- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061154957
感想・レビュー・書評
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著者、東郷正延さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。
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東郷 正延(とうごう まさのぶ、1908年7月13日 - 2002年2月13日)は、日本のロシア語学者。
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で、本書を書かれた時の著者の年齢は、58歳位になります。
そして、本書のまえがきには、次のように書かれています。
---引用開始
あれは1962年のことですから、今からではもう4年もまえのことになります。その年の秋から冬にかけてたまたま私はソ連に滞在していたのですが、11月7日の早朝、私はけたたましい電話のベルに眠りを破られました。ねむい目をこすりながら受話器をとると、「自分は科学アカデミーの者だが、貴君を本日の革命記念式典にご案内のためお迎えに参上した。これから5分以内に支度をしてホテルのロビーまでおりてきてほしい」とのことでした。ホテルにはこの日のためにアメリカから招待された3名の学者も泊まっていましたので、その人たちと連れだって、「赤い広場」にかけつけると、そこはもう一杯の人でごったがえしておりました。
---引用終了
11月7日の革命記念日は、ソ連解体後に廃止されたそうで、今読むと、今昔の感が強い。
その革命記念日だが、2017年の東洋経済ONLINEに次のように書かれています。
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1917年10月25日(新暦では11月7日)、ロシアの首都で労働者や兵士による武装蜂起が起きた。ロシア革命(十月革命)である。それからちょうど100年の節目を迎えたわけだが、ほとんど語られることはなく、すっかり忘れ去られた感がある。
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最後に、ロシア語の「ありがとう」は、
Спасибо
「スパスィーバ」。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
母が家に持ち帰る。
“かたことのソビエト旅行”を読んでから、東郷先生の書く本の大ファンである。
ちょっとした通行人に対する一文からも、視点の温かさを感じる。ロシア滞在中の様々なことに対する細かな洞察、ロシアへの憧れからくる好奇心、ロシアを愛する気持ちがじわじわと伝わってきて、それを読者に共有させてくれているような温かな文体で、読んでいて疎外感を感じず、心が温まる。
生前に東郷先生にお会いしたことがある。今ならもっとお聞きしたいことが沢山ある。 -
1966年に出版された本なので、今とは違う部分もたくさんありましたが(ソビエトの時代なので)、それも含めて、面白かったです。
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ロシア語を楽しく、それでいながらわかりやすく案内する新書。著者の文才か、非常に読みやすく理解もしやすかった。小話を挟み、読み物としてロシア語の入門的な説明な案内をしている点は、2008年度NHKラジオロシア語講座の黒田先生のようでいい。ただ、ロシア語の初級を少なからず学んでいない者にはスラスラ読めない内容であるし、ついて行けないと思う。巻末のソ連・ロシア偉人の格言、金言も面白い。