僕たちはまだ、仕事のことを何も知らない。 (「私たちの未来」シリーズ)

制作 : 木平木綿 
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784052052019

作品紹介・あらすじ

「大人になったら、どんな仕事にも就けるはず!」……そう思っていた主人公たち(小学生)も、今や大学生。現実は、甘くはなかった。3人の大学生たちの「就職活動」を通して、仕事・会社選び、働くことの意味を伝える物語。涙がボロボロこぼれるほどの感動。

感想・レビュー・書評

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  • 就職活動は情報の洪水に溺れて、自分の方針や目的を見失いがち。この本は、就職活動を目前に控えた人や、就職活動中で進むべき道が分からなくなってしまった人の指針になる本だと思う。
    マンガなので読みやすいし、息抜きになるのでは。
    すでに社会人として仕事をしている人も、読んでみると初心に帰れるので、おすすめ。

  • 『感想』
    〇就職活動をテーマに、大きな分岐点をどう選んでいくかということが書かれている。

    〇この本は就職活動間近の人だけでなく、まだ先と思っている若者にも、就職をして今の環境に慣れきってしまった人にも読む価値がある。

    〇会社見学とか、セミナーとか、いろいろな方法で企業とコンタクトを取り、選び・選ばれていく。そこでお互いのことを探り合いながら就職になっていくわけだが、どれだけ力を入れても互いにすべてを知ることはできない。それは企業の人事も認めている。それでもミスマッチを少しでもなくそうと努力しているわけで、企業側になってしまった自分からすると、その難しさは痛いほどわかる。

    〇こんなはずじゃなかったと感じるのは採用側も採用される側も一緒。でも採用側は簡単に放り投げたりできない。何とかものにしようと、あの手この手で育成の努力をするよ。それでも放り投げるのは採用された側であることが多数。

    〇採用される側からすると、自分の希望条件をすべて満たせないのは当たり前。そこでどう優先順位をつけるか。自分の能力を生かせることは当然として、能力のない新人でも人として尊重してくれる企業を探せるといいね。

    〇つらい経験って人の成長のためには必要。それも若いうちに経験してそれをどう乗り越えていくかを身につけていないと、あとが苦しい。これは学生のうちに小さい山でも越えていてほしい。大人になって責任が増すほどつらさも大きくなっていく。でもそこを乗り越えないといけないんだ。そこにやりがいや自分の成長、充実感があると実感として知らなければ、その力は得られない。

    〇職場での地位とか給料とか、それも大事だけれど、最重要は人間関係。仕事を楽しいと思える、やりがいがもてる、そんなところでないとそこにいることがつらくなってしまう。これって運要素が強いからな。また人によって感じ方が違う。私個人の意見としては、異動のある職場がおすすめ。つらい人間関係をリセットできるし、自分の環境を変えていかないと、自分の成長が止まってしまうと感じる。でも環境変化に弱い人には向いていない。

    〇この本を読みながら、就職も学校選びも配偶者や友人を選ぶことも同じだなと感じた。究極的には運や縁になってしまうが、それを呼び込むために相手や自分自身に対して誠実であることが大切。偽りの姿を見せ続けることは互いにとって不幸。そして無理ならば関わりを変えていけばよいが、その前に自分から関係を良い方向に改善する努力をすることが必要。今の環境を作った責任は自分にもあるし、後悔だけしていては自分の成長がない。良い方向に自分も相手も変化させることができるなら、相手からの評価も高くなるよ。

    〇本の題名に「仕事のことを何も知らない」とあるが、これは仕事を実際にしている人にもわからないことだから。それだけ仕事は奥が深い。だからもし嫌な部分しかみえない人がいたら、それはいい部分をまだ見つけられていないだけと伝えたい。でも体や心を深く傷つけてまで踏ん張ってはいけない。

