あした、裸足でこい。2 (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 79
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049144963

作品紹介・あらすじ

 二斗の失踪を止めるため、高校生活をやり直し中の俺。
 ギャル系女子・五十嵐萌寧は、親友への依存をやめる『二斗離れ』を宣言する。俺はその一環で趣味探しを手伝うことに。インスタやフットサル、さらには彼氏作りのサポートまで……!?
 一方、二斗はメジャーデビュー直後に大ブレイク。順調にアーティストの道を駆け上がっていた。だがそれは、一周目に起きた、萌寧との決裂が近いということで……。
 途絶えた二人の友情を取り戻す――。青春×タイムリープストーリー第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • よくよく考えてみれば「関係性の紡ぎ直し」がこんな感じに着地するであろうことは予想できたはずであり、また、(読者にだけは)唐突な“夢”にも最初から違和感を覚えさせるように書かれていたにもかかわらず、二人のブレークスルーまで何が起きているか気付けなかった。
    私が鈍いというのもあるんでしょうけど、そういう読者を翻弄する波を一冊の中に盛り込むのは、作者の手腕かなぁと。

    そして、巡と真琴の間にもまた、「関係性の紡ぎ直し」が迫られる。3年後の真琴にその関係性の変化を受容させるのは酷なのですが、どう道筋をつけるか……。

  • 二斗による驚きの告白から始まる第2巻、早くも物語は面白い展開を見せ始めたね
    巡は二斗を助ける為に高校時代をやり直すと決めた。だというのにその二斗自身も高校時代をやり直しているなんてね。しかも何度もループしているのか

    当初は高校時代に潜む二斗失踪に繋がる問題を解決すれば未来へ進めるのかと思われた本作。けど、高校時代を繰り返して何かを掴もうとしている二斗の問題そのものを解決しない限りは失踪回避に辿り着けないような…
    問題の根は案外深い場所に有るのかもしれないね……


    今巻は二斗の失踪回避に繋がるかもしれない要素の一つ、五十嵐の二斗依存脱却が主題となっているね
    小さい頃から一緒でとても仲良しな二斗と五十嵐。けど、二斗失踪の際に五十嵐は何も事情を聞いていなかった
    つまり、高校時代にて二人の間に断裂が生じていたという事で。それを修復できれば二斗が失踪するほど思い詰めるなんて無かったのかもしれないという話になるわけか

    ただ、未来の五十嵐が告げる関係は自然消滅。明確な問題が有ったのではなく、何となく距離が出来たみたいな
    これは巡と五十嵐の目標に関連してくる方向性だったのかな。二斗への依存を辞めるとは遣り方は扱いを間違えれば二人の関係を終わらせてしまう
    特に過去ではミュージシャンnitoがやり直し前よりも遥かに早いペースで人気を広げていたのだから、兆候はより明確になってくる

    その意味では巡が考え出した五十嵐が夢中に成れるものはないのかという作戦は最初から遣り方を間違えていたと言えるのかな
    同好会の他の面々が目指している夢が有るから、影響されて五十嵐も何かを持つのが普通だと思わされてしまう状況。でも、真琴が言及しているように何かに熱中していなければ青春じゃないなんて決まりはないわけで

    だからそもそも五十嵐が手にすべきは二斗から離れられる自分になる事ではなく、二斗と離れていても何処か繋がっている自分を手にする事だったのだろうね
    そしてその為には二斗自身も五十嵐と繋がっている自分を取り戻す必要があって
    その点、巡は望まぬ離れ方をしそうになっていた二人を繋げ直したね。特に二斗に大事な言葉を届ける為にnitoの領域に踏み込んだ事実は今後のやり直しにおいて大きな意味と影響を持ってくるんじゃなかろうか?


    そういや、結局五十嵐は三津屋との交際を清算してしまったけど、今後きっちり互いを好き合って再交際したりする未来は有るのだろうか?
    五十嵐の料理の方向性、巡と三津屋の優しさに関する発言。これを見ると何か宜しく無い可能性が頭に浮かんでしまうのだけど……

  • 前回の最後で巡に意味深な問いをした二斗もまた、タイムリープしていたとは驚きです。と言っても二人のリープの仕方には違いがあって、それがこの先未来の決定にどう影響してくるのかが気になりますね。今回は二斗の親友である萌寧が彼女への依存をやめようと藻掻く姿が描かれますが、その過程を通じて本当に大切なものに気づくシーンには心動かされました。そして他の岬作品とのクロスオーバーも楽いですね。未登場の声優は次回作の登場人物かな。さて巡は過去にも協力者を作ることになりますが、彼女はどんな役割を果たすのか。続きが楽しみです。

  • 萌寧が主役で、彼女と二斗の関係性が焦点の今作。
    二斗のブレイクにより2人の関係性が変わりつつある中、2人の間を取り持つべく、あっちやこっちに奔走する巡の活躍が、微笑ましかったり熱かったり。
    変わらぬものの大事さ、を感じさせてくれる、良きお話でした。
    本作の一番は、6章最後の展開における挿絵とセリフでしょうか。彼女たち2人の関係が行き着く先は、ある意味予想通りの展開ではあるのですが、それでも良かったです。
    次巻は真琴編のようですが、話の展開上キーとなるキャラだと思うので、引き続き楽しみです。

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著者プロフィール

第19回電撃小説大賞〈電撃文庫MAGAZINE賞〉受賞。同受賞作『失恋探偵ももせ』でデビュー。以降、電撃文庫・メディアワークス文庫で青春小説を中心に執筆。

「2023年 『あした、裸足でこい。3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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