命短し恋せよ男女 (電撃文庫)

著者 : 比嘉智康

• KADOKAWA (2023年5月10日発売)

作品紹介・あらすじ

　余命１年を宣告された中学生・石田好位置は、同じく余命宣告済で、「死ぬ前に一度でいいから恋がしたい」と恋に憧れる少女、穂坂ほのかの恋愛対象に選ばれてしまう。
「ひとりぼっちだったと思われて死にたくない」というほのかの願いに応え、カップルYouTuberを始める好位置とほのかだったが、そこに好位置の元カノが現れて……！
　さらには、ほのかに陰ながら思いを寄せるショタ御曹司も同じ病院内に居るだって！？
　自称ミステリアスガールなぽんこつ娘に、毒舌クールを装う元カノ、金持ちヘタレ男子とお人好し主人公、全員余命宣告済な男女４人による多角関係ラブコメが動き出す――！

感想・レビュー・書評

[らいらさんの感想 · 2023年5月23日]

余命宣告から始まる三角(四角?)関係ラブコメ。
重い設定ですが、展開は終始コミカル。個性のある４人のやり取りが面白い作品でした。特に、微と美澄のヒロインズ2人行動が、恋愛や病気に対する考えの差異に起因してかちょこちょこ違っており、それぞれ可愛らしかったです。
死期が迫った中学生の恋愛をコミカルに描く、というのが本作テーマでしょうか。
遠からぬ死を前提とした中で、日々を明るく生きてゆく展開は独特で、本作特有の味があったかと思います。その一方、このような難しいテーマに取り組んだ為か、所々に無理が出ていた感も。

著者プロフィール

北海道在住の小説家。2007年『ギャルゴ！！！！！！　地方都市伝説大全』にてデビュー。その他著作に『神明解ろーどぐらす』『たまらん！　メチャクチャな青春ラブコメに巻き込まれたけど、生まれてきてよかった』（MF文庫J）、『転醒のKAFKA使い』『キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った』（ファミ通文庫）など。

「2023年 『命短し恋せよ男女』 で使われていた紹介文から引用しています。」