  • 良書!!!図書館のヤングアダルトコーナーにあったし、中高生向けなんだろうけど、大学生に勧めたい!!平易な言葉で理解しやすいが、かなり的を射た主張とストーリーで、一貫していて良い…漫画で読みやすいのも魅力。2時間強で読了した。

    p.64 仕事人生に大切なのは、「自分の能力を最大限に生かすことを「、しかし、現在の皆さんにとって、それは潜在能力であり、今はわからない。これこそが、「就職活動における現実」です。 現実を無視し、今の興味や能力を過剰に重視して、その仕事を強引に追いかける活動をすれば、努力とは正反対に、悩み迷い…「ミスマッチ」の仕事に就くことになってしまいます。

    p.72 「自分の能力をより引き出していくいける企業」で、つまり自分に期待してくれる企業だ!要するに、大切な事は、会社からの期待や、仕事のレベルです。つまり、「あなたを基幹社員(レギュラー)として採用しましょう。あなたに期待します」と言う企業に入ってほしいのです。逆に、「誰でもできる仕事だから、代わりはいくらでもいるよ」と言う会社では将来が心配です。そして、自分をより高く評価してくれる企業で仕事をする事は、喜びにもつながる。それによって自分の力を引き出すことができるし、おのずと会社に行くのが楽しくなります。つまり、それこそが 皆さんが目指すべき大きな目標だと思います。

    p.76 「人間関係の良い企業」とは、ズバリ、人間性の高い社員が集まっている企業、突き詰めれば人間性の高い企業です。 正しい方向の仕事でなければ、その人は、幸せな仕事人生を歩んでいくことができません。悪い能力は引き出さない、能力を悪いことに使わない、と言うことが大切です。当たり前のことですが、それが仕事の根本です。自己中心的な企業は、他人をけ落としてでも自分の企業だけ儲かれば良いと言う発想になってしまいます。従業員をできるだけ安く使い、得た富を1部の人が独占するような、社員格差のある会社もあります。他人の痛みに鈍感な企業は、仮に今大付上で買っても、長期的に見れば、未来は明るくなりません。「自分の大切な仕事人生を、安心して預けられる企業」ではないでしょうか。

    p.114 素直に、正直に自分の本当の自分を出せば、相手も本音で話してくれます。就職活動は双方向のやりとりですから、両者の信頼関係が不可欠です。企業と自分とが人間性の高い、素直で正直なやりとりをすれば、入社後のミスマッチはありません。これは、本当のコミュニケーション…と、言い換えられます。就職活動に嘘や誇張は必要ありません。何かマニュアルのような決まり文句を流暢に話せなくても大丈夫です。人間性を高める事は幸せな仕事人生の第一歩です。入社後の人間関係のためにも自分の人間性を高める事はとても重要です。自分の能力や人間性を、素直に正直に伝えればいいのです。多くの企業が新卒学生「伸びる人材かどうか」を期待しています。人間性が高く素直さや正直さがある人は、入社後も自分を伸ばしていくことができます。反対に、能力が高くても、人間性の高さや素直さ正直さがない人は、「伸びない人材と判断されてしまいます。人間性の高さや、素直さ正直さは、伸びるためのベースとなるものであり、企業はそれを見極めようとしています。就職活動のポイントは、本当のコミュニケーションができるかどうか、これに尽きます。

    p.152 私、成果外車とか食品の商品開発とか、自分がやりたい仕事を目指してだから…でも最近、幅を広げて活動していて詳しくない分野の仕事に応募することも多いんだ。それに、〇〇がやりたいからって言う志望動機、意外と使えないよ。例えば機械の卸売外車に応募するとするでしょう。その時、「私は、どうしても機械卸で事務の仕事がやりたいから志望しました」って、なんか不自然だよね?私が人事だったら、「なんで?」って思っちゃう。私、正直なところ、自分に今、社会に通用する能力があると思ってないし、絶対にやりたい仕事もない。それなのに、この能力が獅子この能力に自信があるとか、絶対にこれがやりたいとか、そんな強引な志望理由を1部志望動機を捜索して書いちゃったら、本当のコミニケーションなんてできないし、それで受かっても、きっとミスマッチになると思う。 だし、本当に正直な気持ちは、志望動機を聞かれたら、ホームページを見たりして、いい会社だと思ったから志望しました…って言いたい。だって、本当にそうだから。

