎の死をとげた妹の事件を調査していた。マシューは妹殺しの疑いをかけられ、拷問まがいの取り調べを受けることになる……一方裏では、迷宮都市に新たな危機が迫ろうとしていた。
一人の『ヒモ』と、その飼い主の生き様を描く、異世界ノワール第2弾!
感想・レビュー・書評
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自身の行動を背景に溜まっていくツケを、マシューが口八丁手八丁で誤魔化しつつ、姫騎士様を守るために奔走するお話。
今巻も良かったです。前巻よりは、明るめエピソードが多かったかな?
前巻読んで、面白かったけどこの展開はちょっと、、、な人も、今巻は大丈夫なので是非。
個人的には「なすび」ネタが面白かったです。本筋に関係ない割に、しっかり落ちをつけれくれるという。
ストーリー全体としては、次に向けた助走みたいな印象でしたが、3巻発売も既に決まっているようで、楽しみにしています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【影の中で蠢く光があり、孤独の嵐を耐え忍ぶ先にある物】
妹殺しの容疑をかけられたマシューが影で暗躍する物語。
アルウィンを必ず守ると心に誓ったマシュー。
彼に迫る謎の刺客と妹殺しの疑惑。
悪徳の街で静かに胎動する謎の勢力。
治安悪化が顕著に明るみになり、それを取り締まる近衛騎士隊が派遣され、羽虫に集る害虫の様に不穏な影が渦巻く。
弱肉強食の喧騒の中で、破綻しつつある迷宮の中に潜り、人知れず孤独の嵐を耐え忍ぶマシュー。
彼を取り巻く勢力を持ち前の胆力でやり過ごし、己にとっての光であるアルウィンを全てを賭して守り通すのだ。