- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784049148237
作品紹介・あらすじ
『床辻市に住むと、早死にする』
そんな噂が古くから囁かれているこの地方都市には、数多の禁忌と怪異が蠢いている――。
大量の血だけを残して全校生徒が消失した『血汐事件』。その日遅刻して偶然にも難を逃れた青巳蒼汰は、血の海となった教室で、彼にとっての唯一の肉親である妹・花乃の生首を発見する。だが、花乃は首だけの状態でなお生きていた。
花乃の身体はどこに隠されたのか。
この凄惨な事件は何故起きたのか。
借り受けた呪刀を携えて床辻のオカルトを追っていた蒼汰の前に、謎の少女・一妃が現れた。彼女は街の怪異から人々を匿う『迷い家』の主人だという。
そして少女は告げる。私が君の運命を変えてあげる、と。
――踏み出したら戻れない、怪異狩りの闘争がここに始まる。
感想・レビュー・書評
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面白かった!そもそも古宮本はとても好きだが、これは非常に好みだった。特にラストが良い。基本、よくあるタイプのアーバンレジェント的というか、口裂け女とか花子さんとか妙に流行る怪談やらオカルト噂が、実はほんものという世界設定で、妹の体を取り返すために、闘うスーパーお兄ちゃんの物語。ほかの登場人物もとても良い。いい感じに、昔からある民話と、今風な賢い電話を使った話などがミックスされている。
これはシリーズで長く続いて欲しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
☆3.4
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生首妹
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これは面白い!
数々の怪異が蔓延る床辻で発生した、校内の生徒が消失した血汐事件。生首で生き残った妹・花乃の体を取り戻す為、蒼汰は謎の少女・一妃と共に奔走する。
所々に散りばめられた伏線。そして、結末に向けて明らかにされる歪な真実に圧倒されました。
花乃の体の在り処や、血汐事件の真実、神様の存在などの要素が複雑に絡む一方、変わらぬ妹や一妃との関係性も良かったです。
作中に色々な怪異が登場するのですが、全て創作だそうで、正直良くこんなに沢山作ったな、と思いました。
ただ、終盤に一気に盛り上がるため、序盤が平板になっている点は残念。