    東京潰れたら、自分がなぜこの企業に入りたいか」を説明しますよね。言い換えれば、「自分がどういう企業に入りたいと思っているか」と言うことです。つまり、「能力が引き出せる、やりがいのある企業ですね。要するに、自分がその企業のどんなところにやりがいが感じると思ってやりがいがあると思ったかを伝えれば良いのです。「OBの話を聞いて、やりがいがあると思った」「風車小屋の先生から就職部の先生から話を聞いてやりがいがあると思った」、「実際に店舗を見学して、やりがいがあると思った」、「ホームページを見て、やりがいがあると思った」、など、その企業のことを自分なりの方法で研究して、自分の感じたことを書けばい いいのです。しかし、OBもいない、就職部も知らない、店舗もないし、取り扱っている商品も知らない…など、研究しにくい企業もあります。現実的にはそういった企業の方が多いと思います。そこで最も簡単な志望動機の作り方をお教えしましょう。
    「会社案内を拝見して〇〇と言うところがやりがいがあると思ったので志望しました。」これです。ほとんどの企業には会社案内があると思います。応募する企業を決まったら、会社案内を見て、その中の「やりがいがあるな」と思う部分を見つけ、それを〇〇部分にして志望動機を作ればいいのです。

    p.216 一次面接と同じように、面接を楽しいキャッチボールをする場、と考えてください。面接は、企業と学生が、お互いの相性を見る場です。相性を正しく見極めるためには、本当のコミュニケーションをする…つまり…お互いが本音で双方向の会話をするしかありません。良い就職、良い採用するためには、ゆったりキャッチボールをするような、普通の会話が不可欠なんです。本当のコミニケーションをすれば、お互いに、相手の話し方や表情、態度などから、いろいろなことが見えてきます。企業は、会話の中で、学生の頭の良さや人柄、人間性、そして、仕事への意欲、などを見ようとします。つまり、楽しいキャッチボールをすれば、強引なアピールをしなくても能力や人間性が伝えられるのです。また、そのような楽しいキャッチボールをすれば学生も、やりがいのある仕事かどうかや、この企業でちゃんと働いていけるかどうかが初めてわかってくるのです。

    たのしいキャッチボール(面接)の基本は、ボールが来たらしっかり受け止め、そしてしっかり投げ返すと言うことです。ボールを受け止めるためには、ボールをよく見ることが大切です。相手(人事担当者)から来るボールは、学生から見たら早すぎる球かもしれません。また緊張して体が硬くなっているかもしれません。落ち着いて、ボールがグローブに入るまできっちりしっかりと見て、まずは確実にボールを受け取ってください。そして、ボールを受け取ったら、相手の取りやすいボールを投げ返してください。これを続けていれば、楽しいキャッチボール、つまり…面接のコミニケーションが成り立ちます。

    そして回答する際のポイントは、質問の意を外さないこと、そして、自分の本心=モットー沿って答えると言うことです。一般的に、面接で最初にボールを投げてくる(口を開く)のは企業側ですから、相手が質問してきたら、相手の思いを受けて、自分の本心=モットーに沿って一生懸命に答えていけばいいのです。例えば、「自己PRをして下さい」と言われたら、「自己PR =自分の性格の良いところを述べて、こういう風に頑張りたい」と伝えればいいし、「当社のどこに魅力を感じましたか」と聞かれたら「志望動機=〇〇と言うところが、やりがいがあると思ったので志望しました」などと、本当のことを(=本心)を素直に正直に答えていけばいいのです。また、学生時代の活動について聞かれたら、エピソードを通して、自分が正しく成長できる人間であることを伝えればいいのです。面接で聞かれる事は、ほとんどの場合、履歴書、応募者書類の内容か、それを膨らませたものです。真実の内容を書いているのですから、答えるのは難しいことでは無いはずです。慌てずに人間性高く、素直に正直に思いを語れば充分です。そして、できる事は、「できると思います」と言い、できない事は、「自信がありません」と言えばいいのです。 できるかできないかは、コミニケーションをする中で、主に企業側が判断することです。「本当のことを話したのだから、後は相手の判断にお任せしよう」とおおらかに構えることが大切です。企業への就職って相性なんですよ。相手のあることですから自分の思い通りにはなりません。一定の点数を得れば合格できる試験でもありません。面接の第一の努力目標は…自分を売り込むことや説得することではなく、本当のコミュニケーションをすることなんです。そのためには、あまり気負わずに、さらりとしたスタンスで自然体に臨むのが良いんです。その方が良い結果につながります。

    面接時の具体的な行動について簡単にお答えしておきます。簡単にまとめると企業訪問や面接で学生がする具体的な行動は、この3つだけです。1.挨拶をすること、2.相手の話を聞くこと、3.答えること。

    p.272 鶴亀で人事をしていた時、たくさんの学生を見てきました。でも、この学生たちは幸せになれないな、と思いました。マニュアルに流され、目先の勝ち負けにこだわり、強引、無理、不自然な就職活動をする学生があまりにも多い。でも面接を始め離れればみんな好意を持ってる若者たちだったり…良さを捨ててしまっている…どうしてもっと素直に正直に活動できないのか。そうすればいい就職ができるのに…就職の目標にも問題があります。多くの人は、有名企業、やりたい仕事、あるいは、その2つを金合わせたものを目指している。それらの仕事は前仕事中のほんの1部なんです。当然、そういう企業に就職できるの ほんの1部の人だけです。それを目標にすれば、ごく1部の強い人しか幸せになれないことになる。多くの人はどうなるのか?無理な競争に巻き込まれ、追い込まれて強引な就職活動をし、そのあげく希望や自信をなくす。そして失望から社会人を始めることになる。働く意欲をなくす人も多い。人間は何のために働くのか、どういう仕事に着いたらいいのか、どのように働けばいいのか、とても難しい問題です。でも誰かが、それぞれ素晴らしいものを持っている。そして、自分の良さを生かして、人の役にたつことができる…そこに答えがあるはずです。無理な戦い、強引な就職活動をしなくても、学力のあるなしにかかわらず、誰もが自分にとっての幸せの入り口に立てる方法があるはず。 誰もが良い就職ができるはずなんです。私はそれを伝えたい。偉そうに言うならば、学生の意識改革をしたい。今の就職を変えたい、そうと言うところです。今のままでは労働環境がめちゃくちゃになってしまいますから。

    p.319 私は、自分が持っている人の役に立つ良い能力を最大限に引き出して、そして発揮していきたいと思っています。それが御社でなら可能だと思い、志望いたしました。最初の説明会から今日の面接まで、いつも私たち学生のことを気遣ってくださって、どれほど安心感や勇気をいただいたか分かりません。人に暖かな配慮ができる企業は、必ずその役に立てる企業だと思います。この環境の中で、この方達と一緒に働きたいと心から思いました。御社でなら、人の役に立てる仕事ができると思い、そこにやりがいを感じ、志望いたしました。

  • 子どもが就職活動をするのはまだだいぶ先だけど、世の中の大学4年生はこんなことをしてるというのはイメージできていた方がよいと思い、自分も読んでみた。
    就職活動のハウツー本というのは数多く出回っていそうだけど、就職活動中の学生3人を主人公に据えて、その紆余曲折を丁寧に描いた漫画というのは他にないんじゃないかと思う。ボリュームも十分で392ページもあります。非常に力作だと思う。
    就職活動はがむしゃらな自己アピールではなく、自分を素直に表現して、採用担当者と真のコミュニケーションを取ること、というテーマにも非常に好感が持てた。この本に描かれているような就職活動ができれば本当に良いと思う。現実はこのようなきれいごとばかりではおさまらないのだろうけれども。
    一つだけ気になったのは「人間性」という言葉の使い方。一次元のモノサシのような価値として扱われているように読めたが、人間性は多様性であって高いも低いもないと思う。言いたいことは分かるので、「人間性」ではない別の表現を使っていればよかった。

  • 図書館で偶然目に留まった。
    就活中の私、とにかく焦りと不安で何かにすがりたい気持ちになっていて、何か得られるものがあればいいなと思い読み始めた。無理に着飾らなくても、そのままの自分の良さと合致する就職先が必ずあるんだと背中を押して貰えた。就活の闇というか、リアルな描写もあって勉強になる。

  • マンガで読みやすかった。子どもが高学年くらいになったら一度読んで欲しい本。

  • 幸せな就職、して欲しいよね。
    必要異常な高望みも必要ないし、必要以上に自分を安売りする必要もない。
    だけどなあ。
    やりたいことがそもそも安売り状態の場合はどうしたらいいんだろうな。
    もっと上を狙っていいと言っても、上がそう簡単には存在しない場合はどうしたらいいんだろうな。
    諦めろ?

  • 385ページの大作だけど、マンガだからサクッと読める。
    タイプが違う3人の就活物語。
    応援したり、呆れたり、ホロっとしたり‥

    「自分の能力を引き出していける企業に入ること」
    「人間性の高い企業に入ること」

    就活生、ファイト‼︎

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/651026

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000052284

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